寝すぎで頭痛になるのはなぜ?睡眠による頭痛の原因と対処法を解説

寝すぎで頭痛になるのはなぜ?睡眠による頭痛の原因と対処法を解説

「平日寝不足気味だから休日はしっかり寝よう」「健康のためにたくさん寝るのが大切」と思って長い睡眠時間を確保したのに、起きたら頭が痛いと感じた経験はありませんか。起床後の頭痛は、寝すぎが原因かもしれません。健康維持のために重要な役割を果たす睡眠ですが、実は長すぎる睡眠時間は体にとって逆効果です。

この記事では、寝すぎて頭痛になる原因と症状に加え、起床後の頭痛の治し方や効果的な体のツボを紹介します。寝すぎて頭痛がおきたときは、ぜひ参考にしてみてください。

寝すぎで頭痛になるのはなぜ?

寝すぎ 頭痛の寝具計

睡眠時の体は省エネモードに入っており、疲労を回復する効果がありますが、必要以上の睡眠時間はかえって体に負担をかけます。寝すぎによる頭痛にはおもに「血管の拡張」や「筋肉の緊張」といった2つの原因があるので、どちらの原因が自分に当てはまっているのかを確認しましょう。

血管が拡張することによる「偏頭痛」

私たちの体は、寝ているときも起きているときも、心臓を動かしたり呼吸をしたりできるように、「自律神経」がコントロールしています。自律神経は交感神経と副交感神経の2種類。交感神経は日中に体の活動を支える神経で、副交感神経は休息時に優位になる神経です。

寝ることで副交感神経が活性化すると、脳内の血管が拡張して血流が良くなります。しかし、寝すぎると必要以上に血管が拡張し、脳血管周辺の三叉(さんさ)神経が起床時の血流の変化で刺激され、偏頭痛が引きおこされるのです。

睡眠時間が長いほど、起床時の反動が大きく痛みが増す傾向があり、痛みは数時間から72時間ほど続きます。強い光のある場所や騒音の中で就寝したり、長時間昼寝をしたりした後は偏頭痛がおきやすいと言われているため、睡眠環境にも注意が必要です。

筋肉が緊張することによる「緊張型頭痛」

緊張型頭痛とは、肩や首周辺の筋肉が硬くなることで引きおこされる頭痛のことです。緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢で寝ることで、筋肉に負担がかかるのがおもな原因となります。

とくに、首の付け根から首にかけた僧帽筋(そうぼうきん)や後頭部から首後ろにかけた後頸筋(こうけいきん)、こめかみ周辺の側頭筋が硬くなりやすい箇所です。筋肉が固まった状態が長く続くと、血流が停滞して筋肉の強い収縮や緊張で痛みが生じます。

寝すぎによる頭痛の症状

寝すぎにより引きおこされる2種類の頭痛は、それぞれ症状が異なり対処法も異なります。頭痛の症状を把握し、適切に対処することが大切です。ここでは、寝すぎによる頭痛のおもな症状を紹介するので、どれに当てはまっているかチェックしてみてください。

偏頭痛の症状

偏頭痛のおもな症状は、目の奥や側頭面、頭全体のズキズキとした痛みです。痛みは心臓の鼓動に合わせて、波打つように出たり治まったりを繰り返します。

頭を左右前後に動かしたり、起床後すぐに激しい運動をしたりするなどの大きな動作によって痛みが強くなり、吐き気を催す場合もあるので注意が必要です。また、偏頭痛の症状が出ると光・音・においに過敏になりやすく、症状が悪化するケースもあります。

緊張型頭痛の症状

緊張型頭痛のおもな症状は、後頭部の下部から頭全体に広がる締め付けるような鈍痛です。時間が経つに連れ痛みも増していく傾向があります。また、頭痛と同時に首や肩のこりを伴うケースが多いのも特徴の一つです。

軽いめまいをおこす場合もありますが、偏頭痛のような頭を動かすことによる痛みの変化はなく、吐き気を催すケースはほとんどありません。

寝すぎによる頭痛の症状別対処法

布団の上の覚まし時計

寝すぎによる頭痛でも、偏頭痛と緊張型頭痛では対処法が異なります。間違った対処法は頭痛を悪化させる可能性があるので、注意しなければいけません。自分の頭痛がどちらの症状に当てはまるのかを見極めて、適切に対処しましょう。

偏頭痛の症状だった場合

寝すぎて偏頭痛がおきた場合は、以下の対処法を試すことで症状の緩和が期待できます。

  1. こめかみや首の後ろを冷やす
  2. 暗く静かな場所で過ごす
  3. 両耳の後ろをマッサージする

偏頭痛は、脳内の広がった血管を収縮させることがポイントです。体温が上がり血流が良くなると痛みが強くなるので、首の後ろを冷やし涼しい場所で休みましょう。明るい場所や騒音がある場所では頭痛が悪化する可能性があるので、光や音に過敏になっているときは暗く静かな場所で過ごしてください。

また、両耳の真後ろにある頭蓋骨と首の筋肉を揉むことで、痛みを和らげられます。ただし、首の真後ろにある「盆の窪(うなじの中央のくぼんだ場所)」は揉むと痛みが悪化する場合があるので、冷やして対処することがポイントです。

ほかにも、カフェインには血管収縮効果があるので、起床時にコーヒーや紅茶などを飲むと痛みを和らげられます。注意点として、頭痛の症状を悪化させるチラミンを含んだチーズやナッツ、チョコレートなどの食材の摂取は控えたほうが良いでしょう。

