監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。
実は成人女性の半数以上が「冷え性」に関する悩みを抱えていると言われています。
そこで20代後半~30代の女性たちが実践している「冷え」を感じるパーツと対策を聞いてみました。
Q. 冷えを感じる部位はどこですか?
1位 足先 52%
2位 手先 34%
3位 肩&腰 8%
4位 お尻 3%
5位 その他 3%
Q. 普段どんな冷え対策をしていますか?
「足先の感覚がなくなるほど冷たいときは、オイルマッサージで血行促進しています」(37歳・IT企業勤務)
「冷えて眠れないときは湯たんぽでポカポカに!」(31歳・金融会社勤務)
「オフィスでは足先を冷やさないように靴下を着用しています」(28歳・出版社勤務)
「冷たい飲み物は避けて温かいものを飲むように心がけています」(33歳・旅行会社勤務)
アンケートによると多くの女性が、体の末端に冷えを感じていることが分かります。
また冷え性対策としては、体を温めることや、血行を良くすることがメジャーなようです。
多くの女性を悩ませる冷え性ですが、そもそもどうして「冷え性」になってしまうのでしょうか。
漢方の視点から冷え性の原因について考えてみましょう。
漢方では、体の冷えの原因を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の乱れだと捉えます。
■「気(き)」…人間の体を動かす根源エネルギー。
西洋医学におきかえると血液や水分、臓器を動かす役割をもち、自律神経系や内分泌系の働きに関わっています。
目には見えませんが「気」は生命を維持するための最も大事な要素です。
■「血(けつ)」…体の中を流れる赤い液体。
血液のように、全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスを調整します。
■「水(すい)」…体内にある透明な液体。
鼻水や尿、リンパ液といった体の中のあらゆる水分を指し、免疫力に深く関わっています。
「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」はそれぞれ密接に関わりあっています。
「気(き)」が停滞すると「血(けつ)」の流れが滞って、「血(けつ)」が体のすみずみにまで行き渡らなくなります。
すると手足など末端部分が冷たくなります。
そして「気( き)」や「血(けつ)」が滞ると「水(すい)」も停滞するため、内臓に水がたまり、体の内側から冷えてしまいます。
ですので冷え性を改善するには、体を構成する3つの要素である「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスを整えることが大切だと言われています。
「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスを整えるには、生活習慣や食生活などに気をつけ、自己回復力を整えることでバランスを整えることができます。
この生活習慣や食生活に気をつけ自己回復力を整えようと努めることを養生と言います。
そして養生には「食養生」「体養生」「心養生」の3つがあります。
それでは食養生の基本についてお伝えします。
食養生では「五性」と言って、食べ物を温度にかかわる5つの性質に分ける考えがあります。
以下の表で確認してみましょう。
五性 | 性質 | 代表的な食材 |
---|---|---|
寒 | 水分を補い、炎症を鎮めて毒を排泄する | バナナ、トマト、きゅうり |
涼 | 過度に活性化した体を鎮める。寒性より控えめだが、体を冷やす性質がある | みかん、豆腐、レタス |
平 | 体を温めたり冷やしたりする性質がなく、どんな体質でも食べやすい | 卵、レンコン、白米 |
温 | 体を穏やかに活性化する。熱性より弱く体を温める性質がある | 鶏肉、かぼちゃ、エビ |
熱 | 内臓を活発に働かせ、エネルギー代謝を向上させる | 唐辛子、羊肉 |
体を温める効果のある食材は、表の下の方にある「温」と「熱」です。
冷え性でお悩みの方は、「温」と「熱」の性質を持つ食べ物を積極的に摂りましょう。
さらに体を温める食材には、「寒い地方で取れた食べ物」「冬が旬の食べ物(ニンジン、鮭)」「色が黒っぽい食べ物(海藻、黒豆)」「地下に埋もれている食べ物(根菜類、芋類)」などもあります
冷え性の人は「温」や「熱」などの体を温める性質を持つ食べ物を積極的に摂ることが大切だとお伝えしました。
以下で紹介する食べ物は、冷えや血行不良にとくに効果がある食べ物だと言われています。
●エビ
冷えやエネルギー不足による血行不良に効果的な温性の海鮮素材です。
また、殻にも抗酸化作用のあるアスタキサンチンなどが含まれているので、温かいスープにして殻も一緒に食べましょう。
●黒豆
筋肉の原料となるタンパク質やビタミンB1、ビタミンEなどを含み、血行を促す作用があります。
煮ることで栄養を余すことなくいただけます。
●タラ
気や血の巡りを改善し、冷えだけでなく疲労回復効果や食欲増進効果が期待できます。
加熱しても硬くならず消化にもいいので、鍋などに加えてみてください。
●ネギ
ネギに含まれるアリシンは、体内で血流を促す成分に変化して体を温め、発汗を促進します。
熱に弱いため、あまり熱を通さずに調理しましょう。
●鶏肉
タンパク質やコラーゲン、ビタミンAなどを含む鶏肉は、栄養価が高く、体を温める効果に優れています。また皮にもコラーゲンが含まれているので、温かいスープにして食べると美容にも◎。
今まで冷え性をなかなか改善できなかった方も、この機会に漢方の考え方を取り入れて、冷え性の対策をしてみてはいかがでしょうか。
また、冷え性は体だけでなく肌にも影響を与えます。
冷え性になると、新陳代謝の低下を招くので、肌のバリア機能が低下してしまうためです。
自分自身を守る力を失った肌は、さまざまな肌トラブルを引き起こしやすくなります。
肌トラブルにならないためには、普段のスキンケアで肌を整えていることが大事です。
生体リズムの乱れは様々な不調の原因に…。それには、朝と夜のスイッチのON・OFFで、「メリハリ」をつけることが大事です。朝は体温を上げて、活動モードへのスイッチをONにし、夜は休息モードにスイッチOFFして、ぐっすり心地よい眠りへつく。この2つから生まれるリズムこそ、年齢を超えて健やかに美しく生きるための新習慣。生体リズムに着目したドモホルンリンクルの年齢美習慣で、いきいき美しく幸せな毎日へ。
監修:再春館製薬所
間地大輔
大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。