つむぎ

「秋バテ」にご用心!

「秋バテ」にご用心!

2023.09.08
この記事は7分で読めます

猛暑は過ぎ去ったのに、
だるさや疲れが抜けない──
そんな人が増えているようです。
そこで秋ならではの“バテ”の原因や
自宅で簡単に取り組める対処法を
東洋医学の専門家に伺いました。

お話を伺った人:櫻井大典さん
櫻井大典さん

国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。漢方コンサルタント。カリフォルニア州立大学で心理学
を学んだ後、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。「つぶやき養生 春夏秋冬、12か月の『体にいいこと』」(幻冬舎)など著書多数。

https://yurukampo.jp/

厳しい暑さも過ぎ去って、過ごしやすい気候になりつつある今日この頃。それなのに疲労感が抜けない、体が重だるい、やる気が起きない──
そんな症状に陥っている人を多く見受けます。実は秋は夏の暑さによる消耗から、どっと疲れが出やすいシーズン。夏の間、冷房の効いた部屋に長く居て汗をかかず、熱を発散させないで過ごしてしまうことも、秋の体が悲鳴を上げる原因になります。

東洋医学では、秋をすこやかに乗り切るためのキーは「肺」だといわれていますが、熱を溜め込んだ状態が続くと「肺」の働きが低下して、体のすみずみにまでうるおいが届きにくくなるのです。さらに全身のうるおい不足が、肌の乾燥を助長してしまうこともあります。なお、胃腸にとってベストな温度は37・5度から38度。夏場からの惰性で、冷たいものをたくさん摂取し続けていると胃腸が冷え、消化酵素や腸内細菌の働きも鈍って食欲不振、消化不良を引き起こしてしまうことも。
内臓が冷えると、サラサラとした血を作れなくなるほか、血流が悪くなって肌がくすんだりシミが増えたり、生理痛が重くなったりと、さまざまなトラブルにつながる場合もあります。

舌で健康状態をセルフチェック!

舌を見て毎日体調を自己診断する習慣を。
正常な舌は適度な厚さで輪郭に歪みがなく健康的なピンク色です。

  • 体の内側に熱がこもっているときや乾燥しているときに出やすい症状。「肺」を労って。
    側面だけ赤い場合はストレス過多の可能性も。

  • 熱を作り出すエネルギーが不足して体中が冷えていたり、血液が足りていない状態と考えられる。まず冷たいものを控えてみるのが◎。

  • 分厚く締まりがなく、舌の輪郭が歯形でギザギザしていたら水分の過剰摂取やエネルギー不足でむくんでいる可能性が。巡りの改善を。

  • 舌の色が見えないほど苔が分厚いときは食べ過ぎや飲み過ぎによって胃腸が弱っている証拠。苔を落とそうとするより食養生を優先に。

秋バテとは、エアコンや冷蔵庫に頼りきった今どきの生活習慣によって起こりやすくなる現代病!
そもそも東洋医学では、樹木が1年を単位とした生育サイクルを繰り返すように、人間も自然に寄りそう形で、季節によって過ごし方を変えていくべきだと考えられています。夏がエネルギーを外側に向ける“成長”のシーズンなのに対し、秋はエネルギーを内側に向けるべき“実り”の季節。まずは自分の心身と向き合う時間を充実させ、体を休めてみましょう。舌診で日々体調をチェックするのもおすすめです。

AUTUMN METHODS

秋の心身を整える心得

秋バテの解消には、秋ならではの対策を講じるのがおすすめ。
東洋医学の考えに基づく、日々の過ごし方や取り入れてみたいメソッドをご紹介!

収穫の季節でもある秋は、春夏の間に成し遂げてきた物事に満足し、心穏やかに過ごすのが一番の養生となります。「あれをやらなきゃ」とせわしなく考えを巡らせ過ぎないようにしましょう。特に夜は、早めに帰宅してゆったりと過ごすのが好ましいです。読書をしたり、左で紹介している養生メソッドの中から取り入れやすそうなものを試してみるのもいいでしょう。
いつもよりも1時間早く寝るつもりで、タイムスケジュールを見直すのもおすすめです。
東洋医学で睡眠時間よりも重視されているのは“何時に寝るか”。特に、夜11時から3時の間は熟睡しているのが理想です。この4時間は血の貯蔵や情緒の安定、自律神経の働きに関わる「肝臓」「胆嚢(たんのう)」が働く時間帯。血液が浄化されるだけでなく、消化活動が進んで新たな血液を作るための原料が整えられるため、健康な体の維持にはこのタイミングでの休息が必須なのです。
10月になると寒さによって「肺」がダメージを受けるので、冷え対策もお忘れなく!

秋の夜長こそ生薬風呂でリラックス

養生薬湯

こちらはトウキやガイヨウ(ヨモギ)を処方した生薬100%の入浴剤。体の芯から温めることで養生に。
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30包 7,700円(税込)(3ポイント)
※5包入もございます。

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