緊張型頭痛の症状だった場合

緊張型頭痛の症状だった場合は、首・肩周りの筋肉をほぐすと痛みを解消できます。緊張型頭痛を治したいときは、下記の対処法を試してみましょう。

  1. 枕の高さを調整する
  2. 首・肩を温める
  3. 首肩周りのストレッチ・マッサージをおこなう

また、緊張型頭痛を予防するためには、寝ているときの姿勢が重要です。布団を整えて枕を低くした状態で就寝することで、体への負担が軽減されます。ほかにも、体を温めて血行を良くすることで筋肉の緊張が解け、痛みが和らぎます。

寝すぎによる頭痛を抑えるツボ

私たちの体には、寝すぎによる頭痛に効くツボがいくつかあります。ツボ周辺をイタ気持ち良いと感じる程度に押すことで頭痛のつらさを軽減できるでしょう。ここでは、寝すぎによる頭痛を抑えるツボを症状別に紹介します。

偏頭痛に効くツボ

以下のツボは、偏頭痛の症状を抑えるのに効果的です。

ツボの名前 ツボの位置
手三里(てさんり) 肘を曲げた際にできる横ジワから手の方向に指3本分の場所
合谷(ごうこく) 手の親指と人差し指の骨が交わる箇所から少し人差し指側にあるくぼみ
崑崙(こんろん) 足のくるぶしの外側とアキレス腱の間にあるくぼみ
足臨泣(あしりんきゅう) 足の甲にあり、薬指と小指の骨が交わる箇所のくぼみ

偏頭痛は、血流が良くなると痛みが増す場合があるので、指の腹で垂直にイタ気持ち良いくらいの力加減で押しましょう。

緊張型頭痛に効くツボ

緊張型頭痛の症状がある場合は、首や肩にあるツボにアプローチして筋肉の緊張を和らげると、痛みの軽減が期待できます。

ツボ ツボの位置
百会(ひゃくえ) 頭頂部にあるツボ
両耳と鼻から伸ばした線が交わる箇所のくぼみの部分
風池(ふうち) 首の付け根、髪の生え際にあるツボ
耳後ろの骨と後頭部のくぼみの中間、僧帽筋の盛り上がりから1cmほど外側
天柱(てんちゅう) 首の付け根、髪の生え際にあるツボ
首の骨の両側にある太い筋肉の外側にあるくぼみ
完骨(かんこつ) 首の後ろの付け根、髪の生え際にあるツボ
耳の後ろの骨の下から中心部に向かったところにあるくぼみ
肩井(けんせい) 首の骨と肩先の中間にあるツボ
太陽(たいよう) 眉尻と目尻の延長線上で交わる箇所にあるくぼみ
頷厭(がんえん) 両耳の上からこめかみにかけての髪の生え際部分
口を開閉するときに動く箇所
印堂(いんどう) 眉間の中心にあるツボ

そもそも寝すぎてしまう原因とは

そもそも私たちは、なぜ寝すぎてしまうのでしょうか。寝すぎてしまう原因としては、日頃の睡眠の質が悪いことや睡眠時間が不足していることなどが考えられます。仮に睡眠時間をたくさん確保していても、睡眠の質が悪ければ疲労が回復できず、睡眠不足と同じ状態になります。

また、私たちの体は寝溜めができない仕組みになっているので、長時間寝ても睡眠時間を補う効果はありません。睡眠不足を解消しようと10時間以上寝ると、寝すぎによる頭痛が現れやすくなります。昼間に眠気を感じることが多い場合は、睡眠不足が考えられるので、日頃の睡眠を見直す必要があるでしょう。

寝すぎによる頭痛の予防法

寝起きに伸びをする女性

寝すぎによる頭痛は、睡眠の質を上げて適切な睡眠時間を確保することで予防できます。ここでは、寝すぎによる頭痛を予防する方法を2つ紹介します。

寝る前はリラックスする

質の良い睡眠のためには、就寝前に脳と体をリラックスさせる必要があります。脳の覚醒を防いでリラックスさせるには、就寝前のスマートフォンやテレビなど、ブルーライトを発する機器の使用は控えましょう。明るい照明も脳を覚醒させてしまうので、夜には間接照明や暖色系の照明に切り替えてみてください。

また、食べすぎ・飲みすぎも体に負担がかかるため、食生活にも注意が必要です。とくに、就寝前のアルコールやカフェインが含まれる飲み物は、入眠の妨げになるので摂取を控えましょう。ホットミルクやカフェインレスの飲み物はリラックス効果が期待できるので、睡眠の質を上げたいときにおすすめです。

昼寝をする

日頃の睡眠不足が原因で寝すぎてしまう場合は、30分程度の昼寝をするのが効果的です。ただし、30分以上の昼寝や15時以降の昼寝は夜の睡眠に影響し、睡眠の質が悪くなる可能性があるため、寝すぎないよう注意しておいてください。

また、夜の睡眠時間は長いのに強い眠気があったり昼寝をしたりしてしまう場合は、無呼吸症候群や過眠症など、睡眠障害の症状が隠れているケースもあるので医療機関の受診をおすすめします。

まとめ

寝すぎによる頭痛は、血管の拡張による「偏頭痛」や、筋肉の緊張による「緊張型頭痛」のどちらかがおもな原因です。頭痛のタイプによって症状が異なり、それぞれに適した対処をおこなう必要があります。

そもそも寝すぎてしまうのには、日頃の睡眠の質が悪いことが影響しています。寝すぎによる頭痛が頻繁におこる場合は、寝る前の習慣を見直したり昼寝を試したりして予防することが大切です。

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