「スローライフ」や「丁寧な暮らし」といった言葉は、とても魅力的な響きを持っていますよね。
日々忙しさに追われ、慌ただしく生活していると、スローライフは憧れの生き方に思えます。
とはいえ、現時点で忙しさに追われているのは、やらなければならないことがあるからこそです。
仕事だったり、育児だったり、家事だったり......。
比重は人それぞれですが、何かを頑張っているからこそのんびりしていられないのが現実です。
それでも日々のタスクに追われずにもう少しゆったり生活したい......そう思ったとき、現実的にスローライフを叶えるためには一体どうすればよいのでしょうか。
住む場所や仕事などの疑問に触れながら、知っておきたい心得について解説していきます。
スローライフとは
スローライフとは、時間やタスクに追われる生活から抜け出し、自分にとって大切なことにゆったりと時間を使う生き方です。明確な定義はないので、スローライフの在り方は人それぞれと考えてよいでしょう。自然に囲まれて生きる生活や、家族とのんびり過ごす生活、時間をかけて料理や食事を楽しむ生活など、さまざまなスローライフの形があります。
しかし多くの人の場合、スローライフを実現する前に、現実的な「日常のやるべきこと」が立ちはだかります。ただ単純にやるべきことから目を背け、放棄するだけでは、一時的な現実逃避になってしまいます。
現実的にスローライフを叶えるための方法とは、自分の持つ時間・お金・体力などの使いみちを理想に合わせて最適化することといえるでしょう。
スローライフと田舎暮らしとの違い
よくある誤解ですが「スローライフ=田舎暮らし」ではありません。
田舎暮らしといえば自然に囲まれてゆったり過ごすイメージがあるかもしれませんが、暮らし方によっては田舎暮らしでも時間に追われている人も多くいます。スローライフを送るにはどこに住むかが問題ではなく、あくまでも窮屈な生活リズムから解放される自分の意識が重要なのです。
ただし、理想のスローライフを実現するために、都会よりも田舎の方が適しているという場合は多いものです。
例えば家賃などは田舎の方が都会と比べて格安に済むので、単純に支出が減ればそれだけ収入が減ってもよいということになります。そうすると、ハードワークから抜け出して違う仕事に就くという選択肢も生まれるかもしれません。
重要なのは「どんな生活をしたいか」「何に時間やお金を使いたいのか」を明確にしておくことです。それをはっきりさせないまま、見切り発車で田舎への移住を決めるようなやり方はあまりおすすめできません。
スローライフは都会でも可能
前述した通り、スローライフと田舎暮らしは必ずしも同じ意味ではありません。
スローライフは「自分にとって大切なことにゆったりと時間を使う生き方」であるため、どこに住むかは問題ではなく、都会でも実現することができます。
ただし、都会は田舎と比べ時間の流れが目まぐるしく、物質的な豊かさを求め大勢の人が集まりやすい環境であるといえるでしょう。そんな周囲の雰囲気・環境に惑わされずに、自分自身の求める生活を追求する必要があります。
また、都会の生活水準の中に身を置きながらスローライフを実践するには、ある程度の金銭的余裕が必要というのも現実的な問題となるのではないでしょうか。
スローライフな生き方を実現するための心得
スローライフな生き方を叶えたい場合、どんなことを意識すればよいのでしょう。
ここでは、6つの心得を解説したいと思います。
ただし、これらの項目をすべて実践する必要はありません。自分の理想とする生き方・生活について考え、必要だと思うことを試してみるとよいでしょう。
①時間に追われる生活から抜け出す
時間にゆとりを持つことは、スローライフの基本です。
時間の余裕を生み出すためには、やるべきことを整理して、効率化できる部分がないか考えてみるとよいかもしれません。
また、それほど楽しいわけでもないことに、ついつい時間を無駄遣いしてはいないでしょうか。毎日なんとなくテレビや動画、SNSを見てしまう人は、時間の使いみちを見直すことで余裕が生まれるかもしれません。
②住む場所や生活環境を変えてみる
思い切って住む場所や生活環境を変えてみると、暮らしや心に余裕が生まれる場合もあります。
例えば、住む場所を変えると、通勤時間を短くしたり、家賃を下げて金銭的負担を軽減したりできるかもしれません。また仕事や人間関係も一緒にリセットしてみると、新しい価値観が生まれやすくなります。スローライフを実践するためには、何らかの形で現状の負担を減らすことが成功のコツといえます。
③自然の中で過ごす時間を増やす
季節の移り変わりがわからないほど、毎日時間に追われて暮らすのは、心の豊さにはつながりません。自然と触れ合うことで、忙しい生活で感じられなかった自然の大切さや豊さを実感することができます。
都会に住んでいるのであれば、週末は日常から離れて森林浴に出かけたり、ちょっとしたキャンプを楽しんだりするのもよいでしょう。自然の中に身を置くことで、リラックスしてのびのびとした気持ちになれます
パワースポットなどに毎回行く必要はなく、近所の公園で草木を眺めたり、緑道をお散歩したりするだけでも自然を感じることができます。
外出するのが難しい場合は、お部屋で観葉植物を育てたり、ベランダ菜園をつくって小さな自然に触れたりするだけでもリラックス効果が得られるのでおすすめです。
④デジタル環境から距離を置く(デジタルデトックス)
デジタル機器が、必ずしも有害というわけではありません。
けれどもスマホやパソコンがすぐ側にあると、常に誰かとつながっている感覚があり、十分に気が休まらないものです。また、SNSは情報と刺激にあふれ、無為に時間を費やしてしまいがちです。ゆったりと豊かな時間を過ごしたいときには、意図的にデジタル機器から遠ざかった方が、充実した時間を過ごせたという満足感やリラックス効果を得やすいでしょう。
⑤仕事や働き方を見直す
もし、時間に追われている大きな理由が仕事にあるのなら、仕事や働き方を見直すのもひとつの方法です。
仕事や働き方を変えれば、生活環境がガラリと変わることでしょう。生活環境が変わることで、時間や心に余裕が生まれる場合もあります。
しかし、仕事にやりがいや楽しさを感じていたり、または収入を減らすことはできないという事情があったり、仕事や働き方を変えるというのは簡単なことではないと思います。
まずは、仕事とプライベートは表裏一体であることを理解し、ワークライフバランスの改善に取り組むのがおすすめです。
⑥ダラダラ=スローではない
スローライフという言葉から、ダラダラした生活を想像する人もいるかもしれません。
けれども、スローライフというのは自堕落な生活のことではなく、むしろ人生をより充実させるための計画的な生き方の実践といえるでしょう。ゆとりのある時間は、計画的に暮らしてこそ生まれてくるもの。
自分の持つ時間をどんなふうに使うのか、きちんとしたイメージがなければスローライフを成り立たせることはできません。
メリハリがなく暮らしていると、必然的にダラダラしてしまい、時間の無駄遣いにつながってしまうことも。
きちんと目的を持ち、あれこれ詰め込まずにスケジュールを組んだら、日常の中でほっとひと息つけるような“スローな時間”を大切にしてみてください。
まとめ
漠然とスローライフに憧れていても、実現は難しいと思う人が多いかもしれません。
けれども、スローライフの在り方は人それぞれです。
例えば毎日寝る前にSNSを眺める時間を減らして、ゆったりと一杯のハーブティーを飲む時間をつくってみれば、それもまたスローライフの第一歩と呼べるでしょう。
自分はどんなふうに生きて、何に時間を使いたいのか、改めて見直してみれば人生が充実するのではないでしょうか。
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