サルコペニアとは?原因・症状・予防法やフレイルとの違いを解説
「運動機能が低下してきたし、サルコペニアかも...」サルコペニアは、加齢などの原因により筋肉量が低下してしまう病気です。サルコペニアが進行してしまうと転倒しやすくなったり、結果的に要介護状態になってしまう場合もあるため早めの予防が必要。この記事では、サルコペニアの原因や症状、フレイルやロコモなど似たような病気とサルコペニアとの違い、お家でできるサルコペニアの予防法などをわかりやすく解説していきます。
漢方の製薬会社「再春館製薬所」発|「歩みのゼリー」
歩みのゼリーは、中高年の「歩く力の向上」に役立つとともに、お腹まわりの「脂肪を消費・減少」させ、年齢に負けないしなやかな体づくりをサポートする、機能性表示食品です。
再春館製薬所が漢方の知見を活かし、機能性関与成分である「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の他、高麗人参の中でも特に希少で品質の良い「長白参エキス」を配合。
さらに、筋肉づくりに欠かせない必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」に加え、スーパーアミノ酸と称される「シトルリン」や「アルギニン」によって、ハリのある活動的な毎日をサポートします。
おいしくさわやかな紅茶風味のスティックゼリーで、1本食べることで普段の「家事」「仕事」「散歩」といった行動を、効率的に「歩く力の向上」と「お腹の脂肪対策」につなげます。
サルコペニアとは
サルコペニアとは加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下する現象です。
1989年に始めて提唱されたサルコペニアは、その後2010年に欧州老年医学会などの研究グループ、EWGSOP(The European Working Group on Sarcopenia in Older People)によって次のように定義されました。
「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、生活の質の低下、死のリスクを伴うもの」
その後、2016年には、世界保健機関(WHO)が要介護リスクや、死亡リスクが高まるとして「国際疾病分類第10版(ICD-10)※」に認められた国際疾病となっています。
※世界保健機関(WHO)が、世界中の疾病や障害および死因の統計分類として作成したもの。正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」
サルコペニアには大きく分類して二種類に分かれており、それぞれ「一次性サルコペニア」「二次性サルコペニア」があります。
それぞれ見ていきましょう。
一次性サルコペニア
一次性サルコペニアとは「加齢」が原因となって起こる筋肉量の減少や筋力低下現象です。
私たち人間の筋肉量は、20歳から徐々に減少していきます。
そして50歳を過ぎると途端に筋肉量が大きく減少しはじめ、高齢と呼ばれる年齢の頃にはサルコペニアが起こるリスクが若い頃と比較して高くなります。
そのため、年齢を重ねて「物を持ったり握ったりする力が弱まった気がする」と感じた際はサルコペニアの可能性を疑い、予防や治療を受けることが大切です。
二次性サルコペニア
二次性サルコペニアとは「活動」「栄養」「疾病」のいずれか、またはすべてを満たして起こる筋肉量の減少や筋力の低下現象です。
- 「活動」長期的な寝たきり状態や不活発な生活習慣など
- 「栄養」栄養の吸収不良や消化管疾患など
- 「疾病」がんなどの悪性腫瘍や、重症臓器不全など
一次性サルコペニアの場合、原因が加齢ということで「年齢を重ねた方」「高齢者」に起こるというイメージがあります。
一方、二次性サルコペニアは3つの要素、またはいずれか1つの要素によって起こると考えられています。
したがって、年齢や性別に関係なく「運動不足」や「ダイエットによる栄養の偏り」などを原因として起こる可能性もあるため、注意が必要です。
