春が過ぎ、どことなく疲れがたまってはいませんか。
無理もないことですよね。春は、一年の中で生体リズムがゆらぎやすい季節。三寒四温というように、気温差が大きく、大気も不安定ですから。
さらには生活の節目も多く、環境が大きく変わった方もいるでしょう。
変化のゆらぎに日々振り回されやすく、知らず知らずのうちに、力が入ってしまうのです。
だからこそ、「ゆるめる」時間を持ってみませんか。
一日中、緊張しっぱなしだった体と心を解き放ってあげましょう。
温かなお湯に身をゆだねると、「あー」と声が出ますよね。それは、自然と力が抜けた合図。
「今日もよく頑張りました」とご自身をねぎらって、疲れを癒やすひとときを大切にしてください。
外からくる「モヤモヤ不調」を
リセット
四季の移り変わりとともに、自然界も人間も刻々と変化しています。
気候の変化を、「風(ふう)・湿(しつ)・暑(しょ)・燥(そう)・寒(かん)・火(か)」という六つの気に分ける漢方の考え方を、ご存じでしょうか。
例えば、「風」の気が強くなる春には、不調の原因となる「風邪(ふうじゃ)」が外からやってきます。花粉や黄砂もその一つ。
冬の間にぎゅっと縮こまっていた木々の花芽が陽気でゆっくりとほころぶように、人の心と体も外に開き始めてデリケートな状態となり、周囲のさまざまな変化に、過敏に反応しがちです。
いつもと同じ生活をしているつもりでも、目覚めがスッキリせず、夕方にはもうぐったり。あちこちがむずむずして、頭もぼうっとする......。
まさに、風邪による「モヤモヤ不調」と言えます。
小さな不調をためこんで明日に持ち越さないために、入浴でリセットする習慣を心がけましょう。
お風呂につかって、お湯に心と体を解き放つと、自然と一つになるような気持ちよさが感じられますよ。
心地よい眠りの鍵は
体温の波?
第1回では睡眠のお話をしました。
睡眠中はオフ=何もしない時間と思われがちですが、疲れや不調など目に見えない重荷を下ろして心身のエネルギーを回復させるという実は体内では、活発な活動が行われる時間なのです。
その睡眠の質を高める鍵が、入浴。眠る1時間半くらい前にお風呂につかって体温をしっかり上げると、布団に入る頃には体温が下がっていきます。
この、上げて、下げるという波によって自然とリラックスでき、心地よい眠りがやってくるのです。
翌朝、羽が生えたように軽やかに目覚めたら、エネルギーがうまく回復した証し。
つまり、入浴、睡眠、活動は一つのサイクルです。
一日の生体リズムを整える入浴の習慣は、ゆらぎやすい季節も元気に過ごす秘訣ですよ。
リラックス上手になる
三つのコツ
お風呂に入る時くらい、体を締めつける服も心にのしかかるプレッシャーも脱ぎ捨てて自由になりましょう。
ありのままの「私」、自然な姿に返る時間ですから。
お風呂で気持ちよくリラックスできれば、すっと眠りに入って、明日を元気に過ごす力がわいてきます。そんないいめぐりをもたらす入浴のコツを、三つご紹介します。
日中に活動モードに入っていた自律神経をゆるめ、「そろそろお休みしましょうか」と休息モードにシフトするには、38~40℃のぬるめのお湯に胸のあたりまでつかる「半身浴」がおすすめ。
気分を変えたい時には、湯船に好きな入浴剤やアロマオイルを入れて、深呼吸してみるとリフレッシュできますよ。気の高ぶりを「香り」が穏やかに静めてくれます。
そして、刺激の強いナイロンタオルは使わずに、「手のひら洗い」にしてみませんか。たっぷりの泡と手のひらでご自身をいたわるようにやさしく撫(な)でると、思いがけず深い安心感に包まれます。
私の入浴養生
「入浴習慣を見直して気づいたこと」
ポジティブリズム事業部の伊藤安矢です。若い頃は夜更かしが楽しくて、湯船に入る時間も惜しかったので、入浴は、朝ささっとシャワーで済ませていました。その入浴習慣を見直すことにしたきっかけは、睡眠トラブルが続いたこと。
眠りのリズムを整えるために、試しに半身浴をしばらく続けてみました。
自分に合うやり方を見つけるまで、お湯の温度や時間、入り方などあれこれ試したんですよ。
冷えないようにお風呂のふたを体の手前まで閉めたり、肩にタオルを掛けたり。温かな白湯(さゆ)をちびちびと飲みながら湯船につかると、汗が出てきて気持ちいいと感じるようになりました。
この習慣を続けるうちに寝つきがよくなり、夜中に目が覚めることも減ったんです。入浴と睡眠はひとつながりなんだと、身をもって知りましたね。
目を休める
「ともしび半身浴」のすすめ
ある日、ふと思いついて、バスルームの照明を消して、脱衣所から漏れる明かりだけで入浴してみました。すると、とても気持ちが落ち着いたんですよ。お湯の音が響いて、温(ぬく)もりがじんわりと染みこむようで。以来、この「ともしび半身浴」がお気に入りに。
毎日、情報の洪水の中で暮らしているだけに、目を休めるとこんなにリラックスできることに驚きました。
半身浴しながら本を読んだり動画を見たりしたい方は、時々お休みして、ともしび半身浴を試してみませんか。私は週に1~2回取り入れるようにしたところ、快眠が続いています。
大好きな野外ライブに行って立ちっ放しで過ごしても、2万歩歩いても、翌日は体が軽やかでスッキリ!
入浴と睡眠でしっかりと回復すれば、明日は今日よりもっといきいきと過ごせますよ。
更新
伊藤安矢
いとう・あや
再春館製薬所に入社後、研究開発員としてドモホルンリンクルの商品開発、企画、研究に従事。これまで培った知見を生かし、現在はポジティブリズム事業部で新たな価値づくりに取り組んでいる。本来の自分を取り戻す「生体リズムケア」を通して、「明日が楽しみ」と思える前向きな毎日をサポートする。