変形性膝関節症の原因は？4つのしてはいけないことや、病院での治療法を解説

変形性膝関節症とは？

変形性膝関節症とは、膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減り、歩行時に膝の痛みが出現する病気です。

徐々に軟骨がすり減った結果、歩行時に痛みが生じます。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の最も頻度が高い症状は「膝の痛み」です。

他にも、最初の頃はこわばり感から始まり、徐々に正座や階段の上り下りなど日常生活で行う動作によって膝が痛み、進行すると見た目にO脚の状態が見られるようになります。

また、膝の痛み以外にも「膝に水がたまる」という症状も挙げられるでしょう。

変形性膝関節症の代表的な原因

次は、変形性膝関節症の代表的な原因を解説します。

変形性膝関節症の原因は男性と女性で違う？

変形性膝関節症の主な原因は、加齢による膝軟骨の水分量低下と弾力性の低下です。

それ以外にも、遺伝や肥満体型などが原因とされる場合もあります。

なお、変形性膝関節症の発症は女性の方が多いとされています。

変形性膝関節症は20代でもなることがある？

変形性膝関節症は、基本的には加齢に伴って起こる病気です。

そのため、20代がなりやすい病気の1つとは言えませんが、膝に大きな負担をかける運動をしている方や、急激な体重増加などによって起こる可能性も考えられるでしょう。

変形性膝関節症はどんな人に多い？

次は、変形性膝関節症はどんな人に多いのかを解説します。

• 50歳以上の男女
• 家族に変形性膝関節症を患っている人がいる
• 肥満体型

それぞれ見ていきましょう。

50歳以上の男女

変形性膝関節症は女性に多い病気です。

2008年に出版された医師の古賀良生氏による著書「変形性膝関節症-病態と保存療法」によると40歳代から徐々に増え、60歳で約40％が発症しているとしています。

ただし、男性であっても「加齢」や「肥満体型」「遺伝」などを原因として発症する可能性があるため、注意が必要です。

家族に変形性膝関節症を患っている人がいる

家族に変形性膝関節症を患っている人がいる場合も、遺伝によって膝軟骨がすり減りやすくなり、発症しやすいと考えられています。

そのため、若い頃から日常的に膝へ大きな負担がかかる動作は避けるよう意識して過ごす必要があるとされており「家族で変形性膝関節症の人がいた」という場合は注意が必要です。

肥満体型

変形性膝関節症と肥満は密接な因果関係があると考えられています。

2007年に発表された東京大学医学部附属病院の特任教授である吉村典子氏の論文「メタボリックシンドロームと変形性膝関節症　骨粗鬆症治療」によると、肥満の方は適性体重の人よりも発症リスクが男性で3.9倍、女性で4.2倍高くなるとしています。

肥満になることで膝へ過度な負担がかかることが原因となるため、年齢を重ねても定期的な運動を行い、体重の管理を意識するべきでしょう。

変形性膝関節症でしてはいけない4つのこと

次は、変形性膝関節症でしてはいけないことを4つ解説します。

• 長時間立った姿勢でいる
• 急な方向転換やストップ・ジャンプ
• 飲酒喫煙
• 膝を深く曲げる動作

それぞれ見ていきましょう。

長時間立った姿勢でいる

長時間立った姿勢でいることは膝へ負担をかけてしまうため、注意が必要です。

例えば、立ち仕事をしている方は膝から上の体重がすべて膝にかかることになるため、日常的な体重管理が重要となります。

また、どうしても椅子を使用できない状況であれば「その場で足踏みをする」など多少でも体を動かすと良いでしょう。

急な方向転換やストップ・ジャンプ

急な方向転換やストップは、膝にとって予期せぬ負担をかけます。

日常的にこのような動作を控えるよう、意識することが大切です。

飲酒喫煙

飲酒で摂取するアルコールは軟骨の弾力を低下させ、すり減りやすい状態に変えてしまうため、変形性膝関節症の人はできるだけ控えるべきでしょう。

また、喫煙によるタバコの煙は軟骨の材料になるコラーゲンの生成に必要不可欠なビタミンCを減少させてしまいます。

どちらに関しても日常的に控える意識をしたり、医師に相談したりすることが大切です。

膝を深く曲げる動作

膝を深く曲げる動作は膝に大きな負担をかけます。

例えば「直接床に座る」「敷布団で眠る」「和式トイレを使用する」などが該当します。

敷布団で眠るに関しては、毎日布団を上げ下げしなければならないことからその度に膝へ負担がかかることになるため、可能であればベッドの使用を検討するべきでしょう。

変形性膝関節症の治し方・自分で行えることは？

次は、変形性膝関節症の治し方・自分で行えることについて解説します。

変形性膝関節症に対する病院治療

病院における変形性膝関節症に対する治療は次のとおりです。

• 症状が軽い場合は痛み止めの服用や湿布、塗り薬などの薬物療法
• 運動療法や膝を温める物理療法
• 膝のサポーターを着用する
• 関節の炎症や痛みを和らげるヒアルロン酸注射をする場合も

これらの治療で改善が見られない場合、手術を検討することもあります。

状態に適した治療を進めていくには、医師の診断が必要です。

まずはお近くの病院を受診して相談してみましょう。

変形性膝関節症からくる痛みに自分で行えることはある？

変形性膝関節症からくる痛みに対して自分で行えることは次のとおりです。

• ウォーキングやストレッチ、筋トレなどの運動療法
• 日常生活で行う動作を見直す　など

ただし、運動の場合は膝の状態によって症状を悪化させる恐れもあります。

自己判断で運動を開始するのではなくて、まずは病院を受診してください。

まとめ

本記事では、変形性膝関節症の原因や症状、してはいけないことを解説しました。

変形性膝関節症は症状が悪化すると痛みに加えて膝の変形など様々な状態が想定されます。

運動や、日常生活での動作を見直すなどセルフケアの方法がインターネット上で公開されていますが、まずは医師による診断と適切な治療を受けることが大切です。