
「レチノール」という言葉を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。SNSでも話題になっており、レチノール配合の化粧品も多く見受けられるようになりました。レチノールは美しい肌づくりのために効果的な成分ではありますが、使い方や副作用など押さえておきたいポイントもあります。
そこで本記事では、レチノールの特徴や期待できる効果、使い方や注意点などについて詳しく解説します。レチノール配合の化粧品を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
レチノールとは
レチノールとは、ビタミンAの一種で、肌や粘膜を健康に保つ成分です。抗酸化作用があり、肌の老化を防いだり、ダメージから守る効果があります。
ビタミンAは体内ではつくられないため、食事での摂取や化粧品などで取り入れる必要があります。
レチノールとトレチノインの違い
レチノールとトレチノイン(別名:レチノイン酸)はどちらも美容成分ですが、その違いは効果と副作用にあります。
レチノールは体内で酸化するとレチナールになり、さらにトレチノインへと変化します。トレチノインはレチノールと比べると50〜100倍もの効果を発揮するといわれており、その刺激性の強さから肌トラブルが出やすいのが特徴です。そのため、医師の処方が必要な医療用医薬品に指定されています。
医薬部外品や化粧品への配合が認められているレチノールのほうが、ドラッグストアといった身近な場所で見かけることが多いため、私たちにとって馴染みがある成分といえるでしょう。
有効成分レチノール(医薬部外品)を使用するとどんな効果がある?

レチノールに期待できる効果は、おもに次の3つです。
肌のターンオーバーを促進する
レチノールには、肌のターンオーバーを促進する働きがあります。
ターンオーバーとは、肌の細胞が新しく生まれ変わるサイクルのことです。ターンオーバーが正常におこなわれると古くなった角質が排出されて新しい肌が表面に現れるため、シミやニキビ跡、毛穴が目立たなくなるといった改善が期待できます。
また、肌のキメが整うことで全体的に滑らかで透明感のある肌に。シミやくすみが気になりにくくなることにもつながるため、肌トラブル全般を良い方向へ導いてくれるといえます。
コラーゲンの生成を助ける
コラーゲンは、肌のハリや弾力を保つために重要な役割をもつ成分です。レチノールは、コラーゲンを生成する線維芽細胞を活性化させる働きがあり、コラーゲンやヒアルロン酸を生み出すことにつながります。
コラーゲンが生成されると肌のうるおいが維持できるようになるため、特に乾燥しがちな目もとや口もとのハリがアップします。また、肌がふっくらすることで、シワやたるみが目立ちにくくなることも。
皮脂分泌を正常化する
レチノールには過剰な皮脂分泌を抑制し、皮脂バランスを整える働きがあります。
皮脂の過剰分泌が続くと毛穴がつまりやすくなり、黒ずみやニキビにつながるおそれも。レチノールを使うことでニキビや毛穴の黒ずみ予防が期待できます。
また、皮脂のバランスが整うと肌のベタつきやテカリも軽減されます。特に脂性肌の方や混合肌の方で、肌の皮脂が気になる方にとっては有効であるといえるでしょう。
レチノールの効果的な使い方

ここでは、レチノールの効果的な使い方を3つ解説します。これからレチノール配合の化粧品を使ってみようと考えている方はぜひ参考にしてください。
継続して使用する
レチノールは肌のターンオーバーを促進するため、使用開始からターンオーバーの周期を一巡りするあたりで効果が出ることが多いとされています。ターンオーバーの周期は20代で28日前後ですが、50代では75日前後になります。そのため、短くても1ヵ月、できれば3〜6ヵ月は継続して使い続けると効果を感じやすくなるでしょう。
アイクリームや美容液などレチノール配合の化粧品は多岐にわたるため、感じている肌悩みに応じたアイテムを選び、毎日決まった時間に使うと無理なく継続することにつながります。
保湿を十分におこなう
レチノールを使用すると肌が乾燥しやすくなるため、しっかりと保湿をおこなうことが重要です。
洗顔後に化粧水で肌を整え、レチノール配合の美容液や美容クリームを使用、その後、乳液やクリームでフタをするイメージでスキンケアをしましょう。
特にヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなどの保湿成分を含む基礎化粧品を使うと、乾燥防止につながり、肌のバリア機能を維持できます。
紫外線対策をする
レチノールは肌を敏感にする働きをもつため、使用後の肌は紫外線ダメージを受けやすい状態になります。紫外線はシミやシワ、たるみなどの原因になる肌の天敵。
日焼け止めをしっかり塗るだけでなく、帽子や日傘を活用して、紫外線の影響を最小限に抑えましょう。
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レチノールを使用する際の注意点