サルコペニアの主な3つの症状
サルコペニアによって起こる主な3つの症状は次のとおりです。
- 身体機能の低下
- 筋力低下
- 筋量減少
ここでは、それぞれの症状に関して解説します。
身体機能の低下
サルコペニアによって起こる症状の1つ目は「身体機能の低下」です。
筋肉量が減少し筋力が低下することによって「歩く速度が遅くなる」「外出時、杖や手すりが必要なる」など身体機能の低下が起こります。
身体機能の低下を確認する方法は「SARC−F(スクリーニングツール)」を活用します。
「SARC−F(スクリーニングツール)」で確認するのは以下の5項目です。
「筋力」「歩行時の補助」「椅子からの起立」「階段をのぼること」「転倒」の4つから回答を点数化し、身体機能の低下を確認します。
質問は合計10点満点で評価され、4点以上を超える場合はサルコペニアと考えられます。
この「SARC−F(スクリーニングツール)」は病院の受診基準としても利用できるため、ぜひ試してみてください。
筋力低下
サルコペニアによって起こる症状の2つ目は「筋力低下」です。
加齢や複数の原因によって身体全体の筋肉量が減少し筋力が低下します。
サルコペニアによる筋力の低下を確認する方法は「握力テスト」です。
- 男性:28kg未満
- 女性:18kg未満
男性が28kg未満、女性で18kg未満と設定されています。
双方の数値は、平成27年にスポーツ庁が発表した「平成27年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について」の中にある「加齢に伴う握力の変化」と比較しても低いです。
年齢 | 握力(男子・kg) | 握力(女性・kg) |
---|---|---|
20〜24歳 | 46.33 | 27.79 |
25〜29歳 | 46.89 | 28.27 |
30〜34歳 | 47.03 | 28.77 |
35〜39歳 | 47.16 | 29.34 |
40〜44歳 | 46.95 | 29.35 |
45〜49歳 | 46.51 | 29.31 |
50〜54歳 | 45.68 | 28.17 |
55〜59歳 | 44.69 | 27.41 |
60〜64歳 | 42.85 | 26.31 |
70〜74歳 | 37.36 | 23.82 |
75〜79歳 | 35.07 | 22.49 |
そのため、握力が基準値を満たしていない場合、サルコペニアで起こる症状があらわれている可能性も考えられるでしょう。
筋量減少
サルコペニアによって起こる症状の3つ目は「筋量減少」です。
筋肉を維持するためには、筋肉の材料となるタンパク質の摂取や、タンパク質の材料となる必須アミノ酸などの栄養が必要です。
高齢者は「同化抵抗性(anabolic resistance)」と呼ばれる反応が存在しており、筋タンパク質の合成作用が若年者と比べて弱い可能性があります。結果、若年者と同じ量のタンパク質やアミノ酸を摂取しても、高齢者の方が骨格筋が合成されづらいと考えられています。
くわえて、年齢を重ねると食も細くなり、筋肉に必要な栄養の摂取量も減ります。
これらの点から、同化抵抗性と栄養不足によって筋肉の合成機能が低下し、それに伴って筋量が減少してしまうと考えられているのです。
サルコペニアによる筋量減少を確認する方法は、次の2種類です。
- 生体電気インピーダンス法(BIA法)
- 二重エネルギーX線吸収法(DXA法)
2つのうち、いずれかの方法を活用して両腕前脚の筋肉量を算出します。
そして算出した結果を身長(m2)で補正した数値を「骨格筋指数(SMI)」と呼びます。
以下の表は、2つの方法で男女別の両腕前脚の筋肉量を表しています。
骨格筋指数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
BIA法 | 7.0kg/m2未満 | 5.7kg/m2未満 |
DXA法 | 7.0kg/m2未満 | 5.4kg/m2未満 |
