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食物繊維が多い食べ物|効率的に摂取するポイント

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ライフスタイル

食物繊維の効果として、もっとも有名なのは便秘の改善ではないでしょうか。
「食物繊維レタス何個分」といった表示もよく目にするので、健康のために必要なものという認識をもっている人が多いかもしれません。また、食物繊維を摂取すると血糖値の上昇をおさえ、血中コレステロールの濃度を下げることもできるうえに、食べすぎを防止するのでダイエット効果もあります。

しかしながら食物繊維は、きちんと意識しないとなかなか必要量をとるのが難しいものです。
食物繊維をしっかりとるには何をどれくらい食べればよいのか、いろいろな食材を紹介していきます。

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食物繊維の1日あたりの摂取量目安

食物繊維とは、人間の消化酵素では分解することができない成分のことです。
第6の栄養素と呼ばれるほど人の身体にとって大切な働きをします。しかし、残念ながらほとんどの人が十分な量の食物繊維をとれていないのです。

■食物繊維の1日あたりの摂取量目安

成人では、1日あたり24g以上の食物繊維を摂取するのが理想的と言われています。
しかし、日本人の食物繊維の摂取量は理想をかなり下回っているのが現状です。そのため、厚生労働省は、現実的な目標として摂取量の目安を設けています。

【成人男性】

年齢 18~29歳 30~64歳 65~74歳 75歳以上
摂取量目安 20g以上 21g以上 20g以上 19g以上

【成人女性】

年齢 18~29歳 30~64歳 65~74歳 75歳以上
摂取量目安 17g以上 18g以上 17g以上 17g以上

参考)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書

現代では、日本人の食物繊維摂取量の中央値は1日あたり14g程度なので、意識的に摂取量を増やす必要があります。
ちなみに、男女差・年齢差による摂取量目安の違いは平均体重の差によるものです。女性は男性と比べて摂取量が少なくてよいというわけではなく、摂取したい食物繊維の量は体格に応じて多少増減するといった意味合いです。

食物繊維を効率的に摂取できる食べ物

日々の食事で、摂取量目安の食物繊維をとるためには何をどれくらい食べればよいのでしょうか。
食物繊維を効率的に摂取できる食べ物をご紹介します。

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穀類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
大麦(7分つき押麦) 10.3 6.3 4.0
オートミール 9.4 3.2 6.2
ライ麦パン 5.6 2.0 3.6
食パン 2.2 0.4 1.9

芋類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
サツマイモ(皮つき・蒸) 3.8 1.0 2.8
生いも板コンニャク 3.0 微量 3.0
しらたき 2.9 0 2.9
サトイモ(水煮) 2.4 0.9 1.5

野菜類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
切り干し大根(乾) 21.3 5.2 16.1
シソ 葉(生) 7.3 0.8 6.5
ショウガ(生・おろし) 7.4 0.2 7.3
ゴボウ(ゆで) 6.1 2.7 3.4
モロヘイヤ(生) 5.9 1.3 4.6
アボカド(生) 5.6 1.7 3.9
ブロッコリー(生) 5.1 0.9 4.3
レタス(生) 1.1 0.1 1.0

キノコ類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
キクラゲ(乾) 57.4 0 57.4
シイタケ(乾) 46.7 2.7 44.0
シイタケ(生) 4.6 0.4 4.1
エノキ 3.9 0.4 3.5
マイタケ 3.5 0.3 3.2

海藻類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
ヒジキ(乾) 51.8 - -
焼きのり 36.0 - -
ワカメ(乾) 32.7 - -
アオサ(乾) 29.1 - -
昆布(乾) 27.1 - -

果物類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
干し柿 14.0 1.3 3.8
プルーン(乾) 7.1 3.4 3.8
ブルーベリー(ジャム) 4.3 0.5 3.8

豆類

食品(調理法) 可食部100gあたりの食物繊維(g)
食物繊維総量 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維
インゲン豆(乾) 19.6 3.3 16.2
大豆(乾) 17.9 1.5 16.4
エンドウ豆(乾) 17.4 1.2 16.2
きなこ 16.9 1.9 15

参考)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

食物繊維を効率的に摂取するポイント

食物繊維をたくさん含んでいる食品でも、そのまま大量に食べるのは難しいものが多いですよね。
毎日継続しやすい食物繊維を、効率的に摂取するポイントを解説します。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂取する

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。

「水溶性食物繊維」は、水に溶けやすい食物繊維です。
胃で消化した栄養分を小腸に届けながら進みます。酸性の胃液をたくさん含んでいるので、腸内を酸性にして善玉菌を活性化できるのです。そのまま大腸まで運ばれると、最終的には善玉菌のエサになるため、腸内環境の改善に役立ちます。海藻類、芋類、オクラ、納豆などネバネバした食材に多く含まれています。

