再春館製薬所 研究開発部

HSP70がコラーゲンを守り、
シワ対策につながることを発見

2011.11.30

研究

再春館製薬所 研究開発部は熊本大学との共同研究により、HSP70がコラーゲンの分解に影響を与え、シワの改善につながることを発見しました。

シワの原因はコラーゲン減少

ハリのある肌を保つには、コラーゲンが大切だと聞いたことがあると思います。下の図に示すように、基底膜にはW型コラーゲン、真皮にはT型コラーゲンが存在し、まるでベットのスプリングのように肌を支えています。 私たちの肌は、これらのコラーゲンに支えられるおかげでハリが保たれているのです。

シワの最大の原因が紫外線であると言われています。肌に紫外線があたると「コラーゲンの生産と分解のバランス」が崩れてしまい、コラーゲンが減ることが知られています。それでは、なぜ紫外線があたるとバランスが崩れてしまうのでしょうか?紫外線は、肌にあたると炎症反応を引き起こし、分解酵素をたくさん作らせます。 この分解酵素は、まるでハサミのようにコラーゲンを切断するため、大切なコラーゲンをボロボロにしてしまうのです。 そして、最終的にコラーゲンが減ってしまい、肌を支えることができなくなります。「コラーゲンの量が減っていく!? それじゃあ、新しいコラーゲンを作って、補えばいいのでは?」と思った方もいるかと思います。 しかし、残念ながら年齢を重ねるとコラーゲンをつくる能力が低下するため、新しいコラーゲンを十分には補えなくなるのです。 さらに紫外線があたると、コラーゲン生産工場の線維芽細胞がダメージを受けるため、コラーゲンをつくる力がますます弱まってしまうのです。

線維芽細胞を守るHSP70

HSP70は「自らの力で」私たちの肌を守ってくれるタンパク質です。私たちは、このような働きを持つHSP70が「シワ」を防いでくれるのではと期待し、熊本大学との共同研究を行ってきました。 そこで、コラーゲンの生産と分解に対するHSP70 の働きを調べてみました。まず、コラーゲンの生産工場である線維芽細胞をHSP70が保護するか実験しました。 その結果、こちらのグラフのように、紫外線によって増える線維芽細胞の細胞死が、HSP70を増やした細胞では、あまり起こらないことが分かりました。 この結果からHSP70は「線維芽細胞を守ること」でコラーゲンを生産する力を維持することが分かりました。

次に、HSP70がコラーゲンの「分解」に影響をあたえるか検討しました。肌を支えるコラーゲンやエラスチンは、コラゲナーゼやエラスターゼなどの分解酵素によって壊されてしまいます。 そこでこれらの分解酵素に対するHSP70の効果を調べてみると、 HSP70を増やした細胞では、 代表的なコラーゲン分解酵素であるMMP2の量が約半分に減ることが分かりました。また、紫外線によって増えるMMP9やエラスターゼなどの分解酵素もHSP70によって減少することも明らかになりました。

これらの結果から、 HSP70は分解酵素を減らすことでコラーゲンの生産と分解のバランスを整え、肌のコラーゲンを守ってくれることが分かりました。このような働きから、HSP70は肌のハリを保ってくれることが期待できます。

本件に関するお問い合わせ

株式会社再春館製薬所

電話 ※1
096-289-4444
フォーム ※2
https://www.saishunkan.co.jp/contact/
  • ※1 お電話の受付時間は平日9:00〜18:00(年末年始を除く)
  • ※2 お問い合わせフォームからの問い合わせはページ最下部のフォームよりお願いします。
    その際、お問い合わせの種類は「商品」を選び、記入欄に「研究開発についての問い合わせ」とご記載ください。