
再春館製薬所は、漢方の考えにもとづいてドモホルンリンクルをはじめとした商品をつくっている製薬会社です。そして漢方には『天人合一(てんじんごういつ)』つまり、人間は自然の一部であるという思想が根底にあり、人間の身体に起こるさまざまな不調を癒やすために、自然の力を取り入れてきました。
そうしてものづくりに従事してきた私たちが、自然に感謝の念を抱くのは当たり前のこと。ドモホルリンクルの販売開始から50年が経った今なお、その思いを忘れたことはありません。
そこで今回は、熊本における私たちの営みと、化粧品づくりに欠かせない、豊かな自然が生みだす「水」への感謝の気持ちを形にするための取り組みを紹介していきます。
熊本って、火の国? それとも水の国??

この雄大な景色の地下には、豊富な水が貯められています。
約27万年前から9万年前にかけて4回にわたって大噴火を起こした阿蘇山が位置する熊本は、「火の国」として知られていると同時に、実は国内でも有数の「水の国」でもあります。
世界最大級の面積を誇るカルデラと、それを囲む外輪山からなる阿蘇は、言わば巨大な水がめ。雄大なる自然がもたらす伏流水によって、熊本の歴史や風土、そして人々の営みが育まれてきました。
静かに、しかし力強く、私たちに大地の息吹を伝えつづけてくれる阿蘇の水。それは再春館製薬所にとってどんな存在なのか。また「基礎化粧品における生命線」とまで呼ばれる水は、なぜそこまで大切なものなのか。
ここからは、16年にわたって、薬彩工園にてドモホルンリンクルの製造に携わってきた喜多海人に話を伺いながら、紐解いていきます。

入社18年目
工園で化粧品製造に16年従事した後、化粧品事業部へ。現在は会員様に向けたサービス運用チームの責任者。
Theme01
水の国、熊本だからできること。
ーー熊本と言えば、やはり活火山である阿蘇山がある「火の国」というイメージが一般的だと思います。
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喜多
そうですね。しかし同時に「水の国」であることも間違いなく言えると思います。
広大な阿蘇山の地下には、清冽な地下水が豊富に蓄えられていて、1,500箇所以上の場所から湧き出ているんですよ。
そしてこれらの地下水が熊本の人々の暮らしを支えており、熊本市や菊池市、宇土市といった地域の上水道のほぼ100%をまかなっています。熊本県全体で言っても80%となっており、これほどまでに多くの人たちの生活を地下水がまかなっているというのは、世界でも非常に珍しいようです。
ーーその豊富な地下水が、熊本の人々に豊かな恩恵をもたらしてきたわけですね。
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喜多
はい。この地に住んだ先人たちは、天然のミネラルを含んだ湧き水を生活用水やかんがい用水などに用いてきただけでなく、江戸時代からはそれを活用した堰や用水路、そして無数の水田をつくってきました。
この豊かな水を活かした暮らしは現在に至るまで続いており、ただ水を使うだけではなく、地域の人々による地下水量を守るためのさまざまな取り組みが脈々と受け継がれてきたからこそ実現していることなのです。

ーー再春館製薬所もその恩恵を受けることで、ものづくりができている。
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喜多
はい。ドモホルンリンクルの8点すべてに阿蘇の水が使われており、この豊かな自然の恵みがなければ、私たちは商品をつくることができません。
Theme02
当たり前ではないことに、感謝を。
ーーでは続いて、もう少し具体的に、再春館製薬所では、どのように「水」と付き合い、またどのように「水」を扱っているのでしょう。
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喜多
実は再春館製薬所の敷地には2つの採水設備があって、そこから地下水を汲み上げて製品づくりに活用しています。
採水設備の深さは地下114メートル。地表の影響を受けないように深層から汲み上げて、自分たちで水質検査を行った上で使っていますよ。
ーー社員が働いているこの場所の下にも、深いところには阿蘇山の伏流水が流れているんですね。
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喜多
そうなんです。それにドモホルンリンクル配合するのはもちろんながら、釜を洗う際にも同じ阿蘇の水を使っています。

工場内にある井戸から汲み上げた地下水で製品をつくっています。
ーー製造に用いられるすべてが阿蘇の水なんですね。
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喜多
それだけではありません。さらに使い終えた水は浄化して再利用し、徹底して水を大切に扱っています。
ーーどうしてそこまで徹底して水を大切に扱うのですか?
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喜多
はい。まず水は雨として阿蘇の山々に降り注ぎ、私たちに多大なる恩恵をもたらした後、海に還っていき、また雨となって山へと戻っていくというサイクルを、長い時間をかけながら永遠に繰り返しています。
そして人間のみならず、動物や草花など、ありとあらゆるものが、その巡りの中でそれぞれの生を営み、また私たち再春館製薬所ではものづくりに励んできました。
そんな中で、他の動物や植物と同じく自然の一部である私たちにとって、その巡りを途切れるような振る舞いは決して許されるものではありません。

動物も植物も、そして私たち人間も、この雄大な自然の一部です。
ーー自然の恵みをいただくことで商品を世に送り出している企業としての約束事ですね。
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喜多
はい。阿蘇山の伏流水という崇高な自然の恵みをたっぷりといただきながらものづくりができるというのは、この場所でなければどれだけ願ったとしても叶わないもの。つまり当たり前ではないことです。だからこそ、自然に対して感謝の想いを忘れることなく、大切に使わせていただく。それが再春館製薬所の根底にある姿勢だと思います。
Theme03
ベース成分であり、生命線でもあるのが水。
ーーそしてドモホルンリンクルの商品においても、水は重要な役割を果たしているんですよね?
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喜多
その通りです。ドモホルンリンクルに限らず、化粧水やクリームといった多くの化粧品にとって、水は欠かせない原料の一つで、もっとも重要であると言っても過言ではないでしょう。

こだわり抜いた原料のベース成分となるのが水。だから品質がよいものを。
ーーなるほど。その水が阿蘇の伏流水であるということは、とてもありがたいですね。
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喜多
そうですね。特にドモホルンリンクルは生涯にわたって使っていただく基礎化粧品なので、水そのものの品質にも徹底してこだわらなければなりません。
その点、私たちには阿蘇の水という素晴らしい恵みがすぐそばにあり、それをお客様の肌に役立てることができます。
そんなありがたい環境のもとでものづくりができることに対して、繰り返しになりますが、やはり感謝の念を忘れてははいけないと改めて強く感じています。

まとめ
いかがだったでしょうか。再春館製薬所のものづくりにとって、そして熊本の地に生を受けた企業として、さらに動物や植物と同じく自然の一部として生きている人間として、「水」がいかに大切な存在であるかがおわかりいただけたと思います。
そんな水に対する多大なる感謝の想いを形にすべく、『50th 感謝企画』の一環として、『公益財団法人くまもと地下水財団』へと寄付を行います。

地下水の量を守るために行う「湛水」の様子(画像は公式サイトから)
熊本に住む人たちの営みや、私たちのものづくりを支えてくれている地下水ですが、時代の変遷や自然環境の変化などに伴い、年々その量が減ってきているという課題も抱えています。
その解決に向けて『地下水涵養対策事業』をはじめとしたさまざまな取り組みを行う『公益財団法人くまもと地下水財団』の活動をサポートする目的で、まずは2024年1月〜3月までの売上の一部を寄付させていただくと同時に、より長期的な支援も見越し、今後の継続的な寄付活動も予定しております。
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