レチノールはすこやかな肌づくりにつながる有効な成分ですが、使用する際は注意すべき点もあります。次の3点を理解したうえで、正しく使いましょう。
A反応(レチノイド反応)がおこる可能性がある
レチノールを使用すると、人によっては「A反応(レチノイド反応)」がおこることがあります。A反応とは、ビタミンA不足の肌に突然レチノールを補給することで肌が敏感に反応し、赤みや乾燥、皮むけ、かゆみ、ヒリヒリ感などの症状が現れることです。
A反応は肌がレチノールの刺激に慣れるまでの一時的なものなので、多くは使用を続けるうちに数週間程度で症状が落ち着きます。
- <反応期>4〜6週間目:A反応が強く出る時期
- <耐久期>7〜9週間目:ビタミンAへの耐性ができて落ち着く時期
- <完成期>10〜12週間目:肌トラブルが改善される時期
※人によってA反応の有無や時期は異なります。
初めてレチノールを使用する場合やレチノール濃度の高い製品を使う場合は、低濃度のものから使い始め、少しずつ肌を慣らしていくことが重要です。状態を見ながら、問題がなければ徐々に使用量を増やしていきましょう。
A反応が心配な方は、パッチテストを事前におこなって肌の反応を確認することもおすすめです。
妊娠中・授乳中は使用を避ける
妊娠中や授乳中のレチノール使用は避けることをおすすめします。特に内服においては、胎児に先天的な異常や奇形を引きおこすリスクがあるとされている為、使用を控えてください。
化粧品として皮膚に塗る程度であれば問題ないとの情報もありますが、胎児や乳児に影響が無いという明確な確証が無く、また、お肌が敏感になりやすい時期でもあるので、予期せぬトラブルに繋がる可能性があります。妊娠中や授乳中のスキンケアで不安な点があれば、医師や薬剤師に相談しましょう。
日の当たらない場所で保管する
レチノールは光や空気に触れると分解しやすい成分です。そのため、保管方法に気をつけなければ、効果が薄れるおそれがあります。
以下のことに気を付けて保管しましょう。
- 直射日光を避け、日の当たらない涼しい場所で保管する。
- 高温や湿気の多い場所は、製品の劣化を防ぐため避ける。
- 使用後はフタをしっかり締め、空気に触れる時間を減らす。
- 開封後は早めに使い切ることを意識する。
レチノールはポイントを押さえて正しく取り入れよう
レチノールはビタミンAの一種で、肌の健康を保つ働きをもつ成分です。体内ではつくられないため、食べ物や化粧品など外から取り入れる必要があります。
レチノールは使用すると、
「肌のターンオーバーが促進されて、シミやニキビ跡、毛穴が目立たなくなる」
「コラーゲンの生成を助けて、肌の保湿力が上がる」
「皮脂分泌のバランスを整えて、毛穴の黒ずみやニキビを防止できる」
など、さまざまな効果が期待できる成分です。
一方で、A反応がおこる可能性があったり、レチノールを使用した肌が紫外線に敏感になりやすくなったりと、気をつけるべき点もあります。レチノールを日常に取り入れる際は、使用上の注意を押さえたうえで、正しく使うようにしましょう。
※当該成分はドモホルンリンクルには配合されていません
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