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マインドフルネスとは? 瞑想のやり方やその効果について解説

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ライフスタイル

マインドフルネスという言葉を、耳にしたことがあるでしょうか。

マインドフルネスは、主にストレスや不安を軽減して心の安定を図るための、メンタルケアの手法として大きな注目を浴びています。最近は、多くの企業でマインドフルネスのトレーニングプログラムが導入されているのです。

マインドフルネスとは何なのか、また、その感覚を獲得するための瞑想のやり方や効果について解説していきます。

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マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、一言で表すならば「気づき」です。
いまこの瞬間の、あるがままの自分自身に深く意識を向け、自らの心や体の状態をとらえます。

私たちはいつも無意識のうちに考えごとをして、上の空・注意散漫になっていることもあるのではないでしょうか。未来を不安に思ったり、過去の失敗や恥ずかしかったことを思い出したりして、いまここにある自分自身とは無関係のことに気分を左右されてしまいます。
マインドフルネスとは、「いまここにある、ありのままの自分」に集中する力・没頭する力をつけて、雑念を追い払うセルフコントロールの手法とも言い換えられるでしょう。せわしなく流れ、うつろい続ける心や思考を一旦止めて、クリアな状態にリセットするのです。自分を俯瞰して、客観的に見る力を養います。

マインドフルネスの感覚をより具体的に理解するために、よく使われる「マインドフルネスのABC」を紹介します。

【マインドフルネスのABC】

  • A(Awareness)=いま、自分がしていることへの「気づき」
  • B(Being)=善悪や価値の有無を判断せずに、ただありのままにいま自分がそのように「存在している」ことの確認
  • C(Clarity)=自らの体や心のあり方を「明瞭に」見つめること

つまり「いまここにある、ありのままの自分」の本質を明らかにすると同時に、受容していくことがマインドフルネスの感覚なのです。そうして満ち足りた感覚が磨かれ、ストレスや不安は軽減されていきます。

マインドフルネス瞑想のやり方<初心者向け>

説明だけでは、なかなかマインドフルネスの感覚はつかみにくいかもしれません。
まずは、簡単なマインドフルネス瞑想を実践してみましょう。
ただし、一度で見違えるほどの効果があるものではありませんし、おそらく、一度目で完璧にうまく実践できるものでもありません。マインドフルネス瞑想は、よくわからないままにも、続けていくことでだんだん理解・実感できるものと気長に考えてみてください。

STEP1:椅子または床に座って姿勢を整える

まずは、椅子または床に座って姿勢を整えます。
姿勢を整えると呼吸が整い、呼吸が整うと心が整っていくはずです。
マインドフルネス瞑想は、本来どのような姿勢でも自由におこなえます。歩きながらの瞑想や、ヨガをしながらの瞑想といったスタイルも非常におすすめです。
初心者のうちは、呼吸だけに集中するために、座って瞑想するやり方がもっとも簡単でしょう。
頭のてっぺんを、見えない糸で引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばします。

STEP2:目を閉じたまま呼吸を続ける

姿勢を整えたら、目を閉じたまま呼吸を続けます。
そして、自分の呼吸、息を吸う感覚、息を吐く感覚だけに意識を集中させましょう
ゆっくり呼吸することを意識して、息を吸う時間よりも吐く時間を長くします。
鼻腔を空気が流れる感覚、または腹部の動きに意識を向けると集中しやすいです。

STEP3:雑念が生じたら、呼吸に意識を向ける

マインドフルネス瞑想は、色々と考えごとをするものではありません。いまここにある自分、例えば、自分がいましている呼吸だけに意識を集中させます。
しかし、呼吸だけに意識を集中させるというのは意外と難しいものです。
静かに目を閉じて呼吸をしていると、色々なことが頭の中に浮かんできては、ついそちらへ意識が流れていってしまいます。そうして雑念が生じたら、また、呼吸に意識を戻しましょう。最初は何度も意識がそれ続けると思いますが、そのたび意識を呼吸に向けることこそがトレーニングになるのです。
常にたくさんの思考でいっぱいになっている頭を、リセットする力を鍛えていきます。

