HSP70発現を誘導し、
美白と皮膚保護に
効果的な
ヤバツイ/アルニカについて
発表
日本薬学会第130年会
2010.03.28
学会発表
再春館製薬所 研究開発部は熊本大学との共同研究により発見された、美白と皮膚保護に効果的な原料「ヤバツイ/アルニカ」について発表を行いました。
様々なストレスから体を守るHSP(ヒートショックプロテイン)
私たちの体は日々、様々なストレスを受けています。紫外線、炎症…ダメージを受けても修復し、自らを健康に保つことができます。 その自己回復力を支えるひとつの仕組みが、HSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質です。HSPは、ストレスが強い状態になると、重要なタンパク質を取り囲み、保護する役割をもっています。そのことから、介添人を意味するシャペロンとも呼ばれています。このHSPは皮膚にも存在することが分かっていますが、その機能や役割についてはよく知られていません。そこで皮膚のHSPが「肌の自己回復力」について大きな役割を果たしていると考え、熊本大学と研究を進めました。
紫外線ダメージから肌を守る
まず私たちは、HSP70が肌を保護しているか調べました。肌で最も重要なストレスのひとつは紫外線であると言えます。私たちは表皮に存在するHSP70(ヒートショックプロテイン70)に着目して、 紫外線ダメージをHSP70が抑制できるか研究を進めました。こちらの写真は無処理の細胞とHSP70が存在する細胞に対し、紫外線B波によるダメージを測定した結果です。 ダメージを受けた細胞は緑の蛍光で示されており、HSP70の存在で、紫外線ダメージが抑制されていることが確認できます。紫外線ダメージからの修復が不十分であると、細胞の機能が衰え、肌の悩みも加速してしまいます。HSP70は紫外線ダメージからの保護について重要な役割をしていることが分かりました。

さらに私たちは、年齢肌のもう一つの悩みである「シワ」について研究を進めました。その結果、HSP70を増やすことでシワまで防げることが分かりました。
シワやシミは、紫外線などの様々なダメージの積み重ねによって引き起こされます。 肌のHSP70は、そのダメージ一つ一つを減らすことで、シワやシミといった年齢肌の悩みを防ぐことができるのです。
HSP70は、世界で初めてシワとシミの両方を防ぐことが明らかになったタンパク質なのです。

もう一つ注目すべきなのは、HSP70がたくさんある「場所」です。HSP70は体の様々な場所にあるのですが、肌では、特に「表皮」にたくさんあることが分かりました。この表皮は、体の外側に位置するため、紫外線ダメージを最も受けやすい場所なのです。紫外線は、表皮にあたると炎症反応を引き起こし、内側にある真皮にまでダメージを伝えてしまいます。表皮にあるHSP70は、この炎症反応のスタートを小さくすることで、真皮へのダメージを減らしてくれるのです。

肌本来の力を引き出す天然原料
HSP70を高める原料探しが熊本大学で開始されました。効果の高い原料が見つかっても、肌への刺激が確認されると、また次へ。年齢を重ねた肌のために、より安全性の高い生薬を探しつづけ、その数は400種類以上にまで及びました。そして、ついに全ての条件を満たす原料として、湿地に生える多年草の「野馬追」が選ばれました。
野馬追のHSP70への効果実験を行った結果、野馬追が「HSP70」を増やすことが分かり、さらに遺伝子レベルからもHSP70を増やすことが確認されました。HSPを高める成分としては、胃潰瘍(いかいよう)の薬でGGA(Geranylgeranylacetone)という合成の薬がありますが、 天然原料から同等の効果を見つけ出したのは、初めてのことです。「天然原料で肌本来の力を引き出す」という私たちが理想とする素材に辿り着いたのです。

自己回復力を高め、
紫外線対策の強化を
肌は、日々紫外線にさらされています。その影響は炎症にはじまり、肌の中ではコラーゲンなどのタンパク質を作り出す設計図(DNA)を傷つけ、 さらに老化はおろか皮膚ガンになってしまう可能性も高まります。まずは、日焼け止めなどで紫外線を防ぐことをしっかりすることが必要ですが、100%は防ぎきれません。 そこで、さらなる光対策として、肌本来が持つ自己回復力を高めるという新たな手法が「野馬追」により可能になります。私たちは光老化対策の強化によって日々のスキンケアにさらなる効果をもたらします。

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