生活習慣病の原因
タンパク質と"しわ"の関係

第1話ではAngptl2(アンジオポエチン様因子2)が過剰につくられることで身体と肌の老化を加速させることをお伝えしました。

今回は、Angptl2がしわを形成してしまうメカニズムについて説明します。


Angptl2がしわを形成するメカニズム

そもそもしわはどうやってできるのか?詳しくはシワができる原因を見ていただけると分かると思いますが、大きな原因の1つは肌を支えているコラーゲンの減少です。紫外線や加齢により肌の中では炎症反応や活性酸素の発生が増え、コラーゲンを分解する酵素が多く作られてしまいます。

第1話でもお話した通り、紫外線に浴びた肌や年齢肌ではAngptl2が多く作られています。

私たちはAngptl2が多い肌でどのようなことが起きているか調べるために、Angptl2が多い細胞と通常の細胞を用いて、様々な遺伝子の発現状態を調べました。その結果、Angptl2が多い細胞では、紫外線を浴びた時と同様に多くの炎症反応が起こっており(図1)、コラーゲンを分解してしまう酵素が増加していることが分かりました(図2)。


実際に、Angptl2量と皮膚のコラーゲン量の関係を調べたところ、Angptl2量が多い人ほど、コラーゲン密度が低下していることが確認されました(図3)

※DermaLab(R)により真皮中のコラーゲン量を測定

加齢や紫外線に浴びるとコラーゲン生産工場の線維芽細胞もダメージを受け、コラーゲンがつくり出せなくなります。更に、Angptl2が増えることで、炎症反応と活性酸素の産生も進み、多くのコラーゲンを分解してしまいます。その結果、コラーゲン量が低下し、肌を支えることができずしわが形成されてしまうのです(図4)。

Angptl2は、誰の身体、肌にもあるタンパク質ですが、加齢と共に増加し、しわ形成を助長してしまいます。しかし、Angptl2を抑えることで、年齢や紫外線などのストレスに負けない肌をつくることができるのです。

次回は、肌悩み第1位の“しみ”(自社調べ)とAngptl2の関係についてご紹介します。

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