つらい便秘を解消するには?便秘の原因と解消方法を紹介
つらい便秘を解消するには?便秘の原因と解消方法を紹介
女性の多くが悩んでいる便秘。一時的にお通じがないだけであれば気にしない方も多いですが、便秘を放っておくと肌荒れや不眠、肩こりなど体の不調を引きおこすことがあります。便秘を解消するには、便秘薬を使う方法もありますが薬に頼りたくないという方もいると思います。
本記事では、便秘になりやすい原因やそれらを見直すことで便秘になりにくくする方法について解説します。便秘で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
便秘とは?
便秘で悩まれている方の多くは「排便の頻度が少ない」「便意がない」ことによって、自分は便秘であると自覚しているかもしれません。しかし、なかには定期的に排便があっても便秘の可能性があるので注意が必要です。まずは、便秘の定義について解説していきましょう。
十分な排便がなければ便秘かも?
これまでは、便秘に関して統一された定義がありませんでしたが、2017年に初めて日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会によって慢性便秘症の定義が提示されました。「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では、便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。つまり、毎日排便があっても便の量が不十分であったり、強くいきまないと出なかったりする場合は便秘の可能性があるのです。
便秘は大人に多い
便秘は20代以上の女性に多くみられる傾向があります。その理由は男性と比べて腹筋が弱い、羞恥心による便意の我慢などが挙げられますが、ホルモンの影響によって便秘が引きおこされることもあるのです。排卵期に分泌される黄体ホルモンには腸管運動を抑制する働きがあり、月経前に便秘に悩む方も少なくありません。また、加齢による排便機能の低下によって便秘になることもあります。
ただし、便秘は女性特有の症状ではなく、男性にも加齢によって十分な排便ができていないと感じている方が多いのが実状です。実際に平成28年度国民生活基礎調査によると、便秘は若い世代だと女性が多いですが、年代が上がるにつれて男女差がなくなります。
排便の鍵は「腸の働き」
そもそも便は何でできているか知らない方も多いでしょう。健康な方の便では、7〜8割が水分、1〜2割が腸内細菌、残りが消化管で吸収されなかった食べカスなどです。(諸説あります。)便秘は排便機能の低下以外にも、腸の働きや不調によって引きおこされることも珍しくありません。次は腸の働きについて解説していきましょう。
体の根幹を支える腸の働き
腸の働きは、次の通りです。
- 食べ物を消化し、栄養分を吸収する
- 水分を吸収して便を作り、不要なものを排出する
- 外敵の侵入から体を護る(免疫力を保つ)
腸は大きく小腸と大腸に分けられ、それぞれ担っている役割が異なります。特に、排便や便秘に関係しているのは大腸です。大腸は、水分を吸収して便を適度な硬さにするとともに、スムーズな排出をサポートしてくれます。不要なものが排出されれば、便秘の予防・解消には、腸のなかでも特に大腸を"良い状態"に保つことが大切です。
便秘の解消方法
便秘を解消するために、便秘薬を服用している方もいるでしょう。それ以外にも、毎日の生活習慣の改善が役に立つことがあります。意識したい生活習慣について解説していきます。
バランスのとれた食事を摂る
日頃から便秘に悩んでいる方は、食生活を見直しましょう。ダイエットのために食事を減らしたり、特定の食材だけを食べ続けたりすると、食物繊維や水分が不足する可能性があります。また、朝昼晩と三食きちんと摂るのも、身体のリズムを整えるために大切です。内臓のリズムが乱れると腸の働きが鈍くなり、便秘を引きおこす可能性があります。内臓のリズムを整えるには、毎日同じ時間に食事を摂るのもおすすめです。
こまめに水分を摂る
便のほとんどが水分でできていますが、便が排出されずに大腸に残ってしまうと、便の水分が大腸に吸収されてしまうため、便が硬くなりやすくなります。日頃から水分補給は心がけておきましょう。
冷え対策をする
身体が冷えると身体の色んな機能も下がるため、便秘につながりやすくなります。冷えやすいと感じる人は、温かいものを意識してとったり、適度な運動をしたりして、身体を冷やさないようにしましょう。
適度な運動をする
肛門に圧力をかけて排便するには、腹筋の力が欠かせません。腹筋が弱まると腸のぜん動運動も低下し、便秘になることがあります。腸の運動機能を向上させるためにも、日常生活に適度な運動を取り入れましょう。ウォーキングやジョギング、ヨガなどの全身運動も腹筋を鍛えるのにおすすめです。適度な運動は腹筋を鍛えるだけでなく、ストレス発散や冷え対策にも適しています。
