私たち再春館製薬所は、人間が本来持っている自然治癒力や自己回復力を最大限に引き出すべく日々研究を重ね続ける製薬会社です。
年齢を重ねることへ前向きになっていただくために、長年「老化」に向き合い続けてきました。
その根本にあるのは、漢方の言葉「天人合一(人間も自然の一部である)」に込められた考えに他なりません。
自然の力を人の力に活かすことにより、いきいきと健やかに年齢を重ねていただきたいと願っています。
そうした想いを大きな原動力とし、「安心」と「安全」どちらも大切にするために、常に世界中からより良い自然の恵みを探し続けています。
直接産地に赴き、自らの目で確認するなど、納得したものだけを取り入れています。
高麗人参は、健やかな体を維持する植物の中で “百草の王”とも呼ばれ、古くから重宝されてきました。 中国の歴代皇帝に献上され、 秦王朝の時代には高麗人参を守るために長白山脈へ兵を入れて警備を行い、 採取には許可書を必要としていたほどです。
また、医療の限りを尽くして治療する例として「人参で行水」といわれることからも、 その類まれな力がわかります。 遠い昔から伝わる高麗人参が秘める大きな自然の力は、 年齢を重ねたお肌に欠かすことができない。 私たちはそう確信しています。
ひと口に高麗人参といっても様々で、多くは4年で収穫されています。 そうした中、私たちが選んだのは、7年もの年月をかけて育てられる長白参の根「7年根」。 土の養分や一年を通した気候など、良い高麗人参が育つ条件が全て揃っている特別な地、中国吉林省長白山脈でしか育てることのできない、高麗人参の最高峰です。 現地では「集安新開河辺条人参(しゅうあんしんかいこうへんじょうにんじん)」と呼ばれ、他の産地のものの10〜20倍の値がつくこともあるほどです。
長白参の栽培により適した環境を整えるため、 畑づくりは斜面の向きや斜度、土質、水はけなどを基準に選び抜かれた山深い地で2年もかけて行われます。重機を入れることができないため、原生林を切り拓く際も、土を耕すのも、ほとんど手作業で行わなければなりません。 ふかふかの土に足を取られて歩くことさえ大変ですが、上質な長白参が育つための条件を兼ね備えた地だからこそ、「確かなものを」という想いを胸に、手間暇を惜しむことなく、懸命に土づくりが続くのです。
類まれなる大地の力を受けながら、長白参は長い年月をかけて力強く根を張っていきます。 ただし、3年目には植え替えをしなければなりません。 長白参は生きるために地中深く根を伸ばし、3年の間に畑の養分をほとんど吸い尽くしてしまうからです。 驚くことに、その後30年もの間、同じ畑では長白参を栽培することができません。 もちろん、二つ目の畑も4年後には同じ状態に。それほどまでに、長白参の根一本一本には、しっかりと蓄えられた大地の力が凝縮されているのです。
確かな品質の長白参を育てるためには、土質、天候、水分、根の状態などを見極める熟練の目と伝承されてきた栽培方法を要します。 3年目の植え替えの際には、優れた長白参だけを厳しい目で選ばなければなりません。 それは、本体より有用成分が豊富な「ひげ根」を力強く育てるために不可欠な判断。 さらに、長年の経験をもとに残すべき2本の「ひげ根」を選び、手作業で他を取り除きます。収穫の作業も、「ひげ根」を傷つけないよう、1本ずつ丁寧かつ手早く行われます。
生産者の手を離れた長白参は加工場でもたくさんの熟練した人の手を必要とします。 選りすぐりの長白参を、まず本体と「ひげ根」に分別。絡み合っている長く繊細な「ひげ根」は、傷つけないよう手作業で丁寧にほぐします。 有用成分が豊富な「ひげ根」は、長白参の本体100gから、わずか2、3gしかとれない希少なもの。 その力を守りつつ磨きをかけ、人の力に活かすためには、手間がかかっても、たとえ効率が悪くても、機械任せにはできません。
安心・安全を守り抜くためには、わずかな妥協も決して許されません。 乾燥の工程では、経験を積んだ専任の担当者が、見て触って一本一本の状態を常にチェックしながら、辛抱強く見守ります。その後は、高感度の機械にも勝る手の感覚と技術を頼りに、太さや色に問題がある部分を取り除き、さらに選りすぐります。 最後の最後まで熟練の技術、勘と知識を活かし、人の力で長白参の持つ自然の力を最大限に引き出すことにより、揺るぎない品質の素材に仕上がっていくのです。
生産地に赴き、自ら素材を確認することは、研究者として当然のことだと思っていましたが、道なき道を登った先で実際に目にした原生林の中に広がる畑は、感動の一言。立っているだけでも大変な斜面で栽培をされている生産者の言葉からは、長白参へのこだわりと自信が伝わり、思わず胸が熱くなりました。 長白山という唯一無二の地で、深い愛情を注いで「長白参」を育てていらっしゃる想いの根底に、「どこにもないものを、どこにもない方法で」という私たちのものづくりの精神と相通じるものが感じられました。
「長白参の力」を丸ごと余すことなく引き出し続けていくことが、研究者としての使命である、と考えています。 だからこそ、成分ひとつひとつを確認し、抽出方法にもこだわり抜けるよう、熊本大学薬学部と「再春館・自然×サイエンス共同研究講座」を共同で設置し、ひと手間を加えて新たな働きを引き出す漢方の知恵“修治”の発想をヒントに見出した4つの方法を実用化しています。 研究者にとって、自然から授かった「素材力」は宝物。それを大切にするのはもちろん、私たちならではの「研究力」で新たな価値を付加していかなければならないという想いを改めて強くしています。 これからも「今」に満足することなく研究を重ね、自然の恵みをいただき、余すことなく活かし、“進化”と“深化”を続けていきます。