居心地のよい空間をつくるコツ
細川亜衣さんのご自宅はいつ訪れても美しく整えられていて、心地よい空気が流れています。「そんなに神経質ではないんですよ」という細川さんに、居心地のよい空間をつくるコツを聞いてみました。
「ものの置き場を決めること、寝る前に片づけること、くらいでしょうか。といっても、絶対にやらなきゃ、というほどではないんです。疲れていたら手を抜くし、最近では掃除のためにロボットの力も借りています。でも、ものがきれいに並んでいたり、形をそろえるのが好きなので、自分なりの秩序はつくっています」。
大切にしているのは数時間後の自分を想像して気分よく過ごせるかどうか。
「器や容器の素材や高さ、サイズなどをそろえて並べることで、使いやすさも見た目もよくなります。最初は少し手間がかかっても、毎日の料理や動作がスムーズに」
ちょっとした工夫でおいしさアップ
熊本に移住してからは、その日出合った食材に合わせて、つくるものを考えるようになったそう。
「水がいいから、お米も野菜も果物も本当においしくて」。それほど熊本の食材には想像力をかきたてる魅力があるといえそうです。
とくに地元の野菜の中でもトマトが好き。夏は毎日食べるという細川さんには、食べ方にもちょっとした工夫がありました。
「トマトを買ったらまずは木鉢に並べて見た目も楽しみながら、少し追熟させます。完全に熟してやわらかくなってきたら冷凍庫へ。実はこれがとても便利なんです。舌ざわりがなめらかになるし、旨味が凝縮され、加熱するとだしもよく出て。味噌汁に入れてもとてもおいしいですよ。皮むきも、湯むきよりずっと簡単にできるので、おすすめなんです」。この日はそんな冷凍トマトを使ったスープパスタを教えていただきました。
「パスタは市販の乾麺でもいいのですが、手打ちするとごちそうに変身します。少しの手間でぐっとおいしく味わえますよ」
冷凍トマトならではの旨味が凝縮
トマトのスープパスタ
- 材料(2人分)
- 【生地】 強力粉…60g 水…30g
- 【スープ】 トマト(完熟を丸ごと冷凍したもの)…300g(中2個) 粗塩…適量
- 【仕上げ】 オリーブ油…適量 粗塩…適量
- ❶ パスタ生地をつくる。ボウルに強力粉を入れ中心をくぼませ、水を注いでへらなどで内側から混ぜる。粉と水分がなじんできたらひとまとめにし、台の上に移してこねる。表面がなめらかになったらとじ目を下にしておき、ボウルをかぶせて30分ほどおく。
- ❷ トマトは冷凍庫から出したらすぐに流水の下で洗いながら皮をむく。皮からもだしが出るので、ざるに入れてパスタをゆでる鍋に入れ、水をたっぷりと注ぎ、ふたをして中火にかける。
- ❸ スープをつくる。皮をむいたトマトは丸のまま鍋に入れ、粗塩をふってふたをして中火にかける(急ぐときは薄切りにしてもよい)。簡単に崩れるくらいまで煮えたら、塩味をととのえて火を止める。
- ❹ 台に打ち粉をし、寝かせておいた❶の生地をときどき裏返しながら麺棒で約1mmの均一な厚さに伸ばし、ナイフで一口大に切る、または手でちぎる。
- ❺ ❷の湯が沸いたらトマトの皮をざるごと取り出し、塩少々(分量外)を入れ、❹のパスタをゆでる。浮いてきたらさらに2~3分ゆで、かたさをみる。ふっくらとゆだっていたら、再度温めた❸のスープを器に注ぎ、湯を切ったパスタを盛る。
- ❻ オリーブ油を回しかけ、粗塩をふる。
ここに「ひと手間」
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冷凍トマトの皮をむく
トマトを冷凍すると、流水にあてながらスルスルと気持ちよく皮がむけます。冷凍するひと手間だけで、生のトマトを湯むきするより断然ラクに!
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パスタを手打ちする
手打ちパスタというとハードルが高そうですが九州の「だご汁」と同じ感覚で手軽につくれます。材料は粉と水だけ。「パンづくりより簡単」と細川さん。
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