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不調を感じる"今"の体が求める、疲労回復に効果的な食べ物|自己回復力を高めて元気に過ごそう【国際薬膳調理師監修】

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心や体が疲れていると感じたら、元気になるために食べ物の力を借りてみませんか ?

不調を感じるのは、心や体が何か訴えてメッセージを発しているからです。それは例えば、足りていないもの、過剰なものがあるということ。休息・運動・栄養といった様々なものがバランスよく整ってはじめて、私たちの健康は保たれます。

漢方では「自然の力をとり入れて、体が本来持つ力を活かして生命力を高める」という考え方をとても大切にしています。私たち人間もまた、自然の一部であり、自然と強く結びついているのです。特に「食べる」という行為では、自然の力を直接的に体の中に取り入れられます。食べるということを、もっと意識して大切にしてみましょう。

今回は、国際薬膳調理師監修のもと、漢方の考え方に基づく体質別の元気が出る食べ物やおすすめレシピをご紹介します。

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食養生の基本の考え方

漢方では、健康を保つためのアプローチを「食・体・心」の3つの領域に分けて考えます。そのうちの1つ、食べ物の力をとり入れて元気になることを「食養生」と呼び、「体養生」「心養生」と合わせた3つの「養生」が健康維持の要とされているのです。まず、基本であるこれらの考え方について少し解説した上で、体質別の元気が出る食べ物をご紹介したいと思います。

養生 (ようじょう) とは

養生とは「食・体・心」それぞれを丁寧にケアして健やかな状態を保つことです。日々の生活を豊かにして全身のバランスを整え、心身の不調や病気に対する抵抗力を高めます。

その中で「食養生」は、毎日の食生活を整えることです。自然に沿ったバランスの良い食事を心がけ、適量をおいしく頂きます。どんな食事をすれば良いのかは、実はほとんどの人が感覚的に知っているのではないでしょうか。食養生で大切にするのは、例えば次のようなことです。

  • 土地の食べ物や旬の食べ物を多くとり入れること
  • 自分の体質を知り、自分の体に足りないものを食事にとり入れ、補うように工夫すること
  • 胃腸に負担をかける偏った食事は避け、腹八分目を心がけること
  • 朝食でしっかりエネルギーをとり、夕食後の夜食は控えること

こういった、すでに私たちの中に常識として根付いている健康的な食生活こそが、実は具体的な食養生の手法なのです。とはいえ、知っていることと実践することは別で、食事はついおろそかになりやすいものではないでしょうか。正しい食事を、正しく継続するというのは、実際にはなかなか難しいものです。自分が食べるものをきちんと意識して、健康的な食生活を日常として続けていくことが食養生となります。

また、旬野菜を食べることで、季節の養生にも繋がります。
詳しく知りたい方は、野菜バイヤーの小堀夏佳さんの記事
「自然の力を、もっと身近に#04 小堀夏佳 さん 旬野菜を食べることも、SDGsへの取り組みに」をご覧ください。

「体養生」と「心養生」も同様で、ほとんどの人はその基本をすでに知っているでしょう。体養生とは、適度な運動やストレッチを行い、疲れたときはしっかり休息をとることです。そして心養生とは、ストレスを溜めないように上手く発散して、心を健やかに保つことを指します。どちらも、基本はシンプルなことですね。

漢方では、これら3つの「養生」を意識して、良いバランスを保つことが心身の健康を維持する秘訣であると考えます。毎日の暮らしを少していねいに、そして質を高めるよう意識することが「養生」となるのです。

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食事で自己回復力を高める

心身に不調が表れることを、漢方では「体の中でバランスが偏る」、その結果「自己回復力が低下する」と考えます。

自己回復力とは、人間を含め命あるもの皆が持っている自ら健康になろうとする力のことです。例えば、ちょっとした切り傷なら特に何もしなくてもかさぶたができて治っていくように、もとに戻ろうとする働きのことを指します。自然治癒力や抵抗力・免疫力といった言葉に置き換えることもできるでしょう。

