おはようございます、高野徳恵です。
私は竹を割ったような物言いをするせいか、オープンな人と思われがちですが、実は人見知りでコミュニケーション下手。思い込みが強く、人との間に壁をつくってしまうこともあります。
あれは入社1年目、苦手な先輩との関係に悩んでいた頃です。「石の上にも三年」と耐えていましたが、「この人とは合わない、無理!」と、音を上げそうになったんですね。仕事は辞めたくなかったので、わらにもすがる思いで母に相談したところ、笑い飛ばされました。
「その先輩は、徳恵だけに絡んでくるの? そりゃあ、あんたのこと好きなんよ」
え? 本当に? 思いもよらない解釈でしたが、半信半疑で母の言葉を念じ、先輩と接することにしました。時に厳しい態度で細かく指導されても、「先輩ならではの愛情表現なんだ」と自分に言い聞かせて。やがて不思議、2人の間にあった緊張感がだんだんと和らいでいったのです。
その後、先輩と仲よくなってから、当時私をどう思っていたかと聞いてみたら、「変わった生きものとしてかわいく思っていた」と言うじゃありませんか。母の見立ては大正解。私が一人でジタバタしていたなんて、恥ずかしいったら。
私はこの経験から、自分のことは知り尽くせないと思うようになりました。初めての状況や自分とは異なる考え方に遭遇した時、人は戸惑い、逃げ出したくもなります。
でも、どこかで「相手を理解したい、新しい私になりたい」という欲求も感じているはず。これは、「心」を持つ人間ならでは。素晴らしい進化と言っていいですよね。
母の口癖に、「水を飲みたい象を水辺に連れて行っても、飲むかどうかは象次第」という言葉があります。私は、人生の大先輩である母に連れられて、エイッ! と水(母の助言)を飲んだからこそ、新しい私に出合うことができたのです。
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