STEP4:意識を自分に戻し、瞑想を終了する

最後は、意識を自分に戻し、瞑想を終了します。
瞑想を続ける時間は、無理なくできる長さでかまいません。1分間や3分間の瞑想でも、最初は長く感じてソワソワと落ちつかない感じがすると思います。マインドフルネス瞑想は、それでも継続していくことで効果が実感できるものです

時間をかけてゆっくりと“心の凝り”をほぐしていく、心のセルフケアについては、ぜひ次の記事もご覧ください。
「精神科医 “など”」という肩書きで、医師業と並行しておこなっている文筆業や音楽活動といった「さまざまな面の自分」を公言される星野概念さんのインタビュー記事です。

星野概念さん|自分をいたわる、“心の凝り”のほぐし方

マインドフルネスの効果

マインドフルネスの感覚を身につけられれば、様々な効果が期待できます。
ただし、マインドフルネス瞑想そのものを、特定の効果を追い求めて取り組む行動と考えると少し本質から逸れてしまうかもしれません。どちらかといえば、ありのままの自分への気づきを得た結果として、次のような効果が現れてくると考えるとより正確です。

①集中力が高まる

マインドフルネスは、"いまこの瞬間"の自分自身に気づき続ける、脳や心のトレーニングといえます。
雑念を追い払い、没頭する力・集中する力、つまり自らの意識をセルフコントロールする力が鍛えられるため、何事にも集中して取り組めるようになるといわれています。
また、頭の中を支配している様々なことを追い出せば、思考がクリアに、鋭敏になり、良いアイディアやイマジネーションが湧いてきます。マインドフルネスによってこのような効果が期待できるため、メンタルケアだけでなく、例えば仕事の生産性を上げることにも役立つのです。

②ストレスや不安を軽減する

「気の持ちよう」とはよくいいますが、私たちの抱えるストレスや不安は、私たちの脳や心がつくり出した実体のないものとも考えることができます。もちろん、そもそもストレスや不安の原因となる事柄があるもので、すべては気の持ちようでどうにかなるという意味ではありません。
ただ、私たちはどうしても、自分ではどうにもできないことや、未来への不安、過去への後悔などで頭をいっぱいにしすぎてしまうこともあります。いわば頭を占めるその容量をなるべく小さくすること、または、そういう思いがある自分を俯瞰して客観的に認めることがストレスや不安の軽減に役立ちます。ネガティブな思考の連鎖は、いったん止めることができると、延々と続きにくくなるものです。

③睡眠の質が向上する

ストレスや不安が軽減すると、睡眠の質も向上するといわれています。
また、マインドフルネス瞑想で呼吸の力が鍛えられ、深い呼吸が身につくことも効果的です。ぐっすり眠れば体がしっかり回復するので、心身ともによい効果が得られます。

マインドフルネスをやってはいけない人

ストレスや不安の軽減などに効果が期待できるマインドフルネスですが、中には避けた方がよいといわれているケースもあります。次のケースに該当する場合には、マインドフルネス瞑想を治療のプログラムに組み込めるかどうか、担当医などに相談して判断した方がよいでしょう。

精神疾患 (うつ病など) を抱えている人

マインドフルネスは、ストレスや不安の軽減に効果的といわれています。
そのため、一般的にうつ病にも効果的であるといわれるのですが、いま現在うつ病などの精神疾患を抱えている人にとっては、マインドフルネスのトレーニングが逆効果になってしまう場合もあります。マインドフルネス瞑想をおこなう過程で、自分自身に対する否定的な感情や不安が増幅してしまうことがあるからです。
マインドフルネスは、うつ病の「予防」や「回復期」により向いているといえるでしょう。

PTSDの症状がある人

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状がある人も、マインドフルネスの実践には慎重になった方がよいと思われます。マインドフルネス瞑想の過程で、つらい出来事がフラッシュバックしてパニックに陥ってしまう可能性があるからです。

まとめ

マインドフルネスの感覚や、マインドフルネス瞑想は、最初はよくわからないと感じるかもしれません。
けれども、もしマインドフルネスに関心があるのなら、わからないままでもひとまず試してみることをおすすめします。試してみること、そして何より少しずつでも継続していくことで、だんだん理解が深まり、効果を実感できるのがマインドフルネスというものだからです。

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