泉州水茄子

泉州水茄子とは、大阪府の南部、泉州（せんしゅう）地域（岸和田市、貝塚市、泉佐野市など）を特産地とする、茄子の品種です。
その名の通り、「水」茄子と呼ばれるほど水分を非常に多く含んでいるのが最大の特徴で、日本の茄子の中でも特別な存在として知られています。皮が薄く、果肉はスポンジのように柔らかく、アク（えぐみ）が極めて少ないため、茄子には珍しく生で食べることができます。

再春館製薬所では「水分をふんだんに含む水茄子には、お肌にもうるおいを与える効果があるのではないか？」という推測のもと研究を行いました。
結果、水茄子から抽出したエキスには、角層の細胞に働きかけてNMF（天然保湿因子）の産生を促進し、肌のうるおいを保つ効果があることが分かりました。

水茄子の一大産地である大阪府の泉州地域の、貝塚市の水茄子を使用

水茄子は大阪の泉州地域でのみ栽培されています。泉州地域は大阪府の南西部にあり、大阪湾に面し、和泉山脈が近くにあります。
水茄子は「水」と名前につくだけあり、栽培にはかなりの水が必要で、乾燥した土地では栽培できません。
泉州地域の地質は水はけがよく、農業用水を確保するために溜池が散在しているものの、海が近いため地下水にも塩分が混じります。加えて温暖な気候のため、蒸発していく水分を保持するために水茄子は大量の水分をため込むように産地に適応したと考えられています。まさにこの地域でしか栽培できない水茄子と言えます。

泉州地域での水茄子の栽培は、江戸時代から始まったと言われています。
水茄子の果実は葉が風で揺れて果実に触れただけで傷になり、固くなってしまうほどデリケートです。
また栽培には大量の水を必要とする水茄子ですが、水やりも非常に難しいです。水を切らさないことが栽培の秘訣ですが、夏場は畝にたまった水が熱くなって苗木に悪影響を及ぼすこともあります。
収穫時も実を大きくしすぎると皮が厚くなり、水茄子特有のみずみずしさが失われてしまいます。
泉州地域の特徴的な天候と栽培技術が、質の高い水茄子を支え続けています。