「不溶性食物繊維」は、水に溶けない食物繊維です。
腸内を進みながら、老廃物や毒素、悪玉菌といった不要なものを回収します。水分を吸収して膨らんだ不溶性食物繊維と老廃物などが合わさって便になり、身体に不要なものが排出できるのです。
不溶性食物繊維が不足すると、十分な量の便が作られず体内に老廃物や毒素がどんどん溜まってしまいます。不溶性食物繊維をたっぷりとると、十分な量の便が作られ、排便がスムーズになるということです。豆類やゴボウ、切り干し大根、コンニャクなどに多く含まれています。

食物繊維を多く含む食べ物にも、水溶性食物繊維をたくさん含んでいるものと、不溶性食物繊維をたくさん含んでいるものがあります。どちらも重要で、違った働きをするので、両方をバランスよくとる食事が理想的です。

ちなみに、腸内環境と善玉菌・悪玉菌の働きなどについては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

腸活とは?腸内環境を改善するための生活習慣 (食事・運動・睡眠) について解説

食物繊維が豊富な主食を選ぶ

食物繊維を手軽にとりたい場合は、食物繊維が豊富な主食を選ぶことをおすすめします。
米なら、白米より玄米や麦、胚芽などを加えたものがよいでしょう。
朝食にオートミールを食べたり、パンをライ麦パンや全粒小麦パンに変えたりするのもおすすめです。

野菜は加熱してかさを減らす

食物繊維は野菜からとることができますが、必要量を摂取するにはたくさんの量が必要です。生野菜をサラダで食べようと思うと、かなりの量になってしまいます。そこでおすすめの方法は、野菜は加熱してかさを減らすことです。
食物繊維は、加熱しても分解されることはありません。
加熱してかさが減った方が、たくさんの量を食べられるのではないでしょうか。ビタミンなどの栄養素が分解されてしまう可能性が気になる場合は、茹でたり煮たりするよりも、電子レンジで温野菜にするなどの調理法がおすすめです。

食物繊維をとりすぎても問題ないのか

身体によい食物繊維は体内で消化されないため、とりすぎても問題ないのか気になるかもしれません。
普通の食生活では、食物繊維をとりすぎることはほとんどありません。
ただし、しっかり食物繊維をとろうと意識するあまり、サプリメントなどで大量にとりすぎてしまう可能性はあります。あまりにも過剰に食物繊維をとると、ミネラルなどの吸収を妨げる場合があるので注意が必要です。

食物繊維の効果・働き

食物繊維をしっかりとると、身体にはどのようなよい効果があるのでしょうか。
メリットを意識することで、摂取量の向上に繋がります。

整腸作用 (便秘解消)

食物繊維を摂取する最大の効果は、整腸作用です。
そして腸内環境の改善は、便秘の解消だけでなく、さまざまな効果に繋がっています。例えば肌荒れの改善、肥満の予防とダイエット効果、免疫力の向上など、うれしいことばかりです。
腸内環境を改善することの効果や具体的な方法については、こちらの記事でも詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

便秘解消に効果的な食べ物・飲み物|タイプ別の原因と対策を紹介
腸活とは?腸内環境を改善するための生活習慣 (食事・運動・睡眠) について解説

血糖値の上昇を抑える

水溶性食物繊維には、糖を吸着して体外に排出する働きがあります。また、ゼリー状になって食べ物の粘り気を強くする効果もあり、胃から腸への移動・栄養の吸収が緩やかになるので、血糖値の急上昇を防ぐことが可能です。
糖を多く含む主食よりも前に、食物繊維を豊富に含む野菜などから食べ始めるように気をつけてみましょう。糖尿病の予防や改善が期待できます。

血中コレステロール濃度を下げる

水溶性食物繊維には、脂質(中性脂肪やコレステロール)を吸着して体外に排出する働きもあります。血中コレステロール濃度を下げる効果があるので、脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)の予防や改善が期待できるのです。

満腹感を得られて、食べすぎを防げる

不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して膨らみます。そのため満腹感を得やすく、食べすぎを防止できるのがメリットです。また、食物繊維は栄養として吸収されにくく低カロリーなので、ダイエットの強い味方と言えます。

まとめ

食物繊維をたっぷり含む食べ物を日々の食事にとり入れると、身体にうれしい効果がたくさんあります。
まずはこれまでの食生活に、毎日3~4gの食物繊維をプラスするよう意識することがおすすめです。
自分に合った継続できる方法で、しっかり食物繊維をとる習慣をつけていきましょう。

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