骨格筋指数(SMI)は自宅で確認できないため「SARC-F」や「握力テスト」でサルコペニアではないか?と感じたら一度病院での受診を検討してください。
サルコペニアの診断基準
サルコペニアの診断基準は次の3つです。
診断基準 | 診断方法 |
---|---|
歩行速度測定 | 1秒あたり 0.8 m〜1m未満 |
握力測定 |
|
筋肉量測定 | BIA法またはDXA法 |
歩行速度の指標には「歩行者専用の信号が青信号の間に渡り切れるか」が挙げられます。
また、握力測定や筋肉量測定は、それぞれ先ほど3つの症状で解説したとおりです。
サルコペニアと診断するためには、筋肉量が低下していることが必須条件であり、筋力と身体機能の低下のいずれかが低下している場合は「サルコペニア」です。
一方、どちらも低下している場合は「重症サルコペニア」と診断されます。
サルコペニアの場合、適切な栄養管理と運動などを行い、進行を防ぐことを目的とする治療が行われます。
しかし、重症サルコペニアの場合、寝たきりや嚥下障害などの要介護、死亡リスクが高まるため、早急な治療と対策が必要です。
サルコペニアの原因
サルコペニアの原因は「一次性」「二次性」によって異なります。
サルコペニア | 原因 |
---|---|
一次性 | 加齢 |
二次性 | 「活動」「栄養」「疾病」のいずれか、またはすべて |
それぞれ原因は異なりますが、サルコペニアで起こる症状は同様です。
性別や年齢に関係なく起こる可能性があるサルコペニアは、早い時点での予防や治療によって進行を防げるよう、日常生活でのちょっとした異変も見逃さないようにしましょう。
また、少しでも「おかしいな?」と感じた場合は、年齢のせいだからと解釈せず、一度病院を受診することが大切です。
サルコペニアと肥満の合併症「サルコペニア肥満」とは
サルコペニア肥満とは「筋肉が減少している状態」と「肥満」の両方を併せ持った状態のことを指す言葉です。
サルコペニア肥満になる原因は、運動不足やダイエットによる栄養の偏りが挙げられます。
サルコペニア肥満の診断基準は、次のとおりです。
診断基準
- BMI高値またはウエスト周囲長、サルコペニアの臨床症状や質問票(SARC-F)でスクリーニングを行う。
- 握力または立ち上がりテストで骨格筋の機能を評価する。(サルコペニア診断基準)
- 握力低下などのサルコペニアで生じる症状があれば、体組成を評価する。
- 過剰な脂肪量と骨格筋量の低下があればサルコペニア肥満の診断が確定する。
筋肉量の減少による筋力低下と、脂肪量が増えた状態になるサルコペニア肥満は、見た目で判断することが難しいという問題があります。
また、サルコペニア肥満になった状態から長期間気づかないままでいると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
サルコペニアを見分ける3つの方法
次はサルコペニアを見分ける3つの方法を解説します。
- 片足立ち
- ふくらはぎをチェックする
- 歩行速度を計測
片足立ち
サルコペニアを見分ける方法の1つ目は「片足立ち」です。
片足立ちは身体のバランス能力に関してチェックします。
開眼片脚立位テストと呼ばれる方法で、やり方は次のとおりです。
- 素足になって滑りにくい床の上に立つ。
- 腰に手をあてて立ちやすい方の足で立つ。
- 片足を床から5cmほど高く上げて立っていられる時間を計測する
片足立ちの状態が1分間維持できれば、サルコペニアの可能性は低いと考えられています。
一方、片側でも維持できた時間が15秒未満で注意、8秒以下だと要注意です。
維持できた時間が短い程、身体機能が低下していると考えられるため、サルコペニアの可能性が高いと考えられます。
ふくらはぎをチェックする
サルコペニアを見分ける方法の2つ目は「ふくらはぎをチェックする」です。
サルコペニアによって起こる筋肉量の減少は、ふくらはぎに現れやすく、筋肉が衰えると過度に痩せ、細くなるため、目で見てチェックしやすい方法です。
