心養生で自分らしく生きる
〜香りを取り入れて毎日の生活を快適にしましょう〜

仕事や家事のストレス、睡眠不足、食生活の乱れは、体や心を不健康にし、私たちにさまざまな悪影響を与えてしまいます。
再春館製薬所では、いつまでもイキイキ過ごすためには自己回復力の維持や向上が大切であると考えています。心を健やかに保ち、自分らしく過ごすことは、そのための大きな力になります。
今回は、日常生活にちょっとした工夫を加える事で心を健やかに保つ「心養生」に着目しました。


香りによって自律神経が整うことを社内で確認!

コーヒーやハーブの匂いを嗅いだ時、リラックスした経験はありませんか?
アロマキャンドルやアロマオイルを使って、生活の中に自分の好きな匂いを取り入れている方もいらっしゃいますよね。
実は、リラックスするには、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが関与しています。
香りは、自律神経のバランスに何かしらの影響を与え、リラックス効果があるのではないかと考え、社内で検証実験を行いました。

耳たぶにセンサーをつけ、柑橘系の香りの有無による自律神経のバランスへの影響を検証しました。
柑橘系の香りの有無によって交感神経、副交感神経それぞれの活動状態を波形にして表しました。(図.1)

図.1 波形
香り噴霧による自律神経への影響をHRV Live!(Biocom Technologies.社)を用いて測定。赤の波形:交感神経と副交感神経の両方の活動を反映、緑の波形:副交感神経の活動を反映。縦軸:強度、横軸:時間。被験者は健常な成人男女16名。柑橘系の香り噴霧直後に、副交感神経が優位になることを確認。

赤く塗りつぶされている部分が交感神経優位であること、緑で塗りつぶされている部分が副交感神経優位であることを示します。
香りを感じると、副交感神経が優位になりました。
副交感神経は、リラックスしている時に優位になる特徴があります。
香りを感じると副交感神経が優位になっているため、香りにはリラックス効果があるという結果を得ることができました。

同時に、実験対象者にアンケートを行い、香りがあることでリラックスしていたかどうか評価も行いました。
すると、香りを嗅いだ後、リラックスしたという実感も多数確認できました。


図.2 安定度:ゆったりと落ち着いた状態
図.3 快適度:快適でポジティブな状態
二次元気分尺度(坂入ら(2003))(1)を指標として解析。柑橘系の香り刺激があると、刺激前後で安定度、快適度が有意に上昇することを確認。(N=16,平均値±SD.,**p<0.01,*p<0.05)

香りは集中力にも良い影響を与える可能性が見いだされた!

再春館製薬所では、さらに、集中力への影響力についても検証実験を行いました。
香りの有無によってタイピングの速度やミスに影響がないか比べてみました。
すると、香りがあった方がタイピングのミスが少なく、作業効率がアップする結果を得ることもできました。
これらのことにより、作業効率のアップにも香りが関与しているという見解も得ることができました。

図.4 ミスタイピングの数
タイピングサイト(http://typing.twi1.me/)を活用したタイピング試験において、柑橘系の香り有の状態では、柑橘系の香り無の状態と比較して、有意にミスタイピングの数が減少することを確認。(N=16,平均値±SD.,**p<0.01)

香りは幅広い可能性がある

私たちの生活の中に当たり前のようにある香りは、リラックス効果によりストレスを軽減してくれたり、集中力を上げ作業効率をアップさせたり、様々な効果があるとされ、私たちの心の健康に影響を与える可能性もあります。
今回行った検証実験では、自分らしくイキイキとした生活を送る上で、香りは良い影響を与えることが分かりました。
お客様の生活をよりよいものにしていくために、再春館製薬所では、心養生と香りの関係について今後も研究を進めて参ります。


【参照】
(1) 坂入洋右, 徳田英次ら 「心理的覚醒度・快適度を測定する二次元気分尺度の開発」 筑波大学体育科学系紀要 2003 第26号 p.27-36


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