それは「慢性痛」と呼ばれるものかもしれません。
漢方では、人の体は常に「炎症」が起きていると考えます。若い頃や体が健康な時は、それが自然に抑えられていますが、環境や加齢などにより、体のバランスが崩れ体質が変わると、炎症を抑えられなくなり、痛みとなって体に現れるのです。それが、何度も痛みをぶり返す「慢性痛」の原因です。
漢方では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素で成り立っており、その3つがバランスよく体内を巡っている状態が、「健康」だと考えられています。中でも「水」は痛みの原因である炎症を抑える火消しのような役割を果たします。
若い時や体が健康な時は、「水」は生命活動を支えるために、滞ることなく体を循環しています。しかし、年齢を重ねると、体の中に水分を保つ力が衰えたり、代謝が落ちることで、「水」の巡りが滞り炎症を抑えられず、体に痛みが現れやすくなっているのです。また、四方を海で囲まれた日本の気候・風土や、平均気温の上昇による外部環境の変化なども「水」の巡りが滞る要因にもなっています。「水」の巡りを整えてあげることが、痛み解消への近道と言えます。