3つの養生によって食・体・心の状態が整っていれば、自己回復力によって自ずと健康が保たれます。体の中にエネルギーが満ちて、疲れやストレスといったダメージや風邪などの病気をはね退けられる、強い防御力を持った状態です。しかし、食・体・心のいずれかがおろそかになり、体の中のバランスが偏ると、次第に自己回復力が衰えて心身のダメージや病気への抵抗力が弱くなり、ついに不調となって表れてしまいます。つまり漢方では、体の中のバランスを整える養生によって自己回復力を高め、不調や病気を「予防」することをとても重視しているのです。西洋医学は主に心身に生じた不調や病気への対処(治療)を重視して発展してきたものなので、基本的な視点の大きく異なる部分ですね。

今回は主に食事で自己回復力に働きかける方法、特に食べ物のもつ性質を知り、自分の体に合った食べ物を食事にとり入れる方法について詳しく解説していきたいと思います。

食材が持つ5つの性質、寒・涼・平・温・熱

漢方では、食材の「体内で温める作用/冷やす働き」によって、食材を「温・熱・寒・涼」の4つの性質に分類して四性(あるいは四気)と呼びます。温熱性でもなく、寒涼性にも属さないものを平性と言い、これを合わせると五性(五気)になります。

食材が持つ5つの性質
おなかを温める、温めることで体内の寒さを取り除く性質。熱を補う程度の差を熱・温で区別している。
(温の方が作用が弱い。)
比較的おだやかな性質で、寒・涼・温・熱の性質がないもの。
体の熱を冷ます、体内の老廃物などの蓄積による熱を取り除く性質。熱を冷ます程度の差を寒・涼で区別している。
(涼の方が作用が弱い。)

五性とは、食材それぞれに体を温めたり冷やしたりする性質があり、食べることで体に作用するという考え方です。つまり、体が冷えている人は体を温める性質のある食材を食べ、反対に体が温かすぎる人は体を冷やす性質のある食材を意識して食べることが食養生となり、体内のバランスを整えることにつながります。体は温かすぎるのも冷えすぎるのも悪く、なるべくどちらにも傾かない状態が望ましいのです。

人それぞれ、体質やそのときの状態、または季節によっても体が必要としている食べ物は異なります。つまり、どんな食事をとれば良いかも、実は常に人それぞれ違っているということです。

では、今の体はどのような性質を持つ食材が必要なのか?
簡単に自分の体質をチェックしてみましょう。

<体質別>"今"の体が求める、自己回復力に働きかける食べ物

舌の色チェック
鏡の前で又は手鏡を持って、リラックスして舌の色を見てみましょう。

【ピンク色】
理想的な正常な舌は、淡紅色から薄いピンク色です。
【白っぽい】
全体的に赤みが薄く、白っぽい舌。
【赤っぽい】
舌全体が赤っぽい。

今の舌の色はいかがでしたか?
白っぽい舌だった人は温熱性の食材を、赤っぽい舌だった人は寒涼性の食材を意識してみましょう。

温性・熱性の食べ物

舌が白っぽい人は、今の体のバランスが「元気が少なくなっている」「体が冷えている」という状態に傾いている可能性があります。「疲れやすい」「わずかの運動で息が切れる」「いつも手足に力が入りにくい」などの栄養不良のサインも見られやすいので、体を温めながらエネルギーを補う食材を意識してみましょう。

また、「顔色が白い」「艶が無い」「頭がぼんやりする」「手足がしびれやすい」などの貧血気味のサインも見られる可能性もあるので、体を温めながら血液に栄養を与える食材を意識してみましょう。

【具体的な食材例】
温性の食材:鶏肉、ニラ、クルミ、カボチャ、ショウガ、黑砂糖、赤ワインなど
熱性の食材:トウガラシ、コショウ、からし、焼酎など

温熱性の食材は、「おなかを温める」「温めることで体内の寒さを取り除く」性質を持つ食材で、熱を補う程度の差を熱・温で区別しています。(温性の方が作用が弱い。)

寒性・涼性の食べ物

舌が赤っぽい人は、今の体のバランスが「イライラしやすい」「落ち着かない」という状態に傾いている可能性があります。「日常のストレスなどで眠れない」「気持ちが落ち着かない」「すぐ怒ってしまう」などの行動でのサインや、「目が赤い」「顔が赤い」などの見た目のサインも見られやすいので、体を少し冷ます食材を意識してみましょう。

【具体的な食材例】
寒性の食材:アサリ、スイカ、バナナ、トマト、トウガン、ゴーヤ、麦茶など
涼性の食材:豆腐、ミカン、イチゴ、レタス、ラディッシュ、緑茶など

寒涼性の食材は、「体の熱を冷ます」「体内の老廃物」などの蓄積による熱を取り除く性質を持つ食材で、熱を冷ます程度の差を寒・冷で区別しています。(涼性の方が作用が弱い。)

