坐骨神経痛は座ると痛い？間違えられやすい病気や、やってはいけないことを解説

坐骨神経痛とは？座ると痛い理由は？

「座るとお尻や太もも、足も痛い！」という場合、坐骨神経痛の可能性が考えられます。

ここでは坐骨神経痛について座ると痛い理由や「座ると痛いという状態は坐骨神経痛だけなの？」という疑問について解説します。

1. 坐骨神経痛とは？なぜ座ると痛い？
2. 座ると痛いのは坐骨神経痛だけではない

それぞれ見ていきましょう。

坐骨神経痛とは？なぜ座ると痛い？

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経」が様々な原因によって圧迫や刺激を受けることによって痛みやしびれが生じることです。

原因として多いものには「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」が挙げられます。

坐骨神経痛になると腰の痛みや「お尻、太ももの後ろ」などにも痛みやしびれが生じ、神経を圧迫しやすい座る姿勢などを取ると痛みが増し、立つと楽になるという点も特徴的です。

座ると痛いのは坐骨神経痛だけではない

座るとお尻や太もも、足にかけて痛みが生じる場合、坐骨神経痛の可能性を疑います。

しかし、座ると痛みを生じるのは坐骨神経痛だけではなく「梨状筋症候群」や「椎間関節障害」など多岐にわたるため、一概に坐骨神経痛だと自己判断できません。

もし、最近座ると痛くて困っているという場合は1度病院を受診し、医師による正しい診断と適切な対処・治療法を行うことが大切です。

坐骨神経痛と間違えられやすい病気は？

次は、坐骨神経痛と間違えられやすい4つの病気について解説します。

1. 梨状筋症候群
2. 椎間関節障害
3. 仙腸関節障害
4. 下肢閉塞性動脈硬化症・下肢末梢動脈疾患

聞きなれないものから、先ほど「座ると痛いのは坐骨神経痛だけではない」で挙げた梨状筋症候群や椎間関節障害など、痛みの原因は様々です。

それぞれ見ていきましょう。

梨状筋症候群

梨状筋症候群は、梨状筋と呼ばれるお尻の股関節近くに位置する平たい筋肉によって坐骨神経が圧迫され、痛みや腰痛、坐骨神経痛を引き起こす病態です。

原因の1つとして長時間座った状態でいることが多い方や、過度なスポーツ活動などが挙げられ、最初の頃はお尻に痛みが生じ始め、徐々に太ももやふくらはぎの裏側に広がります。

場合によっては足まで痛みを感じるというケースも考えられるでしょう。

また、梨状筋症候群は、坐骨神経痛と症状が類似していますが、それぞれ別の疾患です。

椎間関節障害

椎間関節障害は、背骨の背中側にある骨の関節部分に炎症が発生した状態のことです。

一般的に加齢や椎間関節への過度な圧力、脊椎の圧迫骨折などによって椎間関節の変性が生じることによって炎症が起きて痛みが発生すると考えられています。

「ぎっくり腰」も椎間関節障害の1つであり、腰を後ろに反らすと痛い、長時間座っている姿勢を取ることができない、運動で痛みが増すなどの症状が現れる場合もあるでしょう。

また、椎間関節障害は腰だけでなく太ももの外側や足にしびれが生じる場合もあります。

仙腸関節障害

仙腸関節障害は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節で、過剰な負荷によって緩んだり固まったりしてしまう障害です。

1つの原因として中腰での不用意な動作や繰り返しの負荷などで炎症を起こし、痛みを引き起こすと考えられています。

仙腸関節障害を発症すると腰やお尻に痛みが生じるほか、階段の上り下りや立ちっぱなしで痛んだり、長時間座っていることが辛いなどの症状が現れます。

また腰やお尻以外にも、足の付け根や下肢（足）に痛みが生じる場合もあるでしょう。

下肢閉塞性動脈硬化症・下肢末梢動脈疾患

下肢閉塞性動脈硬化症と下肢末梢動脈疾患の2つは血流障害を伴います。

足の血管が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりすることで足への血流が悪くなり、下肢の痛みやしびれなどの症状をきたす可能性があります。

坐骨神経痛と類似した症状が現れることもあるため、坐骨神経痛と間違えられやすいですが、放置すると手術をしなければならない場合もあるため、注意が必要です。

坐骨神経痛で座ると痛いときにやってはいけない3つのこと

次は、坐骨神経痛で座ると痛みが生じる際にやってはいけないことを3つ解説します。

1. 長時間椅子に座り続ける
2. 体の状態に合わないマッサージ・ストレッチ
3. 体を冷やす

こちらは坐骨神経痛だけでなく、神経による痛みであっても通ずる内容です。

それでは見ていきましょう。

長時間椅子に座り続ける

長時間椅子に座り続ける行為は腰に負荷がかかるため、控えるべきです。

数時間おきに立ち上がったり、背筋を伸ばしたりと適度な休憩を挟みましょう。

体の状態に合わないマッサージ・ストレッチ

腰痛を感じる方の多くは、自己流のマッサージやストレッチを行う方もいます。

適度に体をほぐす動きは必要ですが「痛い箇所をゴリゴリと指圧する」「無理に筋肉を伸ばす動きをする」などの行為は症状を悪化させる恐れがあるため、控えるべきです。

特に、インターネットで見られる「坐骨神経痛マッサージ方法」や「ストレッチ方法」を見よう見まねで行うことは推奨できません。

痛みを感じたら病院を受診し、医師による診断と適切な対処法を学ぶことが大切なのです。

体を冷やす

坐骨神経痛だけではありませんが、神経の痛みは基本的に温めることが推奨されています。

体の冷えは血流を滞らせ、痛みや痺れを悪化させる恐れもあるからです。

ただし、患部に腫れが見られる場合などは冷やした方が良いとされるケースもあります。

どちらが適切かは、自己判断ではなく病院を受診することが大切です。

まとめ

本記事では「座ると痛いときは坐骨神経痛？」という疑問や、坐骨神経痛について、また坐骨神経痛と間違えられやすい4つの病気とやってはいけないことを解説しました。

腰痛以外に太ももや下肢（足）に痛みや痺れが生じる場合、坐骨神経痛が疑われます。

しかし、このような痛みが生じるものは坐骨神経痛だけではないため、医師による診断を受け、適切な対処・治療を行うことが非常に重要です。