芋焼酎のかすのメラニン抑制作用と
スイスの高山植物ピンピネラの抗酸化作用を発表
日本生薬学会第57回年会
2010.09.24
学会発表
再春館製薬所 研究開発部は、日本生薬学会第57回年会において、芋焼酎粕抽出物にメラニン抑制効果があり、ピンピネラに抗酸化作用があることを発表しました。
芋焼酎粕は産業廃棄物として扱われますが、有用成分が多種多様に存在すると言われ、特にポリフェノール含有量が高いと言われています。
またピンピネラは、地下部(根)は生薬として利用されますが、地上部(葉・茎)は廃棄されていました。ピンピネラは紫外線が強く降り注ぐスイス高山で生育しているため、地上部は皮膚への有用性があるのではないかと我々は考えました。
芋焼酎粕にメラニン抑制効果と
メイラード反応抑制効果を確認
私たちは、美容上最も関心が高い効果のひとつである、メラニン抑制作用を検証しました。
芋焼酎粕をメラノーマ細胞(※1)に添加したところ、メラニンの生成が抑制されることが確認できました。
しかし芋焼酎粕はチロシナーゼ(※2)の阻害活性を有していないことから、間接的にチロシナーゼの活性を抑制し、メラニン生成を抑制していると考えられます。
- ※1 メラノーマ細胞
- 日本語では悪性黒色腫とも呼ばれ、皮膚のメラニン色素を作るメラノサイト(色素細胞)ががん化した腫瘍由来の細胞
- ※2 チロシナーゼ
- メラニンの形成過程に関わり、合成を促進する酵素
次に、皮膚の抗老化へのアプローチである、糖化反応(※3)を評価することにしました。
実験用に糖化反応物を作成し、芋焼酎粕を添加したところ、顕著に抑制されていることがわかりました。
芋焼酎粕そのものではなく、抽出したものを添加した場合でも同様に糖化反応物の生成量が減少しました。
- ※3 糖化反応
- 体内で糖質とタンパク質が結合して老化促進物質であるAGEs(終末糖化産物)が生成され、肌のコラーゲンなどが硬化してシワ・たるみの原因となる

ピンピネラに秘められた力
私たちは、スイスのアルプス原産のピンピネラを用いて、肌の老化の原因となる活性酸素に対する効果を調べました。図に示すように、ピンピネラエキスは、活性酸素(ヒドロキシラジカル)を最大で90%以上消去することが分かりました。これらの結果から、ピンピネラエキスはシワやシミなどの肌の老化を防ぐ素材であると期待しています。

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