"今"の体のバランスを意識した、自己回復力に働きかけるおススメレシピ

食養生は、必ず体質に合った食材だけを選んでとらなければならないというわけではありません。基本的にはバランスを意識することがもっとも重要です。例えば体の冷えやすい人が寒性・涼性に分類される食材を食べる時は、味付けやその他の食材との組み合わせでバランスをとり、体が冷え過ぎないように気をつけるといったことがコツとなります。厳しい制約があるようなものではないので、慣れるまで気楽に意識してみましょう。

最後に、食材の温・熱・寒・涼の性質を活かしたおススメレシピを3つ紹介します。舌が白っぽく体が冷えている傾向の人は体を温めるレシピを、舌が赤っぽく体に熱がこもっている傾向の人は体を冷ますレシピを試してみてください。

内臓を温めて冷え性対策(温性・熱性)

【山芋の黑米粥】

温性のもち米がおなかを温めて、山芋・もち米でエネルギーを補います。黑米が血液のめぐりとアンチエイジングに働きかけます。

材料(2人分)

1合
もち米
1合
黑米
大さじ 2
山芋
50g
適量
1L

作り方

  1. 鍋に洗った米・もち米・黑米を約30分間水に浸します。
  2. 一口大に切った山芋と塩を加えて炊飯します。
  3. 初めは強火にかけ、沸いたら米がドロドロになるまで弱火で30〜40分炊きます。
  4. 器に盛りつけて出来上がり。

【ニラとショウガの卵スープ】

温性のニラ・ショウガ・長ネギがおなかを温めて、卵で血液に栄養を与えて、ニラで血液のめぐりに働きかけます。

材料(2人分)

ニラ
1/4束
ショウガ
1カケ
長ネギ
10cm
1個
水溶きかたくり粉
適量
塩、ゴマ油
適量

作り方

  1. ショウガ、長ネギは千切りに、ニラはざく切りにします。
  2. 鍋に水300ml(分量外)とショウガを入れて煮立て、長ネギ・ニラを入れます。
  3. 塩で味を調えて、水溶きかたくり粉でとろみをつけます。
  4. 卵をといて加え、ひと煮立ちしたら火を止めて出来上がり。お好みでゴマ油をたらすと香りも良くなります。

体にこもった熱を冷ましてイライラ対策(寒性・涼性)

【トウガンの煮物】

微寒性のトウガンで水のめぐりに働きかけて熱を取り去ります。温性の干しエビと合わせることで、トウガンが作用しやすくなります。

材料(2人分)

トウガン
100g
干しエビ
5g
薄口しょうゆ
大さじ1
水溶きかたくり粉
適量

作り方

  1. 干しエビを水(分量外)で戻します。戻し汁はとっておきます。
  2. トウガンの種とワタをとり、皮をむいて3cm角くらいに切ります。
  3. 干しエビの戻し汁と水を合わせて300mlにします。薄口しょうゆも加えて鍋に入れ、煮立たせてトウガンを加えます。
  4. 弱火で15分ほど煮て、味をしみ込ませます。
  5. トウガンに味がしみてきたら、水溶きかたくり粉でとろみをつけます。

まとめ

食事とは、毎日の活動に必要なエネルギーを得ると同時に、自分の体に足りていないものを自然の力に補ってもらうことです。まずは自分の"今"の体質を知ることで、毎日の食事を"今"の自分に合った有意義なものにできます。ストレスや病気に負けない強い心と体を作る食養生で食べ物の力を実感できると、自己回復力に働きかける食事がより一層楽しみになりますね。

(参考文献)
「再春館製薬所が教えるおうち漢方」新星出版社,2014年3月

(監修)
国際薬膳調理師
再春館製薬所 研究開発部 田野岡亮太

2003年、再春館製薬所に入社。化粧品の開発に10年間従事した後、再春館食品ブランド"Lashiku(ラシク)"の商品開発の担当へ。
「お客様のイキイキを食からも応援したい」という想いから国際薬膳調理師を取得。「人生100年キレイ」を支える食の充実を目指して中医学を学び続けながら日々商品開発を続けている。

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