顔のたるみをとる意外な習慣とは、顔マッサージの見直しからスマホの使い方に至るまで、多岐にわたり存在します。

本記事では、顔のたるみに関係する8つの生活習慣、理想的な食習慣などを紹介するなかで、顔がたるみやすい人に一番効果的な習慣改善とは何なのか、顔のたるみが劇的に改善する方法はあるのかを考えていきます。

顔のたるみをとる意外な生活習慣とは？

「顔のたるみ対策」と聞くと特別なケアを思い浮かべがちです。しかし、何気ない日常の習慣を見直すだけでも効果は期待できますので、意外と知られていない顔のたるみをとる8つの生活習慣を今回は紹介します。

顔をこする癖をやめる

顔をこする習慣は、摩擦によってコラーゲンを減少させる上に、たるみを引きおこします。

顔の皮膚の厚さは、部位によって異なるものの平均2mm程度とされています。目の周りや口の周りは特に薄く約0.02mmしかありません。

ちょっとした摩擦でもダメージを受けるため、ゴシゴシこすったり、タオルで強くふいたりといった洗顔方法はあらためる必要があります。

洗顔では、指の腹で円を描くように優しくマッサージし、毛穴汚れを落としてください。顔をふく際には、タオルを優しく押し当てるだけで十分です。

過度な顔のマッサージを控える

洗顔時の摩擦と同じで、マッサージの力加減や方法を誤ると、顔の皮膚に負担がかかり、かえってたるみの原因になります。

自己流で強くこすったり、洗顔を繰り返ししたりせず、すべりの良いクリームを使い、羽毛で肌をなぞるような繊細なタッチを心がけます。マッサージの頻度も、1日1〜2回にとどめた方が無難です。

禁煙する

喫煙は、肌の老化を早め、たるみやシワの引き金になります。ニコチンの作用で血管が収縮し、肌への酸素や栄養の供給が滞り、コラーゲンの生成力が低下します。

タバコを吸っている人が禁煙をすれば血流が改善され、肌の代謝が活発になります。ハリや弾力が戻り、1カ月ほどで肌の変化を実感する人も少なくありません。

たるみ予防に加えて肌質の改善にもつながります。美肌を目指す人にとって禁煙は欠かせない習慣改善です。

スマホ姿勢を見直す

スマートフォンを下向きで長時間見ていると、顔の皮膚や脂肪が重力で下に引っ張られるため、たるみの要因になります。

うつむいた状態が続くと、フェイスラインの崩れや二重あごを引きおこすリスクも高まります。

画面を見るときは、目の高さまでスマホを持ち上げ、あごを引いて正しい姿勢を保ちます。

長時間スマホを使用する場合は、小まめに首を反らして、その都度天井を見たまま5〜10秒キープするように心がけます。

日常的に姿勢を意識すれば、顔周りの血行が促進され、自然なリフトアップ効果も期待できます。

睡眠前のスマホを控える

良質な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、肌の修復やコラーゲン生成を促進します。

しかし、寝る前のスマホ利用は睡眠の質を下げ、肌の回復を遅らせて、たるみを引きおこすきっかけとなります。

スマホの画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げ、肌の修復や再生に必要な深い眠りを妨げます。

従来は「22時〜2時が肌のゴールデンタイム」とされていましたが、近年の研究では、時間帯よりも「睡眠の質が重要」であると明らかになっています。

就寝2時間前にはスマホを遠ざけ、軽いストレッチや肩回しで心身をリラックスさせて、質の高い睡眠を目指します。

表情の癖を意識する

表情の癖を日ごろから意識すれば、顔の筋肉バランスが整い、たるみを防ぐ効果が期待できます。

たるみの原因となる表情の癖は次のような例が挙げられます。

• 無表情の時間が多い
• 片側だけでかむ

偏った表情パターンは、使われない筋肉を衰えさせます。筋肉の衰えは、顔全体のバランスを崩し、たるみやゆがみを引きおこします。

左右バランス良くかむ、口角を上げる、豊かな表情を心がけるといった意識を常にもちましょう。

鏡を見ながらの表情チェックも、表情の癖に気付くきっかけになりますし、自然な表情筋トレーニングにつながります。

下半身の「筋トレ」で血流を促す

全身の筋トレは意外にも、顔のたるみを防ぐために有効です。

筋肉を動かすと血流が促進され、酸素や栄養素が肌細胞に届きやすくなります。細胞の働きが活発になれば、肌の代謝や再生がスムーズに進み、ひいては顔のたるみの予防にもつながります。

