1週間を元気に過ごす!
気持ちのいい
月曜日の朝を迎えるには

「月曜日の朝」は、ストレスを感じたり、憂鬱な気分になりやすい傾向にあるとされています。(1)
土日がお休みでない方にとっては「休み明けの朝」がそれにあたるでしょう。
ストレスや憂鬱な気分は、仕事や勉強など日常生活に影響を与えてしまいますよね。

そのため再春館製薬所では、「休み明けの朝」を快適にスタートさせるためには「週末の過ごし方」が大切ではないかと考え研究を行いました。

今回の記事では、週周リズムの乱れが体に与える影響に着目し、研究で得た新たな情報やデータについてご紹介します。

週周リズムが乱れると
睡眠の質に影響が出る

週周リズムが乱れると、海外旅行をした時のような時差ボケ(社会的時差ボケ)を起こしてしまいます。社会的時差ボケを起こすと、夜になっても眠気が来なくなり、日中に眠気がずれてしまいます。その結果、睡眠の質の低下に繋がってしまいます。


「深部体温」の変化が
睡眠の質に関与している

睡眠の質の低下には、ストレス、カフェインの摂取などさまざまな原因があるとされていますが、その原因1つとして「深部体温」の変化があげられます。
では、「深部体温」という言葉を聞いたことがありますか?
普段の生活の中では、あまりなじみのない言葉かもしれません。

私たち人間には、「体の内部の温度」と「体の表面の温度」の2種類の体温があります。深部体温は前者のことを指します。
深部温度は、36〜37度前後の範囲で上下があります。こちらも特有のリズムがあり、行動している日中は温度は上がりますが、睡眠中は温度が下がります。(2)

図. 1 社会的時差ボケによる深部体温リズムのずれ
活動と休息のリズムが毎日同じ場合と週末のみ活動を始める時間を遅くした、社会的時差ボケ状態の場合の深部体温比較。
縦軸が各曜日を表しており、曜日ごとに深部体温変化を示している。赤色に近づくほど中央値より高い、青色に近づくほど中央値より低い。横軸の黒い四角で示した時間帯が活動期、白い四角で示した時間帯が休息期を表している。


深部体温のリズムと
週周リズムの深い関係

私たちは、「深部体温のリズムが週周リズムの乱れに関係するのではないか」と考えました。

そこで、活動と休息のリズムをそろえ規則正しい生活をした場合と、土日の活動開始を遅くして社会的時差ボケを起こした場合の1週間の深部体温の変化を比べてみました。その結果、活動と休息のリズムが毎日同じ場合は深部体温の変化リズムが一定で、活動期の初期から体温上昇が起きることが確認されました。しかし、社会的時差ボケ状態になると、深部体温の変化リズムにズレが生じることがわかりました。月曜日の活動時の初期に体温上昇の遅れがみられ、かつ、そのリズムのズレが水曜日から金曜日にかけてようやく回復してくることも確認されました(図. 1)。

この研究により、「休日の過ごし方で生じた週周リズムの乱れにより深部体温のリズムのズレが引き起こされる」ということが確認されました。その結果、日中の様々な不調につながると考えられます。


深部体温のリズムを
整える対策方法

深部体温のリズムを整えることと週周リズムを整えることが密接に関係していることはお分かりいただけたでしょうか。
深部体温のリズムを整えると、健康・美容においてもプラスの効果が出てきます。

リズムを整えるためには、朝はおかゆなどの温かいものを摂取するようにしましょう。
朝は深部体温を上げることが大事です。1番のオススメは「おかゆ」です。
おかゆは体を温めるだけではなく、朝から栄養をしっかり摂ることもできます。また、雑穀米にすると食物繊維もしっかり摂ることができるのでお腹に優しくなります。さらに卵やお肉、豆類を入れてタンパク質も一緒に摂るのもおすすめです。

漢方の考え方の1つとして「気血水」があります。私たち人間の体は「気(エネルギー)」「血(栄養)」「水(免疫)」の3つで構成されています。この3つのバランスが保たれることで、私たちの体は健康な状態を保つことができます。
朝温かいおかゆを食べることは、「気血水」の「気」を整えることにも繋がると考えています。

可能であれば起床と就寝の時間をそろえるなど平日と休日の生活リズムを一定にし、社会的時差ボケを起こさないようにすることが一番です。
ただ、実践が難しい方もいらっしゃるので「朝食におかゆ」から始めてみてはいかがでしょうか。

図. 2 社会的時差ボケと体脂肪量の関係
縦軸に体脂肪量、横軸に社会的時差ボケ時間を示している。社会的時差ボケ時間とは平日と休日における起床と就寝時間の中央値の差で、休日の方が早いとマイナスの値、遅いとプラスの値で示している。社会的時差ボケ時間が0の集団と比較して、1時間・2時間・3時間以上の集団は体脂肪量が多くなることが確認された。
MJ Parsons et al. International Journal of Obesity (2015) 39, 842-848より改変

週周リズムを整えて
健康な生活を
送りましょう

週周リズムを整えることは、私たちの体にとってとても大切なことです。
週周リズムの乱れに関係している「社会的時差ボケ」は、女性にとって大敵である肥満を引き起こすという報告もあります(図. 2)。(3)
また、朝ご飯をしっかり食べることは、「深部温度のリズムの改善」や「生活リズムの改善」にも繋がります。とくに休み明けの朝は気持ちよく一週間を過ごすために大切なタイミングです。
健康な生活を送るために、今回ご紹介させていただいた対策を実践したり、私生活を見直したりしてみてはいかがでしょうか。

【参照】
(1) 青沼 翔太(2017).「夜間睡眠が日中の気分および活動量に及ぼす影響― 夜間睡眠と翌日の気分や活動量との間の関連性に関する予備的検討 ―」
(2) 内山真(2014).「ヒトの体温調節と睡眠」
(3) MJ Parsons et al. International Journal of Obesity (2015) 39, 842-848


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