コラーゲンへの新アプローチ
〜「ナツメ」に隠された
リサイクルケア〜

ナツメ ナツメ

コラーゲンの一生に
アプローチ

壊されたコラーゲンが回収され、新たにコラーゲンが生成されるまでの流れのイラスト

イラスト.1 壊されたコラーゲンが回収され、
新たにコラーゲンが生成されるまでの流れ

コラーゲンはまるでベットのスプリングのように肌を支えています。しかし、紫外線などの外部刺激によって分解酵素が増え、コラーゲンが壊されることでハリの低下やしわの原因となってしまいます。

では壊されたコラーゲンはどうなるのでしょう??
今回は、コラーゲンの「リサイクル」に注目したコラーゲンケアのお話をします。

肌弾力に欠かせないコラーゲンですが、紫外線などの外部刺激で壊されてしまった後、どうなってしまうのでしょう?
実は、私たちの身体には壊されたコラーゲンを修復し、新しいコラーゲンを合成する機能を持っているのです。そこに大きく関わっているのが、今回私たちが着目した「Endo180」という壊されたタンパク質を細胞内に取り込み回収の役割をするタンパク質です。
細胞内に取り込まれた壊れたコラーゲンは再び正常なコラーゲンへ再利用されます(イラスト.1)。


壊されたコラーゲンが回収され、新たにコラーゲンが生成されるまでの流れのイラスト

イラスト.1 壊されたコラーゲンが回収され、新たにコラーゲンが生成されるまでの流れ

このEndo180は紫外線によって減少してしまいます(図.1)。
また、Endo180が少なくなると細胞内へのコラーゲンの取り込みができなくなることも報告されております(図.2)。
つまり、Endo180がコラーゲンの合成に欠かせない重要な役割を担っているのです。 私たちは45年間コラーゲンに関する研究を続け、良質なコラーゲン(ハモコラーゲン)や、正常なコラーゲン産生を促進する原料(チューリップ)、コラーゲン繊維のハリを保たせる原料(蜂屋柿)など、網羅的なコラーゲンケアのために世界中から原料を探し求めてきました。
今回は、より完璧なコラーゲンケアを実現するためにEndo180の産生を高める生薬素材の探索を行いました。
そこで見つかったのが「ナツメの実」でした。

楊貴妃も愛した棗-ナツメ-

中国では、「一日食三棗、終生不顕老(ナツメを1日に3つ食べると老いない)」と言われており、老化防止に効果がある食材として親しまれています。世界三大美女としても知られている楊貴妃も好んで食べていたというナツメには、古くから肌に良いとして親しまれていたのかもしれません。
今回、そんなナツメの実を乾燥させた「大棗(たいそう)」という生薬にEndo180の産生促進効果を見出しました(写真.1、図.3)。


大棗

写真.1 ナツメの実を乾燥させた生薬「大棗」

大棗

写真.1 ナツメの実を乾燥させた生薬「大棗」

細胞と比較してEndo180発現量の増加を示すグラフ

図.3 ナツメの実エキスを添加すると無添加の
細胞と比較してEndo180発現量が増加

日本生薬学会第66回年回にて報告

大棗は中国最古の薬物書「神農本草経」に記載されており、主に胃腸の気を補い、作用を調和することが知られています。そのような様々な効果をもつナツメの実は、コラーゲンのリサイクルケアまで効果を発揮することが分かりました。
私たちは、まだまだ未知な漢方の世界を紐解き、さらに新たな効果を見出す研究を続けていきます。

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