腸活をする
腸活とは、腸内環境を整えるために食生活や生活習慣の改善をおこなうことです。
腸内環境を整えるには、腸内に住む「善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌※1」の3つの菌のバランスが大事です。このバランスが保たれていると、腸内環境が安定し腸を"良い状態"に保つことができます。
腸内環境が整うことで大腸の働きもスムーズになるため、便秘の改善も期待できるのです。
ここまでに解説したバランスのとれた食事を摂ることや、適度な運動をすることも腸活の一つです。
腸活については、次の項目で詳しく解説していきます。
※1 善玉菌と悪玉菌のうち数が多いほうに加勢する菌
腸活を効果的にする3つのポイント
腸活を効果的におこなうためには、腸の働きについて理解することが大切です。次は腸活を効果的にする3つのポイントについて解説していきましょう。
腸粘膜にうるおいを与える食べ物を取る
体は加齢とともに水分が減っていき、腸粘膜の水分もなくなりやすくなります。腸が乾いた状態になると、善玉菌が増えにくく、悪玉菌が増えやすい環境になり、便秘の原因にもなります。改善するには、粘膜にうるおいを与える食べ物を摂るのがおすすめです。
粘膜にうるおいを与える食べ物は以下のとおりです。
食品 | 特徴 |
---|---|
白キクラゲ | ヒアルロン酸の5倍ともいわれる保水力を有する |
小松菜 | 乾いた腸をうるおし、粘膜を保護する |
ブロッコリー(1) | 粘膜を保護する・胃腸の機能を正常にする |
やまいも、モロヘイヤ、 オクラなど |
胃腸の粘膜をうるおし、保護する |
(参考文献)
(1)本多京子ほか監修. "ブロッコリー". 食の医学館. 小学館, 2002, p. 394.
腸内環境を整える食べ物を取る
腸内環境を整えるには、食物繊維を豊富に含む食べ物を摂るのが効果的です。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類あり、それぞれ役割が異なります。
水に溶けない不溶性食物繊維は、栄養分を吸収しやすいように、腸内を進みながら老廃物、毒素や悪玉菌といった不要なものを回収します。こうして、不溶性食物繊維と不要物とが一緒になって、便の形が作られます。そして便のかさを増やすことで腸を刺激し、排便を促します。
一方、水に溶けやすい水溶性食物繊維は、胃で消化した栄養分を小腸に渡しながら小腸内を進みます。酸性の胃液をたっぷりと含むため、腸内が酸性の状態となり、善玉菌を活発にさせます。最終的に、水溶性食物繊維は大腸に運ばれ、善玉菌のエサになります。腸内環境を整えるには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類をセットで摂りましょう。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含む食べ物は以下のとおりです。
不溶性食物繊維を含む食材 | 水溶性食物繊維を含む食材 |
---|---|
えんどう豆(2)、穀物、いも類、ごぼうなど | めかぶ、とろろ昆布、リンゴ、バナナ、キウイフルーツ、菊いも(3)(4)など |
(参考文献)
(2)池上文雄ほか監修. "えんどう豆". NHK出版 からだのための食材大全. NHK出版, 2018, p. 197.
(3)Gibson, G. R. et al. Selective Stimulation of Bifidobacteria in the Human Colon by Oligofructose and Inulin. Gastroenterology. 1995, 108(4), p. 975-982.
(4)Brighenti, F. et al. Effect of consumption of a ready-to-eat breakfast cereal containing inulin on the intestinal milieu and blood lipids in healthy male volunteers. Eur. J. Clin. Nutr. 1999, 53(9), p. 726-733.
善玉菌を増やす食べ物を摂る
代表的な善玉菌の1種として、ビフィズス菌があります。
ビフィズス菌を増やすには、生きたまま大腸まで届くような食べ物を取るのが良いでしょう。
腸内環境を整えるビフィズス菌 BB536配合の「Lashiku腸活」
再春館製薬所の「Lashiku 腸活」は、腸内環境を整え、腸の調子を整える機能性関与成分ビフィズス菌BB536を配合。また不溶性、水溶性の2つの食物繊維も一度に取れます。
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