フレイルとサルコペニアの違いとは?原因と予防法を徹底解説
「フレイルとサルコペニアってよく耳にするけど何が違うの?」とお考えの方へ。フレイルとサルコペニア、いずれも年齢を重ねると発症リスクが高まります。本記事では、フレイルとサルコペニアの違いや原因、予防法を徹底解説します。
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フレイルとサルコペニアって?違いは?
フレイルとサルコペニアは、いずれも加齢を原因として発症する可能性が高い状態です。
ここでは、フレイルの特徴とサルコペニアの特徴をそれぞれ解説します。
フレイルの特徴
フレイルとは「虚弱」や「老衰」「脆弱」を意味する言葉です。
厚生労働省研究班の報告書によると、フレイルは健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間であるとされています。
高齢者に発症しやすいと考えられていますが、近年40代〜50代の間で「プレ・フレイル」と呼ばれるフレイル予備軍が増えていることから年齢に関わらず予防することが大切です。
以下の記事では、フレイルに関してより詳しく解説しています。
サルコペニアの特徴
サルコペニアとは主に加齢を原因として筋肉量が減少し、筋力が低下する現象です。
サルコペニアには、加齢を原因とする一次性と加齢以外が原因の二次性があります。
高齢者に発症しやすいと考えられていますが、二次性サルコペニアのように生活習慣や食生活、疾病など年齢を問わず発症する可能性があるため、予防が大切です。
以下の記事では、サルコペニアに関してより詳しく解説しています。
フレイル・サルコペニアの原因
次は、フレイルとサルコペニアの原因を解説します。
フレイルの原因
フレイルの原因は栄養の偏りや運動不足、精神的要因、社会からの孤立などさまざまです。
中でも食欲の低下によって起こる低栄養が筋肉量の減少につながるケースがあります。
以下の記事では、フレイルの原因をより詳しく解説しています。
フレイルの原因は?考えられる3つの原因と今日から始める3つの予防法を解説!
サルコペニアの原因
サルコペニアの原因は、一次性か、二次性かによって異なります。
サルコペニア |
原因 |
---|---|
一次性サルコペニア |
「加齢」が原因となって起こる筋肉量の減少や筋力低下現象 |
二次性サルコペニア |
「活動」「栄養」「疾病」のいずれか、又はすべてを満たして起こる筋肉量の減少や筋力の低下現象 |
サルコペニアを発症する原因として多いものは加齢のほか、運動不足や、偏った食生活により筋肉の材料となるタンパク質が不足することが挙げられるでしょう。
フレイル・サルコペニアの症状
次は、フレイルとサルコペニアで起こる症状を解説します。
フレイルの症状
フレイルには次のような症状が起こります。
- 大幅な体重減少(1年間で4.5kg又は5%以上)
- 疲れやすさを感じる(1週間で3~4日以上)
- 身体活動の低下
- 歩行速度の低下
- 握力の低下 など
他にも精神的に落ち込みやすいなど、状態によって症状が異なる点も特徴です。
以下の記事では、お家で気軽にフレイルをチェックできる方法を解説しています。
フレイルチェックリストとは?5つのチェック法でフレイル対策をしよう!
サルコペニアの症状
サルコペニアには次のような症状が起こります。
- ちょっとした動作でつまずき、転倒しやすくなる
- 力を入れる作業が難しい
- 青信号を渡り切れない
- ふくらはぎが細くなる など
他にも、サルコペニアとの関連性は解明されていませんが、疼痛を訴える方もいるようです。
以下の記事では、サルコペニアの症状を詳しく解説しています。
フレイル・サルコペニアを診断する方法
次は、フレイルとサルコペニアを診断する方法を解説します。
簡易的なセルフチェック方法
フレイルとサルコペニアの簡易的なセルフチェック方法に「指輪っかテスト」があります。
指輪っかテストは、自身の指を使ってチェックする方法です。
- ふくらはぎの一番太い部分に、両手の親指と人差し指を合わせるようにして輪を作る
- 指がしっかりと重なる・又はふくらはぎと輪の間にすき間ができる場合は、フレイル・サルコペニアの可能性が高い
指輪っかテストはお家でテレビを見ている時間や、椅子に座って本を読む時間など気軽に行えるチェック方法です。ぜひ試してみましょう。
以下の記事では、フレイルとサルコペニアのセルフチェック方法を詳しく解説しています。
フレイルとは?意味や症状・3つの予防法を簡単に解説!
サルコペニアとは?原因・症状・予防法やフレイルとの違いを解説
医療機関での診断
セルフチェックの結果でフレイルやサルコペニアの可能性があるのではないかと感じた方や、症状に心当たりがある方は医療機関で診断してもらうことが大切です。
フレイルとサルコペニアは、症状が進行すると寝たきり状態になるリスクがあるため、安易に自己判断するのではなく、医療のプロに相談して適切な診断を受けましょう。
以下の記事では、フレイルとサルコペニアの診断基準を詳しく解説しています。
フレイルの診断基準は?簡易フレイルチェックシートでセルフチェック!