ふくらはぎでのチェック方法は「指輪っかテスト」を活用します。
- 両手の親指同士と人差し指同士をそれぞれ合わせて輪っかを作る。
- 作った輪っかで、利き足ではないふくらはぎの一番太い部分を囲む。
指輪っかテストの結果からサルコペニアの可能性が高い順を並べてみます。
- 隙間ができた(両手の輪っかよりもふくらはぎが細い)
- ちょうど囲める
- 囲めない
1の状況が最もサルコペニアの可能性が高いとされており、なるべく早い時点で病院の受診が必要です。
2や3の場合、サルコペニアの可能性は低いと考えられますが、ご自身で筋力の低下を感じる場合は、一度病院を受診して医師へ相談してみることをおすすめします。
歩行速度を計測
サルコペニアを見分ける方法の3つ目は「歩行速度を計測」です。
サルコペニアの診断基準でもある歩行速度の測定は、歩くスピードの速度を計測します。
5m歩行テスト以外にも、6m歩行テストや10mテストなどを行う病院もあります。
歩行速度の計測方法は次のとおりです。
- 5mの距離を「いつも歩いているように歩く」
- 5mの距離を「できるだけ速く歩く」
5m歩行テストは、5mの距離を何秒で歩けるかを測定するテストです。
歩行速度の基準は1秒あたり0.8m〜1m未満で、2回の5m歩行テストの結果が5秒より遅い場合はサルコペニアの可能性が疑われます。
サルコペニアとフレイルの違い
フレイルは「身体的」「精神」「心理的」「社会的」な衰弱・衰弱が起こった状態です。
名称 | 定義 |
---|---|
サルコペニア | 加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下 |
フレイル | 加齢に伴って身体以外にも「精神」「心理的」「社会的」な衰弱や虚弱を含む |
双方の共通点は「進行すると要介護状態になる可能性があること」です。
また、フレイルはサルコペニアとは異なり身体以外の広い範囲に起こる虚弱や衰弱の概念であり、適切な治療を行わなかった場合、サルコペニアに移行する可能性もあります。
サルコペニアとロコモの違い
サルコペニアと似たイメージを持つものには、フレイル以外にもロコモ(ロコモティブシンドローム)も挙げられます。
名称 | 定義 |
---|---|
サルコペニア | 加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下 |
ロコモ(ロコモティブシンドローム) | 「骨や関節の病気」「筋力の低下」「バランス能力の低下」が起こり、転倒・骨折しやすくなることで介護が必要となるリスクを伴う |
ロコモは「骨や関節の病気」「筋力の低下」「バランス能力の低下」など運動器の障害によって日常生活での自立度が低下する状態のことです。
サルコペニアが筋肉量の減少による筋力低下が起こるのに対し、ロコモは骨折など骨が原因になるものや変形性関節症などの関節が原因となるものも挙げられます。
ロコモもフレイルと同様、進行すると要介護状態になるリスクがあります。
この3つは、いずれか1つが起こった後に別の症状が発生するという可能性も大いにあるため、少しでも体調不良や異変があれば病院の受診が大切です。
サルコペニアになりやすい人とは
サルコペニアには、性別や年齢関係なく起こる可能性があります。
しかし、中でもサルコペニアになりやすい人として65歳以上の高齢者が挙げられます。
東京都健康長寿医療センター研究所の北村明彦研究部長らの研究グループは、日本人の一般高齢者1,851人の約6年間の追跡研究により、サルコペニアの有病率、関連因子、死亡・要介護化リスクを明らかにしました。
75~79歳では男女ともに約2割、80歳以上では男性の約3割、女性の約半数がサルコペニアに該当し、サルコペニアになると死亡、要介護化のリスクがいずれも約2倍高まることがわかりました。
加齢によって筋肉量の減少が加速していることや、必要な栄養の不足などを原因として、65歳を超えた高齢者にサルコペニアが起こるというケースは多いでしょう。
しかし、サルコペニアには一次性と二次性があるように、加齢だけを原因として起こるものではありません。
