不知火菊のAngptl2抑制と
メラニン産生抑制の機序
について
第19回日本抗加齢医学会総会
2019.06.14
学会発表
再春館製薬所 研究開発部は、2019/06/04に行われた「第19回日本抗加齢医学会総会」にて、「不知火菊のAngptl2(※)抑制とメラニン産生抑制の機序について」を発表しました。
Angptl2が過剰につくられると、コラーゲンを破壊し、さらに“シミ”の元であるメラニン形成にも関与します。
この老化に大きく関わるAngptl2を、不知火菊が抑制する効果があることが我々の研究でわかりました。
- ※ Angptl2
- アンジオポエチン様因子2。組織の修復に重要なタンパク質だが、過剰に分泌されると慢性炎症を引き起こし、老化を促進したり、糖尿病や動脈硬化、がんといった生活習慣病の発症・進展に関与する
Angptl2=身体へ重大な影響を
及ぼす悪玉タンパク質
Angptl2(ANL)は、壊れてしまった組織の修復にも関わる、身体に必要なタンパク質です。しかし、加齢・ストレス・運動不足・過食・紫外線などが原因でAngptl2(ANL)が増えてしまい、その結果、体の中で小さな炎症が継続的に引き起こされることで(慢性炎症)、ガンの発症・進展や糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病にまで発展してしまうことが分かっています。

Angptl2はハリ・弾力の源
「コラーゲン」を壊す
Angptl2(ANL)が紫外線や睡眠不足、過食などで必要以上に増えてしまうことで、角質が肥厚したり、身体のサビと言われている活性酸素の増加、肌の弾力を生み出すコラーゲンを分解してしまう酵素が増えることが分かりました。実際に、Angptl2(ANL)量と皮膚のコラーゲン量の関係を調べたところ、Angptl2(ANL)量が多い人は、コラーゲン密度が低下していることが確認されました。

Angptl2はシミのもと
「メラニン」を形成し、
過剰に増やす
シミのもとであるメラニンを作り出すメラノサイトという細胞を用い、Angptl2(ANL)とシミの関係を明らかにしました。
私たちはAngptl2がメラニン産生にどのような影響を及ぼすか調べるために、Angptl2が多い細胞と通常の細胞を用いて、複数の遺伝子・タンパク質の発現状態を調べました。結果、Angptl2が多い細胞では、メラノサイトを活性化させる因子(α-MSH、ET-1)が多く産生されていること、Angptl2が多いメラノサイトではメラニン産生を引き起こすチロシナーゼ(※)という酵素の発現が高く、メラニン産生が増加することを確認しました。紫外線、睡眠不足、過食などの様々なストレスにより、肌でAngptl2(ANL)が増加すると、肌の細胞からメラニン産生を促す物質を作り出していることを確認しました。メラニンを作らせる信号の起点の一つがAngptl2(ANL)であることが明らかになったのです。
- ※ チロシナーゼ
- アミノ酸のチロシンをメラニンへと変化させる、メラニン生成に関わる銅を含む酵素。ヒトの皮膚のメラノサイト(色素細胞)に存在し、紫外線などによってチロシナーゼが活性化すると、メラニンが過剰に生成されシミの原因となる

紫外線、睡眠不足、過食などの様々なストレスにより、肌でAngptl2が増加すると、ケラチノサイト、メラノサイトからメラニン産生を促す因子を産生し、しみのもとであるメラニンを大量につくり出してしまいます。つまり、メラニンを作らせる信号の起点の一つがAngptl2であることが明らかになりました。

糖尿病や動脈硬化、心不全などの心血管病、生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展につながってしまうAngptl2ですが、肌老化にも大きく関与することが我々の研究で徐々に明らかになってきました。 今回の結果は国際専門誌「Experimental Dermatology」に掲載され、2018年・2019年の論文ダウンロード数上位10%に選ばれました(同雑誌内)。(https://bit.ly/2JLtl1h)。
Angptl2(ANL)を
抑える抗老化の鍵
キレイを叶える幻の花「不知火菊」
Angptl2(ANL)を抑制する力を見つけるために世界中から400を超える植物を調べました。その中で、Angptl2(ANL)を80%も抑制する力があったのが不知火菊という花でした。不知火菊は熊本・不知火地方で「お茶として飲むと病気が治る」と民間伝承のもと、ひっそりと栽培されていた花でした。つい最近まで学名すら持たず、この地方以外で自生していない、まさに幻の存在だったのです。現在、有効成分の特定により特許出願を行い、より効果のある原料に仕上げるための詳細な研究に着手しています。
本件に関するお問い合わせ
株式会社再春館製薬所
- 電話 ※1
- 096-289-4444
- フォーム ※2
- https://www.saishunkan.co.jp/contact/
- ※1 お電話の受付時間は平日9:00〜18:00(年末年始を除く)
- ※2 お問い合わせフォームからの問い合わせはページ最下部のフォームよりお願いします。
その際、お問い合わせの種類は「商品」を選び、記入欄に「研究開発についての問い合わせ」とご記載ください。