つむぎ

研究開発 佐藤

原料研究は、万に一つの可能性を探し求める、私たちのものづくりの原点です。

2024.01.12
この記事は4分で読めます
研究開発部・研究探索チーム:佐藤岳

2014 年の入社以来、研究開発部で原料開発や自己回復力の研究などに従事。数多くの独自原料開拓に携わり、今も様々な植物を分析しながら、新たなる可能性の発見に挑みつづけている。

50年、自然が秘めている無限の可能性を紐解きつづけてきました。

1974年、国内で初めてコラーゲンを配合したクリームをつくったときから、再春館製薬所には、変わることなく受け継がれている原料との向き合い方があります。

それは、「天(自然)と人は一体のものである」という天人合一の考えに基づいて、自然の恵みを人の力とするために、一つひとつの原料に徹底的にこだわり抜くこと。育った土地はもちろん、どんな人にどのように育てたられたのかにまでこだわるのは、原料の持つ力を最大限に活かすものづくりをする者の責任です。歴代の製品開発担当は、その責任を担いながら、人を深く癒し、力を与えてくれるものを自然の恵みの中に探り、その力を研究し続けてきました。

他の基礎化粧品では体験できない、ドモホルンリンクルの働きかけ、肌にもたらす違いは、半世紀をかけて、自然が秘めている可能性を紐解き続ける中で手に入れてきた原料によるものです。

数百種をふるいにかけて「一つ」も見つからない。それが普通なんです。

原料選びのスタートは、世界中の研究や伝承などを頼りに、研究する植物を選び出すことから始まります。毎年、100種以上の植物を分析しますが、2年半の間、原料として有望なものが一つも見つからないこともありました。

数百種をふるいにかけても、「これは!」と思える一つに出合えることは滅多にありません。再春館製薬所ではそれが普通で、研究開発に携わってきた先輩方から受け継いだ流儀です。稀に有望なものが見つかっても安全性に不安があったり、そこをクリアしても、配合後の安定性が得られなかったり。もう一歩のところで断念したものなど、振り返るとドモホルンリンクルになれなかった原料候補は数えきれないほどありました。

それだけに独自原料になったものと出合ったときは、万に一つの可能性を「ついに!」という途轍もなく大きな喜びを感じるんです。長くドモホルンリンクルに配合されてきたコラーゲンも、もう50年以上もしつこく探り続けてきましたが、まだまだ掘り尽くせない可能性があると感じています。

原料が秘める力を探し求める毎日。徹底的に調べ尽くしたと思っていた原料から、未知の働きや新しい驚きが見つかることも。

不知火菊は肌だけでなく、人の運命を左右するほどの力を秘めています。

私たちが見つけた16種の独自原料の中で、50周年の記念マークに選んだものが不知火菊です。コラーゲンや長白参など、これまでの半世紀を支えたものでなく、あえて不知火菊をあしらっているのは、この花が、ドモホルンリンクルの次の50年を拓く可能性に満ち溢れていると考えているからです。

熊本の不知火地方だけで栽培されていたこの花には、驚くべき力ありました。その力は肌だけでなく、人の運命を左右するほどのインパクトを秘めています。

ただ、2 0 1 5 年のリニューアルの際、原料として配合するまでに、実は3年もの時間がかかりました。なぜかというと、必要な量を確保するためには、栽培する土地の広さや生産者の人数が足りなかったためです。当時は私をはじめ再春館製薬所の社員が不知火まで行き、畑を耕し栽培や収穫までを手伝う必要がありました。

熊本県宇城市不知火町の契約農家で、大切に育てられている不知火菊。昨年11月の収穫にも、社員が集って参加しました。

不知火菊は、生産者や地域の人々の連携によって、地域活性化につながる作物に成長しました。今でも収穫時には社員が集って手伝いに行き、年々深まる地域の人とのつながりを感じています。自然の恵みを人の力にする私たちのものづくりにとって、原料こそがもっとも重要な原点。そういう想いがあるから、ここまでこだわれると思っています。

これからも、変わらない原料への想いを持って、見出したものの可能性をさらに探りながら、これまでにない力を秘めた原料との出合いを求めて、研究を続けていきます。

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