

薬膳料理研究家、東洋美食薬膳協会代表理事。身近な食材で簡単でおいしい薬膳料理を提唱。2023年、中国中医学の最高団体である「世界中医薬学会連合会」の理事に日本人女性として初就任。
https://yakuzen-salon.com/長夏(ちょうか)
むくみと胃腸の不調に
長夏(ジメジメした暑い季節)に注意したいのは、五臓のうちの「脾(ひ)=胃腸のあたり」。暑さ(暑邪・しょじゃ)と湿気(湿邪・しつじゃ)により、消化機能が低下しやすくなることで水(すい)の巡りが悪くなり、むくみや食欲不振につながってしまうのです。予防を中心とする薬膳では、梅雨の季節は「脾」の働きを良くする効能のある食材を取り入れて「食養生」します。
今回は、水の巡りを良くし、体の余分な熱を取る食材を使用したワンタンスープをご紹介。冷たいものを摂りがちなこの時季、温かいスープで胃腸を温めてあげることも養生につながります。アサリと塩昆布の自然の出汁で、調味料を加えなくても素材本来の味わいを愉しめるだけでなく、小鍋ひとつであっという間に仕上がるので、食欲のないときでもさっとつくって食べられる一品です。
おいしく食べて、梅雨どきの重い体を整えましょう。
アサリともやしのワンタンスープ

材料(2人分)
アサリ(殻つき)……200g
豆もやし……50g
とうもろこし(缶詰)……50g(※1)
ワンタンの皮……4枚(※2)
塩昆布……ひとつまみ
生姜(千切り)……5g
ごま油……大さじ1
パクチー(好みで)……少々(※3)
作り方
1. 鍋にごま油を入れて弱火で熱し、生姜を入れ炒める。
2. 水400m(分量外)を注ぎ、アサリを加えて少し煮る。
3. もやし、塩昆布、とうもろこしを加える。
4. ワンタンを半分に切り、一枚ずつ広げて鍋に加える。
5. ひと煮立ちしたらすぐに火を止め、器に盛る。
6. 好みで刻んだパクチーを添える
※1 とうもろこしが旬の時季は、ぜひ生のとうもろこしでお試しを。粒をそぎ切りし、アサリと同じタイミングで鍋に加えて。
※2 ワンタンにひき肉やネギを詰めて包むと、ボリュームのあるスープに。
※3パクチーではなく青じそを刻んで添えても、さっぱりとした味わいが愉しめます。
旬の食材のこと
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アサリ
体の熱を冷ます効果や、余分な水分を取り除き、代謝を良くする夏向けの食材。体にうるおいを与え、イライラなども鎮める。
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もやし
体の余分な熱や、気・水の巡りを改善すると言われ、夏バテやむくみの改善に効果的な食材。消化を助け、胃腸の調子を整える作用も。
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とうもろこし
体に溜まった余分な水を排泄する作用があり、むくみ改善、利尿効果あり。食物の消化吸収力を高めるため、食欲が落ちているときにおすすめの食材。
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