趣味が仕事となり、
やがて生きがいに
全国にファンを持つ手編みバッグブランド『ビヨンドザリーフ』。オーナー・楠佳英(くすのき・かえ)さんは、お義母さまが没頭していた手編みの作品が増えていくのを見て「この技術をいまのデザインに変えて活かせないか。きっと、同じような高齢者が多くいるのでは」とブランドを立ち上げます。
編み手としてお義母さまと同世代の女性たちを探し、商品づくりがスタート。そして、趣味の世界からプロの意識へと変わり、つくり手たちはやりがいを感じるように。たしかな技術と楠さんのデザインが融合したバッグは人気を呼び、さらなるやりがいへ。
それまで家にいた昭和の母たちが社会に参加し、好きなことを形にできる場所となった『ビヨンドザリーフ』のあり方は、多くの人に勇気を与えてくれます。それは「幸せの種類が変わった」というつくり手たちの言葉からも伝わってきます。
自分も成長しながら、
誰かを笑顔に
ブランド立上げから8年、子育てが一段落したといった若い世代も新たに加わりながら、『ビヨンドザリーフ』には「好きを活かしたい」「社会とつながりたい」人たちが集まり続けています。
「趣味で編んでいたときは、『かわいいね』と褒められて満足だったけど、ここでは緊張感がともなう。それを乗り越えることで、大きな達成感とやりがいが生まれるんです」というつくり手の一人。新作を手がけたり、厳しい検品をクリアすることで自分の技術が飛躍的に上がるのがわかり、「いくつになってもステップアップできることがうれしい」といいます。
商品はすべて受注生産で、完成まで約1ヵ月。スタッフと相談しながら、編める数を調整します。
「品質を保ちながら楽しく続けるためには、無理のない背伸びを続けること」と楠さん。家庭の状況や年齢を問わずつくり手に挑戦できるのも、理想的な形です。
「いつも勇気と元気とお金をいただいています。仕事で自信や生きがいを得られることが本当に幸せ」と語るのは、編み手を卒業後、ワークショップ講師となった80代の女性。得意なことが必要とされ、成長しながら周囲を笑顔に。これが、いくつになってもいきいきと輝き続ける秘訣のようです。
BEYOND THE REEF
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