「自分はまだ若いから大丈夫だろう」と安易に考えず、元気なうちからサルコペニア予防や対策の計画を立てておくことが大切です。
サルコペニアの3つの治療法
サルコペニアの治療法は次の3つが挙げられます。
- 食事療法による治療
- 運動療法による治療
- 薬物療法による治療
ここでは、それぞれの治療法について解説します。
(1)食事療法による治療
食事療法による治療は、筋力低下を防ぐために必要な栄養成分を適量摂取することによってサルコペニアで起こる症状を予防・治療する治療法です。
筋肉の材料となるタンパク質はもちろんのこと、筋肉の萎縮を防ぐと報告されているビタミンDなどの栄養成分を摂取して治療を行います。
期待できる効果 | 食材 | 1日の推奨摂取量 | |
---|---|---|---|
タンパク質 | 筋肉量の低下を防ぎ、筋力の維持や改善 |
・肉類 |
1日に適正体重の1kgあたり1.0g以上 筋肉を増やす場合は1kgあたり1.2~1.5g |
ビタミンD | 筋肉の萎縮を防ぐ |
・魚介類 |
1日8.5μg |
必須アミノ酸 (バリン・ロイシン・イソロイシン) |
筋肉量を増やしたり、維持したりする |
・チーズ |
バリシン:1日26mg |
ほかにも、筋肉づくりに欠かせない成分として、筋タンパク質を構成する成分である必須アミノ酸が挙げられます。
必須アミノ酸は人間の身体では作ることができない9種のアミノ酸です。
中でも筋肉量を増やしたり、維持したりするために役立つ成分として「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の必須アミノ酸3種があります。
これらの成分が豊富に含まれた食べ物をバランス良く摂取することが、サルコペニアの進行を防ぐために大切です。
(2)運動療法による治療
運動療法による治療とは、日常的に有酸素運動や、病院でのリハビリ、レジスタンス運動(筋トレ)などを行い、筋肉量を増加・維持させる治療法です。
運動 | 期待できる効果 |
---|---|
有酸素運動(リハビリも含む) |
|
レジスタンス運動(筋トレ) |
|
レジスタンス運動(筋トレ)とは、自分の体重やゴム製のチューブなどを用いて負荷をかけて行う運動療法です。
このレジスタンス運動(筋トレ)を行った研究報告によれば、平均年齢90歳(86最〜96歳)の高齢者でも筋肉量の増加と筋力アップが認められたとされています。
また、日常的なウォーキングによる有酸素運動やリハビリ、レジスタンス運動(筋トレ)と、食事療法を組み合わせることで、筋肉量の減少や筋力低下を防ぐ効果が期待できます。
(3)薬物療法による治療
薬物療法は、サルコペニアの予防、治療に効果が期待できる薬剤の摂取を行う方法ですが、2023年現在、有効な薬は開発されていない状態です。
いままでに様々な研究が繰り返され、過去にはSARM(selective androgen receptor modulator)と呼ばれる薬剤研究が行われたことがあります。
使用されたSARM(MK-0773)は、アンドロゲン補充療法にて利用されている薬です。
男性ホルモンのアンドロゲンによる働きを模倣して筋肉の強化を目的としました。
その結果、骨格筋量と筋力が上昇したという報告もあったものの、対象者がサルコペニア患者の高齢者ではなかったり、骨格筋量が上昇しても筋力や歩行速度の改善報告はなかったりなど、エビデンスの低さが懸念点といえるでしょう。
SARM以外にも、牛車腎気丸と呼ばれる漢方薬や、経口糖尿病治療薬の1つであるメトホルミン、筋肉の萎縮を防ぐビタミンDを配合した活性型ビタミンD3製剤など、さまざまな成分がサルコペニアの治療に利用できないかと考えられていますが、未だ開発には至りません。
成分・薬 | 特徴 |
---|---|
牛車腎気丸 |
・漢方薬の一つで、骨粗しょう症や脱毛、腰痛などに用いられる。 |
SVペプチド |
・大阪大学医学系研究科の濱田・松浦氏が発見した成分。 |