特に下半身の筋肉を鍛えると、全身の血液循環が高まり、顔のたるみのみならず、顔色の改善にも効果が期待できます。週2〜3回、20〜30分のスクワットやウォーキングから始めましょう。

ストレス発散ルーティンをもつ

定期的なストレス発散の習慣は、ホルモンバランスを整え、肌の老化を遅らせる（たるみを予防する）効果があります。

逆に、ストレスを慢性的に抱えると、肌の水分保持能力を低下させるストレスホルモンの分泌が増え、結果としてたるみを加速させます。

週に数回の軽い運動、入浴でのリラックス、好きな音楽鑑賞など、自分に合ったストレス解消法を見つけて、ホルモンバランスを整えましょう。

ストレスが軽減されると表情も自然と明るくなり、表情筋の緊張もほぐれ、顔全体のたるみ予防にもつながります。

顔のたるみを改善する効果的な栄養素と食習慣

顔のたるみを防ぐためには、食習慣の見直しも大切です。

肌・筋肉・骨の健康を支える栄養素を意識的に摂取すれば、肌のハリが高まり、若々しい印象を維持できるようになります。

次の栄養素は特に、たるみ予防に効果的です。

美肌に欠かせないコラーゲンの生成には、タンパク質、ビタミンC、鉄分などの栄養素が必要です。

抗酸化作用のあるビタミンE不足は、活性酸素を増やし肌の老化を加速させます。

糖質や脂質中心の偏った食事、不規則な食事時間、極端なダイエットなども肌を老化させる要因です。現代人に多い野菜不足は、ビタミンやミネラルの不足を招き、肌のたるみを加速させます。

また、食事の際は、栄養価の高いものから順に食べると吸収効率が高まり、肌の老化を防げます。いわゆる「ベジファースト」のように、ご飯などの炭水化物ではなく、みそ汁や野菜から食べ始めてください。

肉、魚、卵、大豆製品、緑黄色野菜、果物、ナッツなどを毎日の食事に組み合わせ、栄養バランスを意識した食生活を心がけます。

顔のたるみの原因となる体の変化とは

生活習慣だけでなく、体内で起こる生理的な変化も顔のたるみの大きな要因となっています。本章では、顔のたるみがおこる3つの内的な要因を紹介します。

加齢によるコラーゲン減少

加齢によるコラーゲンの減少は顔のたるみの根本的な原因となります。

肌のハリや弾力を支えるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、40歳ごろから年々減少します。

コラーゲンやエラスチンが減少すると肌を支える力が弱まります。顔の皮膚や脂肪が重力に抗えなくなり、頬や口元、フェイスラインにたるみが生じます。

加齢による変化は避けられませんが、適切なスキンケアと生活習慣の改善によって進行を緩やかにできます。

表情筋・靭帯（じんたい）の衰え

30以上の表情筋が顔には存在し、肌と皮下組織に直接的に付着して、豊かな表情をつくっています。

しかし、加齢や長時間の無表情により筋力が低下すると、頬やフェイスラインにたるみとして現れます。

同時に、皮膚と表情筋の位置を安定させるために、顔の要所要所に複数存在するリガメント（靭帯）も年齢とともに緩みます。リガメントの緩みも顔のたるみを加速させる要因となります。

スマートフォンなどの使用により表情を使う機会が減少した現代では、若い世代でも表情筋の機能低下が顕著です。

脂肪の位置の変化

加齢による脂肪の位置の変化も顔のたるみと深く関係しています。

皮下脂肪を支えるリガメントや表情筋が年齢とともに衰えると、頬などの高い位置から口元やあご周りへ、重力の影響で顔の脂肪は徐々に下がっていきます。

加齢による代謝の低下や生活習慣の変化により、体重が急激に変化した場合も注意が必要です。体重の急な増減によって、皮下脂肪が増えたり、皮膚が余ったりすると、たるみに変わります。

更年期以降は骨密度も低下します。顔の骨自体がやせて小さくなると、皮膚や皮下脂肪がたるみとして現れます。

まとめ｜顔のたるみをとる意外な習慣を組み合わせると一番効果的

季節や天候にかかわらず紫外線の対策を心がけ、これまでに紹介した生活習慣の改善を組み合わせると、顔のたるみをとる一番効果的な改善策になると考えられます。

セルフケアやマッサージだけで劇的な効果を期待するのではなく、毎日のちょっとした習慣の組み合わせを通じて、顔のたるみを改善してください。