自己回復力でシワを防ぐ

第1話 シワができる原因とは?

シワはどうやってできる?

ほうれい線や目尻のシワが増えると、私たちの顔は実年齢よりも老けて見えてしまいます。

年齢肌の悩みであるシワは、いったいどのようにできるのでしょうか? シワを増やさないためにはどうしたらよいのでしょうか?
これから2話にわたって、私たちが行ってきた最新のシワ研究の結果をご紹介します。まずは、どうしてシワができるのか簡単に説明します。


肌のハリを保つ
コラーゲン

肌の図

皆さんもハリのある肌を保つには、コラーゲンが大切だと聞いたことがあると思います。
右の図に示すように、基底膜にはW型コラーゲン、真皮にはT型コラーゲンが存在し、まるでベットのスプリングのように肌を支えています。 私たちの肌は、これらのコラーゲンに支えられるおかげでハリが保たれているのです。

ハリのある肌 シワの多い肌

肌にとって重要なコラーゲン。それでは、その量や質はどのように保たれているのでしょうか?

コラーゲンは、その生産工場となる「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」で作られ、コラゲナーゼなどの「分解酵素」によって分解されます。
そして、この「生産」と「分解」のバランスが保たれることで、肌のコラーゲン量が保たれています。 そのため、このバランスが崩れると、コラーゲンが減ってしまうため、シワの原因となるのです。


ハリのある肌 シワの多い肌

シワの原因は
コラーゲンの減少

コラーゲンの破壊がシワを引き起こす

シワの最大の原因が紫外線であることは皆さんもご存知だと思います。
肌に紫外線があたると、先ほど説明した「コラーゲンの生産と分解のバランス」が崩れてしまい、コラーゲンが減ることが知られています。
それでは、なぜ紫外線があたるとバランスが崩れてしまうのでしょうか?

紫外線は、肌にあたると炎症反応を引き起こし、分解酵素をたくさん作らせます。 この分解酵素は、まるでハサミのようにコラーゲンを切断するため、大切なコラーゲンをボロボロにしてしまうのです。 そして、最終的にコラーゲンが減ってしまい、肌を支えることができなくなります。

「コラーゲンの量が減っていく!? それじゃあ、新しいコラーゲンを作って、補えばいいのでは?」と思った方もいるかと思います。 しかし、残念ながら年齢を重ねるとコラーゲンをつくる能力が低下するため、新しいコラーゲンを十分には補えなくなるのです。 さらに紫外線があたると、コラーゲン生産工場の線維芽細胞がダメージを受けるため、コラーゲンをつくる力がますます弱まってしまうのです。


コラーゲンの破壊がシワを引き起こす

自己回復力を活かして
シワを防ぐ?

紫外線によるシワを防ぐには、コラーゲンの生産と分解のバランスを保つこと、すなわち「過剰な分解酵素を減らすこと」や「線維芽細胞を守ること」が重要です。
そこで私たちは、「肌を守るタンパクを増やせばシワを防いでくれるのでは?」と考え、HSP70に注目しました。
数年間にわたる研究から、私たちは「HSP70が紫外線から肌を守ってくれる」ことを見出しています。(詳しい説明はこちら)
このHSP70 を増やせば、本当にシワが減るのか調べるために様々な研究に取り組んで来ました。そして、その結果は私たちの予想を上回るものでした。


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