サルコペニアの診断基準は3つ!自宅でできるセルフチェック方法も解説
フレイル・サルコペニアの予防法
フレイルとサルコペニアを予防するためには次の3つが大切です。
- タンパク質を含む栄養バランスの良い食事
- 筋トレや有酸素運動などの適度な運動
- ボランティア等、社会活動への参加
それぞれの予防法は、心身の健康を維持するためにも重要な要素となります。
以下の記事では、フレイルとサルコペニアの予防法を詳しく解説しています。
フレイルの予防法は3つ!早期予防で健康な心と体を維持しよう!
サルコペニアの予防に必要不可欠!食事と運動でアクティブなシニアを目指そう!
フレイル・サルコペニアの治療法
病院で行われるフレイルとサルコペニアの治療法は「食事」「運動」が主流です。
治療法 |
概要 |
---|---|
食事療法 |
タンパク質やビタミンDなど、医師による診察で必要とされる栄養素を摂取する |
運動療法 |
筋トレなどのレジスタンス運動や、有酸素運動などを行う |
フレイル・サルコペニアの治療薬として承認された薬剤はまだないため、食事と運動で症状を改善していくという流れとなります。
治療法は医師の診察を受けてから詳しい流れが決まるため、まずは一度病院を受診して適切な治療内容を提案してもらうことが大切です。
以下の記事では、フレイルとサルコペニアの治療法を詳しく解説しています。
フレイルの治療法は2つ!食事と運動、漢方で健康な心と体を維持しよう!
サルコペニア治療は「食事」と「運動」の2つ!治療法や治療薬・受診科を解説
自宅でできる!おすすめのレジスタンス運動
次は、自宅で簡単に行えるおすすめのレジスタンス運動を3つ紹介します。
レジスタンス運動とは、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のことで、筋トレなどが該当します。
- 上体起こし
- ハーフスクワット
- ランジ
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
上体起こし
1つ目のレジスタンス運動は「上体起こし」です。
上体起こしは、仰向けの状態から身体を持ち上げる動きで、正しい姿勢を保つために必要な腹直筋や、太ももや膝を上げるために必要な腸腰筋を鍛えられます。
- 丸めて筒状にしたバスタオルを胸の真下あたりに敷いて仰向けになる
- 両膝は90度に立てた状態を保つ
- 両腕を頭の後ろに沿えて肩甲骨が離れるまで上体を起こす
- 肘を広げながらゆっくりと仰向けの状態に戻して上体をそらす
- 10回繰り返して行う
タオルを置く位置が高すぎると首の曲げ伸ばしだけになるため、注意が必要です。
ハーフスクワット
2つ目のレジスタンス運動は「ハーフスクワット」です。
ハーフスクワットは、太ももの大きな筋肉「大腿四頭筋」や、太もも裏の筋肉「ハムストリングス」、おしりの筋肉「大臀筋」を鍛えられます。
- 両腕を前に伸ばし、床と平行に保つ
- 直立した状態から膝を30~40°に曲げた後、最初の姿勢に戻る
- この運動を10回繰り返す
この時、膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
最初は1回10セットから始めて、慣れてきたら他の筋力トレーニングとあわせて回数を増やしても良いでしょう。
ランジ
3つ目のレジスタンスは「ランジ」です。
ランジは「大腿四頭筋」や「大臀筋」など、日常生活動作で必要な筋肉を鍛えられます。
脚・股関節のトレーニング/下半身・脚の筋力強化≪おうち漢方≫
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両脚を肩幅に開き両手を腰に当ててまっすぐに立つ
(目線は真っすぐ前へ) - 背筋を伸ばして片方の脚を大きく前へ踏み出す
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後ろに下げた膝を曲げて、まっすぐ腰を落とす
(両足に同じくらいの体重がかかるように意識する) - 左右交互に5回ずつ繰り返す
運動を行う際は、前かがみになりすぎたり、後ろに体重が乗りすぎないよう、しっかりとお腹に力を入れることを意識してください。
フレイル・サルコペニアを放置するとどうなる?
フレイルやサルコペニア症状を放置すると、筋力が低下し日常生活動作が困難になります。
日常生活動作が困難になると、ちょっとした段差などにつまずいて転倒することも考えられることから、入院による安静などを経て介護が必要な状態になる可能性もあるでしょう。
他にも、筋力不足や心身的な問題で外出機会が減ると認知症リスクが高まります。
フレイルやサルコペニアを予防するためには、足腰を中心に鍛えられるトレーニングや、食事によるタンパク質・ビタミンDなどの摂取が大切です。
ロコモも似た病気?
ロコモ(ロコモティブシンドローム)は、運動器の障害が起こるために移動機能が低下した状態のことです。
移動機能の低下が生じることから、ロコモはフレイルやサルコペニアと似たものであると考える方もいますが、ロコモの進行は下肢の筋肉減少が始まる20代のころから始まります。
以下の記事では、フレイルとサルコペニア、ロコモの違いを詳しく解説しています。
まとめ
本記事では、フレイルとサルコペニアについて違いと原因、予防法を解説しました。
フレイルとサルコペニアは、発症すると心身にさまざまな症状が生じるため、早期に予防を始めることが大切です。
栄養バランスの良い食事や適度な運動を日常生活に取り入れたり、かかりつけの病院でフレイルやサルコペニアについて相談するなど、できることから始めていきましょう。
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