漢方の医薬品・化粧品の再春館製薬所

報道関係者

2015年10月21日
再春館製薬所 NR15-003

熊本大学医学部との共同研究
Angptl2(アンジオポエチン様因子2)の皮膚に与える影響

世界初「加齢加速タンパク」に関する皮膚科学研究と抑制生薬の発見

研究成果を今冬発売予定の製品へ応用

株式会社再春館製薬所(本社:熊本県上益城郡益城町 代表取締役社長:西川正明 以下、再春館製薬所)は、このたび熊本大学医学部(分子遺伝学研究室 尾池雄一教授)との世界初となる、皮膚科学分野におけるAngptl2 (アンジオポエチン様因子2)研究および同抑制生薬に関する研究成果を今冬発売予定のリニューアル製品に応用することを発表いたします。

「加齢加速」の性質を持つ、Angptl2(アンジオポエチン様因子2)の存在

取りまく環境に変化があっても、人体には常に体内環境を快適な一定状態に保とうとする「恒常性の維持」という機能が備わっています。しかし、この機能に異常をきたすと、生活習慣病やガンなど様々な病気の原因になると言われています。そしてこのAngptl2も、身体の恒常性を維持する重要なタンパク質ですが、過剰に増加することで老化を加速し、動脈硬化やメタボリックシンドローム、ガンの発生や転移を誘発するという微弱炎症を起こす存在として知られていました。

2011年に始まった同研究の第一人者である尾池教授との共同研究では、一見して遠いこの全身の健康障害と皮膚老化が、共通の原因・ Angptl2によって引き起こされるという事実が既に明らかになっています。2013年6月に行われた第13回日本抗加齢医学会総会では、本来は皮膚でも組織を正常に保とうと機能するAngptl2が紫外線や加齢に伴い必要以上に増加してしまった結果、老化やシワの促進につながる炎症系物質の誘導、コラーゲンを破壊する酵素が活性化してしまうという研究データを発表(図1)。皮膚上でAngptl2が過剰に働くことで、皮膚の老化・シワ形成が進むことを示唆しました。

再春館製薬所はこれらの特徴から、過剰なAngptl2は「皮膚の老化」を加速する原因と位置づけ、同タンパク質を「加齢加速タンパク」と名付けてさらなる研究を重ねてまいりました。
近年にかけては、この「加齢加速タンパク」が増えた皮膚において、活性酸素の増加・DNAを修復する酵素量の低下なども確認。熊本大学医学部の研究では、お肌内部で酸化した老廃物が増えたり、DNAが傷ついたまま必要なものがつくられないことで、お肌の弾力に関連するコラーゲンの生産低下につながると明らかになったことから、「加齢加速タンパク」が皮膚の老化・シワ形成を増進するという可能性の高さが指摘されています(図2)。また、血中における「加齢加速タンパク」の加齢に伴う増加、および皮膚の露光部における同物質の誘導も明らかになっており、皮膚の老化への関与が改めて示唆されました。
さらに2015年には、同タンパク質がメラニン刺激物質を増加させることも確認。シワのみならず、シミを形成する要因でもある可能性も視野に入れ、鋭意研究を進めています。

皮膚上の「加齢加速タンパク」を抑制する、
幻の生薬“肌年齢を解き放つ花” 不知火菊(しらぬいぎく)の発見

また、再春館製薬所はこの「加齢加速タンパク」の過剰な発現を抑制する植物原料を探求。400以上のスクリーニングの末、実証データで発現量を約80%抑えることのできる植物生薬を見出しました。
その植物は、熊本・不知火地方に伝わる、通称・不知火菊(しらぬいぎく)と呼ばれる、近年まで学名登録もされていなかった花でした。栽培が難しく、現存する株数もあまり多くありません。民間で「花びらを煎じて飲むと重い病にも……」と民間薬のお茶として伝承的に珍重されてきたその植物の生命力は、土の養分を吸い尽くすため連作ができないほどです。
この不知火菊から抽出したエキスが「加齢加速タンパク」を抑制することでシワ・シミを防ぐ可能性を見出しました。

「老化を重ねない」肌のカギは「2つのタンパク質のバランス」

2011年、再春館製薬所は美容業界内でいち早く、やはり熊本大学との共同研究の「自己回復タンパク」と位置付けている、HSP(ヒート・ショック・プロテイン)についての研究成果を発表しています。 HSPはこのたびの「加齢加速タンパク」と対になる、ストレスに対して自己を守り再生させる性質を持つタンパク質。以降も研究を重ね、紫外線から細胞を保護してシワを抑制する働きのある「HSP70」とコラーゲン生成を促す「HSP47」に加え、2013年には新たに活性酸素の影響を取り除く働きを促す「HSP32」についての研究成果を製品に応用しています。
再春館製薬所がこのたびの研究成果で改めて注目するのは、これらのタンパク質の「増えることで老化を加速(アクセル)」「増えることで老化を減速(ブレーキ)」という両極性。それぞれの発生を意図的に「抑制」および「促進」させることで、若々しく健やかなお肌を保つことが可能になると期待します。

再春館製薬所がHSPやAngptl2の研究の先駆者であることは、「漢方の製薬会社」であることと深く関連しています。漢方とは本来、自分に備わる潜在力――自己回復力を生薬などの自然由来のエネルギーで高め、自身の力で健やかになることを助ける医学。また、1974年当時、火傷などの皮膚再生医療に使用されていたコラーゲンを日本で初めて基礎化粧品に応用したのは、製薬会社ならではの着眼点でした。
自身に備わるタンパク質と生薬の研究。一見、相反するこの最先端の皮膚科学研究と漢方は、同じ軸を持つものであり、再春館製薬所がそれらの融合である同研究に着手したことは、いわば必然の流れでした。
再春館製薬所は今の時代を自分らしく生き、美しく年齢を重ねていきたいと願う女性たちを応援し、積極的に「ドモホルンリンクル」の進化を追求して参りました。今冬発売予定のリニューアル[基本4点]には、満を持して当研究の成果を反映いたします。どうぞご期待ください。

年齢肌ひとすじの基礎化粧品として誕生以来41年。
再春館製薬所はシワ・シミのためにその時代のできることのすべてを込め、ドモホルンリンクルを進化させ続けてきました。
2015年冬、4年ぶりの[基本4点(保湿液/美活肌エキス/クリーム20/保護乳液)]リニューアルを迎え、ドモホルンリンクルはますますの進化を目指して、動き始めます。

お問い合わせ先

株式会社 再春館製薬所
広報部 渡辺真喜子
makiko.watanabe@saishunkan.co.jp
TEL:096-289-4444(代表)

以上

ページの先頭へ