私らしく。 by 再春館製薬所

おうち養生#02

間地大輔
おうちで簡単養生。朝食で体と心のスイッチをオンに

column 連載| # # # # #

連載

人には、何歳になろうとも自らを元気にする力が備わっています。その力を信じてみませんか。太古の昔から、自然の一部である人間は、内なる生体リズムと自然のリズムを呼応させながら生きてきました。自分のリズムにそっと耳を澄ませば、「トラブルが起きにくい私」へのヒントが見つかります。【おうち養生】第2回目は、朝食。すこやかな明日へ向けて、心と体を整えていきましょう。

まず顔を洗って、歯を磨いて、お白湯(さゆ)をひと口。さて、今朝はどんな調子でしょう。

体は軽やかですか、それともだるいですか。気分は爽やかですか、どこか沈んだ感じがしますか。まだぼんやりしている体と心に、尋ねてみてください。そんな「私へのあいさつ」のようなものが、朝食です。

冷蔵庫を開けた時に、目に飛び込んでくるフルーツ、今朝はこれがいいかしらと手に取ったお漬物。直感的に選ぶ朝食の一品は、何を隠そう、その日の調子を教えてくれるメッセンジャーなのです。

今日を楽しくいきいきと過ごすイメージや、心身をいたわるヒントをくれることがあります。ご自身と対話する何げないひとときなのですね。

毎日同じものでも、気ままに変えてもよいのです。まずは今日の体と心のご機嫌を伺ってみましょう。

朝のひと口が
心身の時計合わせに

体は起きているのに頭がぼんやりするとか、頭はスッキリしているのに体はまだ眠っている感じとか。体と心がばらばらだなあと思うことはありませんか。

「なんとなく不調かな」とため息をつきがちな朝のぼんやり、実はちゃんとした理由があるのです。目が覚めて、心(脳)の時計が動き出したとしても、体(内臓)の時計がまだ眠ったままだと、二つの時計がずれて、思うように活動ができないのです。

じゃあ、二つの針を同時にスタートさせるスイッチは?

前回(睡眠編)でもお話しした、朝、光を浴びること。もう一つは、今回お伝えする朝食をとることなのです。

手間だし、食欲もないというお声をよく伺いますが、温かな飲みもの一杯、梅干し一粒でもいいので何かひと口、とることを心がけてみてください。

口を動かして飲み下し、胃腸が働き始めることで、体と心の時計が動き出します。気軽にできる習慣ですから、朝のひと口を体と心の時計合わせと考えてみてください。

腸は自分の庭のようなもの
草花を育てることを意識して

健康や美容に前向きな方ほど、「一日の栄養バランスを保つ朝食はしっかり食べなきゃ」と考えがちですよね。

ただ、毎朝だと、気が重くなるのも正直なところ。そこで、発想の転換をおすすめします。朝食は、眠っていた腸に「今日も元気によろしく!」とエールを送ることだと考えてみませんか。

腸のスイッチがオンになると朝のお通じにつながり、一日を心地よく過ごす体のリズムが生まれます。また、少しずつでもさまざまな食材をとることは多様な細菌が暮らす腸内を整えます。

腸内は、あなただけの庭のようなもの。色とりどりの草花が豊かに茂るほど、「自らを元気にする力」は、強く、しなやかになります。がんばりすぎなくてもいいのです。

ひと工夫を楽しみながら、朝食をとる時間を、爽やかなガーデニングの時間だと発想してみましょう。

いま、何が食べたい?
体の調子がわかる五味の考え方

「五味」という言葉を聞いたことがありますか?
「酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん、しょっぱい)」という五つの味をバランスよくとると、心身ともすこやかに保つことができるという食養生の考え方です。この五味の考え方をもとに日々の朝食を振り返ってみましょう。

いつもより甘めの卵焼きにしたい時は、体がエネルギーを欲しているのかもしれません。すっぱいお漬物を多めに添える日は、少し疲れがたまっているとも考えられます。
ほんのり苦いマーマレードに手を伸ばしたなら、風邪のひきはじめなど、体調の変化に注意というサインかも。好きなものがおいしく感じられない時は、どの食材や味に違和感があったのか見つめてみてください。

鏡をのぞいて、今日の顔色を見るのと同じように。何が食べたい? どれがおいしかった? とご自身に問いかけてみてください。

朝食から今日の体や心の調子を知ることで、気になるところを早めにケアしたり今日の過ごし方の按配(あんばい)を加減したり、ご自身だからできる養生法が見つかります。

生体リズムと朝食の
重要な関わりとは

商品開発や養生研究を続けて二十数年、ポジティブエイジ統括本部の間地大輔です。

かつての私は「朝はギリギリまで寝たい派」で、朝食の時間を睡眠に充てる生活が自分に合っていると思い込んでいました。
朝から料理するなんて面倒だし、冷蔵庫から常備菜を出してみそ汁とご飯、なんて夢のまた夢。眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、午前中は調子が出ないものだと思っていました。

やがて、生体リズムの研究を深めるうちに、朝食はあらゆる人にとって「一日を活動的に過ごすためのスイッチ」だとわかってきたのです。

毎朝、体調や気分に合ったメニューをとるようになると、午前中から頭も体もシャキッと動き、いいアイデアが浮かぶようになりました。

朝食は自分の調子を知り、一日のコンディションを整える貴重な時間だと実感したのです。

毎朝の気分でアレンジ
「旅する朝食」

朝食は毎日同じメニューと決めている方や、曜日によってご飯とパンを入れ替える方など人それぞれですよね。私が最近ハマっているのは、「旅する朝食」。大阪−関西万博に行った時にひらめきました。

例えば、気分は地中海の朝食、という日は、スライスしたトマトにオリーブオイルと黒こしょうをひと振り。今日は韓国にしようかな、という日は、ご飯とキムチ、ごま油を使ったおかずを1品。朝食で世界一周するフェアみたいで楽しいですよ。

本格的な料理じゃなくても大丈夫、ちょっとした遊び心で試してみませんか。一回使ったきりでストックに眠ったままというスパイスも、久々に出番があるかもしれませんよ。

「いろんなものを食べなければ」と自らに課すと疲れてしまうので、どうぞお気軽に。カフェのモーニングやテイクアウトも上手に使ってください。一日のスイッチを楽しくオンしましょう!

更新

間地大輔

まぢ・だいすけ 1976年生まれ。再春館製薬所・ポジティブエイジ統括本部。薬剤師。「人生の8割を笑顔で」が自身の目標。専門の薬学を生かして「自己回復力を高める養生」を届ける活動を続ける。