毎日の生活を無理なく
快適に過ごすための習慣
全国からファンが集まる雑貨店 『hal』の店主、後藤由紀子さん。自然体でありながら、センスある暮らしぶりは、幅広い世代の女性の憧れを集めています。美しく心地よい日常のための習慣を伺うと、「無理することなく、自分に期待しすぎず、人にも厳しくせず、ですかね」と、やさしくほほ笑みます。
ご自宅には毎日の生活にも、無理なく快適に暮らすための工夫がいっぱいです。料理中の動線を考え、食器や道具はすぐ手に取れる棚に収納。楽に掃除できるよう、 家具の配置もひと工夫。散らかりがちなものは、「とりあえず置き場」を設けてすっきりと。
「モデルルームのように片づいているより、好きなものに囲まれている家のほうが落ち着く」とあって、お気に入りのものはいつも、眺められる場所に飾っています。
心地よい暮らしの秘訣は
“愉しむ”こと
雑貨店主として店頭に立つのは 週に4日間。お客様との会話から元気をもらっているそう。お店に並んでいる器、洋服、書籍など多彩な商品は、「すべて人とのご縁が運んできてくれたもの。全部に思い入れがあるんです」
と、目を輝かせながら一つひとつにまつわるエピソードを語る言葉には、愛情が満ちあふれています。
慌ただしい日常でも、お茶を飲んだり、ボーッとする時間など、仕事や家事の合い間にワンクッションはさむことで、体も楽になったとか。年齢を重ね、加減を知ったことで、最近は自分のペースで暮らせるようになったとも語ります。
仕事と家で気持ちを切り替えるコツは、素敵な風景を見つけること。ふらっと立ち寄れる海岸や公園などのお気に入りスポットはもちろん、身近なところにもたくさんの発見があります。
「今日は富士山が見えた! や、きれいなピンク色の夕焼け空だなぁとか、風が気持ちいいなとか。また食事だと、何を食べるかだけでなく、どんな器で、誰と、どんな音楽を聴きながら、でも変わります。そんな何気ない日常の中に潜む変化を見つけて、愉しめる人間でいたいですね」
日々の食事であれ、仕事の合間の一杯のお茶であれ、愉しみながら手間と愛情を込めることが、心地よい暮らしの秘訣のようです。
一年に一回、新調するもの
後藤さんのお正月は、新しいヒノキのまな板を使ってお雑煮をつくることから始まります。一年を通して毎日使う、まな板やタオル、下着や靴下を新たに用意して、改まった気持ちで年初を迎えるのが毎年の恒例。また、お正月に限らず、何か始めるときなど、普段から暦を見て縁起のいい日を選んでいるそう。一日一日が大切な日で、仕事や新しい出会いなど、いつどんな機会が巡ってきても自然体で愉しめるよう、心の準備をしていると語ります。
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白いタオルで気分一新
真っ白な今治タオルも、お正月に新調します。下着や靴下など、身のまわりのものを何かひとつ新しくするだけで、気持ちが改まります。
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大切な調理道具も新調
まな板はお正月に大小一枚ずつ、新しいものをおろします。新年はいつも、清々しいヒノキの香りとともにスタートします。
「イライラしても、笑っていても、同じ一日24時間。それなら笑って過ごすほうが絶対にいいですよね。人は考え方ひとつで、幸せに暮らすことができると思っています」
しなやかに、好奇心豊かに。毎日を輝かせる秘訣は、ささやかなことにも喜びを見いだせる後藤さんの姿勢にあるようです。
hal
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沼津駅から徒歩5分。店内には食器から調理道具、ファッション雑貨、衣類、本まで、後藤さんのセンスで選ばれたアイテムが並ぶ。
静岡県沼津市添地町124
Tel:055-963-2556
営業時間:10:30~16:00
定休日:火曜・水曜
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