報道関係者

2019年06月14日
再春館製薬所 NR19-002

〜第19回日本抗加齢医学会総会にて発表〜
熊本県産の「不知火菊」に“メラニン産生経路を抑制する効果”を発見
ーシワ・シミの原因となる“加齢加速タンパク質”(アンジオポエチン様因子2)の抑制にも効果ありー

 株式会社 再春館製薬所(本社:熊本県上益城郡益城町 代表取締役社長 西川正明 以下、再春館製薬所)は、熊本大学大学院生命科学研究部 分子遺伝学分野 尾池 雄一 教授、産業医科大学医学部 分子生物学講座 遠藤 元誉教授との共同研究において、加齢関連タンパク質であるアンジオポエチン様因子2 (ANGPTL2)の過剰な産生が、皮膚関連細胞株のヒト表皮角化細胞株 注1)やマウスメラノーマ細胞株 注2)において、シミの原因となるメラニンの産生促進をもたらすこと、また不知火菊抽出物がANGPTL2の産生抑制を介してメラニン産生を抑制できることを見出し、その研究成果を「第19回抗加齢医学会総会」(2019年6月14日(金)〜16日(日))で発表しました。

■皮膚上の老化アクセルを抑える「不知火菊」

 今回の研究の中で、ANGPTL2の過剰な作用が、シミの原因となるメラニンの産生促進をもたらすことと、「不知火菊」がANGPTL2の産生抑制を介してメラニン産生を抑制できることを解明しました。「ANGPTL2」は加齢に伴い様々な組織で産生が増加しその結果、細胞の様々な活動に重要なエネルギー産生の低下や慢性炎症を引き起こし、糖尿病、心血管病、がんなどの加齢に伴ってその発症が増加する加齢関連疾患の発症・進展を促進するタンパク質として注目されています。「不知火菊」は、熊本・不知火地方で「お茶として飲むと病気が治る」という言い伝えのもと、民間伝承的に伝わってきた幻の植物として珍重されてきました。弊社では「不知火菊」には、シワ・シミ、メタボや糖尿病などの生活習慣病や心血管病の発症を加速するとされる“加齢加速タンパク質”(アンジオポエチン様因子2)を抑制する効果を発見したことから、2015年より、“不知火菊から抽出したエキス”を製品の原料として使用しています。

■本研究の結果

 ヒト表皮角化細胞から ANGPTL2 産生が増加すると、メラニン産生を促すα-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)、エンドセリン-1(ET-1)の産生が増加しました(図 1)。また、マウスメラノーマ細胞から ANGPTL2 産生が増加すると、メラニン産生を促す酵素チロシナーゼの活性が上昇し、メラニン産生が増加しました(図 2)。ANGPTL2 発現・産生の抑制効果を有する有用植物として見出した不知火菊抽出物に、メラニン産生を促す酵素の活性抑制、メラニン産生抑制作用を確認しました(図3、図 4)。
 本研究により、ヒト表皮角化細胞、マウスメラノーマ細胞におけるANGPTL2の発現はメラニン産生経路を活性化させることを明らかにしました。また、ANGPTL2の発現を抑制する不知火菊抽出物は、メラニン産生経路を抑制する成分として有用である可能性が示されました。
不知火菊抽出物は、毒性が低く既に化粧品に応用されています(特許6490342)が、ANGPTL2の発現を抑制する特定成分の同定・単離(特許出願中)にも成功しており、更なる応用展開が期待できます。
 再春館製薬所は、今後も最大のテーマとしている「自己回復力」についての研究を行ってまいります。

注1) 表皮角化細胞:皮膚の表皮の 90%を占める細胞。最終的に角質化し皮膚の表面となり垢と して皮膚から剥がれ落ちます。
注2) メラノーマ細胞:シミの原因物質のメラニンを作り出す細胞。メラニンを隣接する表皮角化細胞や 髪の毛母細胞に受け渡すことで、肌や髪の暗色化を起こします。

参考資料

図1:ANGPTL2産生を増加させたヒト表皮角化細胞株(Angptl2)では、通常の対照細胞株(Control)と比較して、メラニン産生を促進させるα-MSH、ET-1の産生が増加していました。
図2:甘ANGPTL2産生を増加させたマウスメラノーマ細胞株(Angptl2)では、通常の対照細胞株(Control)と比較して、メラニン産生を引き起こす酵素であるチロシナーゼ活性が上昇しており、メラニン産生量も増加していました。

図3:ヒト表皮角化細胞株に紫外線(UVB)の照射、不知火菊抽出物(CE)の添加実験を行った結果、UVB照射により高まったメラニン産生を促進させるα-MSH、ET-1の産生を抑制しました。この効果は、不知火菊抽出物(CE)によるANGPTL2産生抑制作用によると考えられます。
図4:マウスメラノーマ細胞株にメラニン産生を高めるIBMXと不知火菊抽出物(CE)の添加実験を行った結果、不知火菊抽出物がIBMX刺激により高まったチロシナーゼ発現、メラニン産生を抑制することが分かりました。この効果は、不知火菊抽出物(CE)によるANGPTL2産生抑制作用によると考えられます。

本件に関するお問い合わせ

株式会社 再春館製薬所 熊本県上益城郡益城町寺中1363-1
広報 江河真喜子
TEL : 080-4458-2341(担当直通)
E-Mail : m.egawa@saishunkan.co.jp

ドモホルンリンクル事業部 間地大輔
TEL : 080-4135-4375(担当直通)
E-Mail : d.maji@saishunkan.co.jp

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2019年06月14日