週周リズムを整えて
自己回復力を上げる

「体調がスッキリしない」
「曜日によって体の調子が違う」

こんな悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?
実は、体調不良に「生体リズム」が関係している可能性があります。

約2400年前、西洋医学の父とされているヒポクラテスは、
「規則性は健康の兆候であり、不規則な身体機能や不規則な習慣は不健康状態をつのらせる」
と述べています。
この時代から生体リズムは、健康の維持に関係していると指摘されていました。

では、「生体リズム」とは具体的に何か知っていますか?
今回は、生体リズムとは何か、生体リズムの中でも注目している週周リズムについて説明します。



生体リズムとは

生体リズムとは、私たち人間、動植物など全ての生物が持っている周期そのものを言います。
私たち人間は、朝起きて、夜寝るという生活を送っていますよね。この当たり前な生活にも、生体リズムが関係しています。
生体リズムを整えることは、本来私たちがもっている力(自己回復力)を高めます。
しかし、生体リズムは、不規則な睡眠や食事、平日と休日の生活リズムの違いなど、さまざまな要因によって影響を受け左右されます。
生体リズムに影響を与えないためにも、体の内側と外側の両方を意識し、健康な体を作ることが大事です。


週周リズムは
現代社会を生きる
人間特有のリズム!

私たちの体に影響しているリズムは、日周リズム・週周リズム・月周リズム・年周リズム・90分リズムの5種類あります。(1)

その中でも、週周リズムは人間特有のリズムです。
私たち人間の社会では、1週間を基準にするリズムが多く存在します。会社や学校なども、1週間を基準にして運営されていますよね。
このように、私たち人間にとって、週周リズムは重要視しなければならないリズムです。


週周リズムが
関係している
「社会的時差ボケ」

図. 1 平日の睡眠時間と休日の睡眠時間の差で生じる社会的時差ボケ

日周リズムを整えることは大事な事ですが、平日と休日の過ごし方はどうでしょうか?
「明日お休みだから夜更かししよう」
「休日だから寝たいだけ寝よう」
平日と休日の生活習慣に違いが出ると、週周リズムが崩れてしまい、体調や気分に影響が出てしまいます。
「サザエさん症候群」「ブルーマンデー」という言葉を聞いたことはありませんか?これらの言葉は、週周リズムの乱れが関係している現象です。

週周リズムの乱れが関係している現象には、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」という言葉も存在します。

社会的時差ボケは、2006年にロネンバーグ教授が提唱した概念です。
海外旅行をした時、「夜だけど眠気がない」または「昼だけどずごく眠たい」など、時差ボケの経験をしたことはないでしょうか?
社会的時差ボケとは、平日の睡眠時間と休日の睡眠時間の中央値の差により、実際の時間と体内のリズムにズレが起こることです。
例えば、平日の睡眠時間は0時〜6時(中央値3時)、休日の睡眠時間は2時〜12時(中央値7時)としましょう。この場合、社会的時差ボケは4時間になります。分かりやすく言えば、「4時間の時差がある国に毎週旅行している」ということになります(図. 1)。
海外旅行をした時のような時差ボケにより、日中の眠気、集中力の低下、体が怠いなどの症状が起こります。(2)

このように、週周リズムが崩れると、私たちの体にはさまざまな影響が出ます。
特に睡眠時間は、週周リズムに大きく関与しています。


週周リズムが大事な鍵

週周リズムを改善することは、「生体リズムの質の向上」にも繋がります。
再春館製薬所では、週周リズムの乱れによる体の中の変化を、科学的に解明しようとさまざまな研究を行っています。
次回、再春館製薬所が行った研究で得た新たな情報やデータについてご紹介します。

【参照】
(1) 文部科学省後援 健康管理能力検定3級公式テキスト 第4版 第1章私たちのからだのリズム
(2) Wittmann M, Dinich J, Merrow M, Roenneberg T. Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiol Int. 2006;23(1-2):497-509.


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