“皮膚構造”から編み出した浸透技術を開発
浸透量を約1.77倍に高める独自技術の「ラメラ構造」の再現
2026.02.27
研究
※初回公開日:2022年9月(旧サイトより移行)
皮膚本来の「バリア機能」を損なうことなく、有用成分を肌の奥(※角層深部)まで届ける。このスキンケアにおけるこの最大の矛盾に対し、再春館製薬所は「肌の構造そのものをクリーム製品の中で再現する」というアプローチで答えを出しました。本レポートでは、一般的な技術と比較して約1.77倍の浸透効率、およびコラーゲン産生促進を実現した、独自の「浸透技術」について解説します。
皮膚科学の壁:「バリア機能」と「浸透」のジレンマ
私たちの皮膚は本来、外部からの異物侵入を防ぐ堅牢なバリアとしての役割を持っています。水と油が幾重にも重なるこの壁は、ウイルスや花粉を防ぐ一方で、化粧品に含まれる有用成分の侵入さえも阻んでしまいます。
一般的に、肌に塗布した成分が浸透する際の経路には、主に「細胞内経路」「汗腺(経孔)経路」「細胞間経路」の3つがあります(図1)。

「細胞内経路」は肌への刺激リスクが高く、「汗腺経路」は毛穴が存在する面積が肌表面のわずか約0.1%ほどと極めて限定的です。そのため、有用成分を効率的かつ安全に届けるためには、細胞同士の隙間を通る「細胞間経路」の活用が最も重要となります。
従来、このバリアを突破するために一時的に「緩める(壊す)」手法がとられることもありましたが、それは同時に肌への負担となり、トラブルの原因にもなりかねません。
「肌を守りながら、成分を届けることはできないか」。この難題に対する再春館製薬所の解答が、技術による「肌との同化」でした。
解決策:細胞間脂質と同じ「ラメラ構造」を再現する
健康な肌の角層では、細胞の隙間を埋める「細胞間脂質」が、水分と油分がミルフィーユ状に交互に重なり合う「ラメラ構造」を形成しています。ラメラとは「層状の」という意味を持ち、その言葉通り、細胞間脂質はセラミドなどの油性成分と、アミノ酸などの水性成分が幾重にも重なってできています(図2)。

写真1のように、私たちはクリームそのものに、この肌のバリアと同じ「ラメラ構造」を持たせることに成功しました。
肌と同じ構造を持つクリームは、塗布した瞬間に「異物」ではなく「自分の一部」のように肌になじみます。バリアを無理にこじ開けるのではなく、肌の構造に溶け込む(同化する)ことで、有用成分をスムーズに奥深くまで送り届けることが可能になったのです。
実証データ:浸透力向上とコラーゲン産生への影響
この「浸透技術」の効果は、3次元培養皮膚モデルを用いた比較実験によって数値で実証されています。
有用成分の浸透量は約1.77倍へ
同じ成分(ナイアシンアミド)を配合した「一般的なクリーム(非ラメラ構造)」と「ラメラ構造のクリーム」を比較した結果、図3の通り、ラメラ構造を持つ製剤は有用成分の浸透量が約1.77倍に向上することが確認されました。

Ⅰ型・Ⅳ型コラーゲンの産生促進
浸透効率の向上は、肌内部での確かな手応えへと繋がります。有用成分が的確に届くことで、健やかな肌作りに欠かせないコラーゲンの産生量においても、顕著な差が確認されました(図4)。

図4のデータが示す通り、肌のハリを支える「Ⅰ型コラーゲン」は約2.77倍、表皮と真皮をつなぐ土台となる「Ⅳ型コラーゲン」は約2.04倍と、ラメラ構造なしの場合と比べて有意に増加しています。
これは、「何を配合するか」と同じくらい、「どのような技術で届けるか」がスキンケアの成果を左右することを証明しています。
再春館製薬所では、今後も「自然の力」をサイエンスで引き出し、皮膚科学に基づいた独自の技術開発を通じて、お客様の肌の可能性を追求してまいります。
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