私らしく。 by 再春館製薬所

高野徳恵のかわいらしく#001

高野徳恵
そこそこ幸せ? いいえ、100の幸せを目指していいんです

column 連載| # # # #

連載

「明日が楽しみになる心持ち」について、再春館製薬所・高野徳恵が軽やかにお話しするコーナーです。長年の研究開発経験を持つ高野ならではの、人間を少し俯瞰(ふかん)した「生き物として見つめる視点」が特徴。人間だからこその迷いや複雑さをいとおしみながら、誰もが本来持っている「自己回復力」や「生命力の可能性」を引き出す、明日へのヒントをおすそ分けします。

再春館製薬所の工場「薬彩工園(やくさいこうえん)」で工園長を務める高野徳恵(とくえ)です。学生時代から研究を続けてきて、よくこんなことを思います。

「人間って複雑だなあ。だけど、そこがいとおしいんよね」

人間は脳が発達しているので、他の生きものと違って迷ったり悩んだりする時間が長いし、幸せと不幸せの感じ方も人(個体)によって全然違います。
その上、寿命が長いでしょ。大変ですよ。

でも、せっかく人間として生まれてきたのだから、私も幸せになりたいし、皆さまにも幸せになっていただきたいと思うんですよね。

私は2児の母ですが、この頃、息子の言動が気になります。何事も「これくらいでいいか」とセーブしている感じが。
先に正解を見ようとしちゃうのでしょうかね。
周りに情報がありすぎて、「やってみたいけど、頑張る価値ある?」と経験する前から手を引っ込めている様子。
失敗するのが怖いのでしょう、可能性を自ら狭めてしまうんですね。

何やってんだ! 思わず活を入れたくなります。自分はもっと幸せになれると信じて、果敢にチャレンジしてほしい。そんなふうに思う私は、親バカでしょうか。

でも、これは誰もがやりがちなことです。
傷つきたくないから、「そこそこ幸せなら十分」と自分に思い込ませてしまう。つまり、自分に小さな嘘(うそ)をついて守っているんです。

100の幸せを感じていいのに、80の幸せで満足した気になるなんて、もったいない!
それを続けていると、80の自分が自分だと思い込んでしまって、さらに60に下がったとしても「身の丈にあった幸せ」などと思い込んでしまうのですよね。

ほんの少し勇気を出して、自分が本当はやりたいこと、ありたいと願う姿を見つめてください。
失敗したって何度でもやり直せるくらい、人間の寿命って長いんですから。

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高野徳恵

たかの・とくえ
長年ドモホルンリンクルの研究開発に携わった経験を生かし、自社工場「薬彩工園」の工園長を務める。漢方の知恵と人の思いが集まるものづくりの学び場の責任者として、製品品質、自然との共生、お客様の満足を追求し続けている。