補中益気湯 |
・漢方薬の一つで、夏やせやかぜ、食欲不振など幅広い治療に用いられる。
|
メトホルミン |
・経口糖尿病治療薬の一つ。 |
人参養栄湯 |
・漢方薬の一つで、貧血、手足の冷え、病後の体力低下などに用いられる。 |
活性型ビタミンD3製剤 |
・骨粗しょう症の治療薬として用いられる。 |
そのため、現時点でのサルコペニア治療は「食事」「運動」の2つを組み合わせた方法がメジャーな治療法といえるでしょう。
お家でできるサルコペニアの予防法2選
次はお家でできるサルコペニアの予防法を2選紹介します。
栄養バランスの良い食事をとる
ここまでで解説したとおり、サルコペニアを予防するためには筋肉量の減少や筋力の低下を防ぐ効果が報告されている栄養成分の摂取が必要です。
タンパク質やビタミンD、必須アミノ酸などの栄養成分をバランス良く食事に取り入れることによってサルコペニアの予防につながります。
ただし、栄養の摂り過ぎはサルコペニア肥満を引き起こすリスクも考えられます。
食事で予防を始める際は、サルコペニア外来やかかりつけの病院を受診して効率良くサルコペニアを予防できるよう計画を立てることが大切です。
筋力トレーニングを行う
栄養バランスの良い食事以外にも、筋肉を維持させたり、増やしたりするためには適度な運動も必要です。
また栄養成分でも解説したビタミンDは、皮膚が紫外線を浴びることでも摂取できます。
これは皮膚にあるプロビタミンD3(前駆体)と呼ばれる物質が、紫外線を浴びることによって体内でビタミンDへ変わる作用があるからです。
もちろん、過度に紫外線を浴びることは良くありませんが、家の庭や公園などで軽い筋力トレーニングをするだけでも、サルコペニア予防に役立つ成分を摂取し、筋肉の維持や増やす効果も期待できます。
筋力トレーニングはもちろんのこと、最初は身体を慣らすために散歩へ出かけるなど、少しずつ身体を動かしていけばサルコペニア予防につながります。
サルコペニアは若年でもなり得る
本記事でも解説したとおり、サルコペニアは高齢者だけに起こる現象ではありません。
ダイエットで食事制限をしていたり、リモートワークなどによって運動不足になったりすれば、40代などの若い世代でもサルコペニアになる可能性は大いに考えられるでしょう。
また、サルコペニアには特効薬と呼べるものがありません。
食事療法や運動療法も、サルコペニアの進行を防ぎ、予防することはできても完治させることはできないため、早い時点で予防、治療を始めることが非常に大切です。
「ペットボトルの蓋が開けづらくなった」「最近歩くスピードが遅くなったと言われる」など、ご自身の感覚や周囲から指摘されることがあれば、一度病院の受診をおすすめします。
歩みのゼリーは、中高年の「歩く力の向上」に役立つとともに、お腹まわりの「脂肪を消費・減少」させ、年齢に負けないしなやかな体づくりをサポートする、機能性表示食品です。
再春館製薬所が漢方の知見を活かし、機能性関与成分である「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の他、高麗人参の中でも特に希少で品質の良い「長白参エキス」を配合。
さらに、筋肉づくりに欠かせない必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」に加え、スーパーアミノ酸と称される「シトルリン」や「アルギニン」によって、ハリのある活動的な毎日をサポートします。
おいしくさわやかな紅茶風味のスティックゼリーで、1本食べることで普段の「家事」「仕事」「散歩」といった行動を、効率的に「歩く力の向上」と「お腹の脂肪対策」につなげます。
まとめ
本記事では、近年問題視されているサルコペニアについて解説しました。
サルコペニアは高齢者だけがなるものだと思われがちですが、原因は様々で40代などの若い世代でも起こる可能性があるため、注意が必要です。
本記事を参考に、定期的なサルコペニアのセルフチェックや予防、治療でいつまでも健康に歩ける元気な身体を維持しましょう。