自己回復力のカギ HSP70
第1話 肌を守る HSP70
(ヒートショックプロテイン70)


様々なストレスから
体を守るHSP
(ヒートショックプロテイン)

私たちの体は日々、様々なストレスを受けています。紫外線、炎症…ダメージを受けても修復し、自らを健康に保つことができます。
その自己回復力を支えるひとつの仕組みが、HSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質です。
HSPは、ストレスが強い状態になると、重要なタンパク質を取り囲み、保護する役割をもっています。そのことから、介添人を意味するシャペロンとも呼ばれています。
このHSPは皮膚にも存在することが分かっていますが、その機能や役割についてはよく知られていません。
そこで皮膚のHSPが「肌の自己回復力」について大きな役割を果たしていると考え、熊本大学と研究を進めました。
紫外線ダメージから
肌を守る

肌で最も重要なストレスのひとつは紫外線であると言えます。私たちは表皮に存在するHSP70(ヒートショックプロテイン70)に着目して、
紫外線ダメージをHSP70が抑制できるか研究を進めました。
こちらの写真は無処理の細胞とHSP70が存在する細胞に対し、紫外線B波によるダメージを測定した結果です。
ダメージを受けた細胞は緑の蛍光で示されており、HSP70の存在で、紫外線ダメージが抑制されていることが確認できます。
紫外線ダメージからの修復が不十分であると、細胞の機能が衰え、肌の悩みも加速してしまいます。
HSP70は紫外線ダメージからの保護について重要な役割をしていることが分かりました。
HSP70を補い、
年齢に負けない肌づくりを

ケガをしても、肌が荒れても…肌は自分の力で治ります。皮膚だけでなく体を、健康な状態に戻そうとする力があり、その力を「自己回復力」と呼んでいます。
年齢肌に負担をかけずに、肌本来の力を引き出すことが私たちの使命です。
今回、紫外線保護の役割を見出したHSP70は、誰の肌にもあるタンパク質です。
しかし、加齢とともにHSP70を十分に存在させることができなくなり、年齢肌では自己回復力が落ちてしまうのです。
つまり、HSP70を高めることができれば、年齢や紫外線などのストレスに負けない肌をつくることができるのです。

