頬が乾燥すると、手触りや化粧ノリが悪くなって気分も憂鬱になりがちです。なかにはきちんとスキンケアしているのに、頬が乾燥しやすいという場合もあります。頬の乾燥の原因や対策方法を知って、悩みのない肌を目指しましょう。

頬の乾燥とは

日中、ふと頬を触ったときにカサカサしていてびっくりすることがあります。朝、しっかりスキンケアしてうるおったところでメイクをしたはずなのに、なぜか頬がかさついてしまい、鏡を見ると頬の表面のファンデーションもカサカサで粉っぽくなっている事が…。なぜお手入れをしている頬が乾燥してしまうのでしょうか。

肌が乾燥すると、肌がつっぱったり表面がカサカサになったりしてしまいます。さらに乾燥が進むと、白く粉を吹いたような状態になり、角質層にある角質がはがれて肌の中のうるおいが奪われてしまうこともあるでしょう。うるおいのなくなった肌に隙間ができると、「シワ」になってしまいます。シワができると化粧のりが悪くなるだけでなく、肌のキメが乱れ、ハリやツヤも失われ老けて見える原因にもなってしまうのです。

また、頬が乾燥した状態を放置することで、皮膚の病気になってしまうこともあります。乾燥肌はバリア機能が低下しているため、細菌やウイルスが侵入しやすく、皮膚の感染症がおこりやすくなるためです。たとえば、ヘルペスや、蜂窩織炎（ほうかしきえん）のほか、じんましんなどのアレルギー性の病気もおこりやすくなります。

頬が乾燥する原因

頬が乾燥する原因としては、直接的に肌に原因があるものと環境などの外的要因が考えられます。

ターンオーバーの乱れや角層肥厚

肌のターンオーバーとは、肌の奥で生まれた細胞が肌の表面へと押し上げられ、肌の表面にある古い細胞と入れ替わることを言います。新しい細胞と入れ替わることで整うのが、肌のバリア機能です。しかし、加齢や適切でないスキンケア、不規則な生活習慣などさまざまな要因で肌のターンオーバーの乱れがおこることがあるでしょう。また、自然にはがれていくはずの肌表面の角質がはがれずに残って厚みを増す「角質肥厚」などがおこり、乾燥につながってしまうこともあります。

バリア機能が弱っている

外部刺激から肌を護る「バリア機能」は、年齢を重ねるとバリア機能に必要な皮脂をはじめとした分泌物が減少し、あらゆる刺激から肌が護れなくなります。そうなると、肌の一番外側にある角質層がダメージを受け、肌内部の水分が蒸発し、乾燥肌になってしまうのです。

間違った洗顔

一日の終わりには、メイクや肌の汚れを落として肌をきれいな状態にリセットするために、クレンジングや洗顔で汚れを落とします。そのときに、洗顔力の強いクレンジングやスクラブ、ピーリングなどを使うことで、汚れだけでなく、肌に必要な皮脂まで奪ってしまうことも。その結果、肌のバリア機能が低下して、乾燥した状態が進んでしまうことがあるのです。

保湿が足りていない

さまざまな要因で頬が乾燥してしまうと、スキンケアでうるおいを与えなければ、さらに乾燥が進んでしまいます。しかし、スキンケアを毎日きちんとおこなっていても、保湿が不十分だと、肌の水分が空気中に蒸発して乾燥が進むことがあるのです。スキンケアをしているから大丈夫というわけではないので、乾燥を感じる場合はスキンケアの見直しをおこないましょう。

外部刺激を受けている

頬の乾燥は、肌や内面的な問題だけでなく外部の刺激が影響することもあります。たとえば、空気が乾燥していると、肌の水分が奪われがちになり、バリア機能を保つための天然保湿因子も減少し、乾燥が進んでしまいます。またエアコンがきいた部屋で過ごす場合も、エアコンの影響で空気中の水分が奪われ湿度が低くなっているため肌が乾燥しやすい状態になっているのです。

また、紫外線は肌のバリア機能にダメージを与えてしまいます。バリア機能が低下した肌は刺激を受けやすい状態で、さらに紫外線の影響を受けやすくなってしまいます。そのため、乾燥が進んでしまうのです。

頬の乾燥を改善するためのスキンケア

頬が乾燥した状態を改善するためのスキンケアのポイントをまとめました。

スキンケアで気をつけること

頬が乾燥しているときは、肌のバリア機能も低下しています。スキンケアのポイントは、肌に刺激を与えないことです。頻繁に触ったり手でこすったりするなど、摩擦の刺激で肌にダメージを与えないよう意識しましょう。もし肌を強く刺激してしまったら、湿疹や赤み、かゆみ、皮むけなどのトラブルがおこるかもしれません。乾燥が気になっても、顔をむやみに触ったりしないよう注意しましょう。

乾燥を引きおこさないクレンジングと洗顔方法

せっかく肌をきれいにするために洗顔しているのに、乾燥を引きおこしてしまっては本末転倒です。ご自身の方法が間違っていないか今一度確認しましょう。

• 皮脂を過剰に落とすなど、洗浄力が強いクレンジングを使わない
• 洗顔は、しっかりと泡立ててそっと泡で包むように
• 洗顔に時間がかかると肌の水分と油分が奪われやすくなるため、洗顔に時間をかけすぎない
• 洗い流すときに強くこすらない
• 熱いお湯を使わない
• 前髪の生え際やフェイスラインなどに泡が残らないようよくすすぐ
• 洗顔後、タオルでこすらず軽くタオルを当てるように優しく水滴を取り除く

乾燥する前に保湿を心がける

一度頬が乾燥してしまうと、元に戻すには時間がかかります。日頃から「乾燥しない保湿」を意識しましょう。洗顔後、頬が突っ張った状態で放置するのではなく、できるだけ速やかに保湿することが大切です。化粧水、乳液、美容液などでうるおいを与えた後は、クリームなど油分の入ったアイテムで肌の水分を逃がさないように蓋をしましょう。

日中、乾燥したときの対策として、すばやくうるおいが補給できる高保湿のミストタイプの化粧水などのアイテムも併用すると心強いです。

メイク方法も見直そう

毎日おこなうメイクが肌に負担を与えていることがあります。メイクをしているときにより乾燥が進んでいると感じたら、コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸といった保湿成分が含まれているアイテムを取り入れてみるのもおすすめです。

紫外線対策も忘れずに

紫外線から肌を護るためのUVケアも忘れないようにしましょう。ただし、UVケアもむやみやたらに数値の高いものを選んでは肌に刺激を与えてしまうため、目的に応じた適切なものを選んでください。

頬の乾燥改善には生活習慣の見直しも重要

頬の乾燥を改善するために、スキンケアだけでなく肌に優しい生活習慣も意識しましょう。

頬の乾燥改善には良質な睡眠が必須

良質な睡眠をとることで、入眠後3時間ほどで成長ホルモンの分泌が促され、ターンオーバーが促進されることから、頬の乾燥対策にもなると考えられています。眠る前にはできるだけリラックスできる環境を整えることが、良質な睡眠につながりやすくなるでしょう。たとえば、就寝前に食事を摂ると、エネルギーが消化に使われ深い睡眠を取りにくくなるため、寝る2〜3時間前は食事を摂らないようにする。また、寝る前30分はスマートフォンやパソコンを見ないようにして刺激から遠ざける、その他、肌触りの良い寝具を使ったり、アロマを使ったりして自分が一番リラックスできる空間を整えるのも良質な睡眠につながります。

すこやかな肌をつくるための食生活

スキンケアをきちんとおこなっていても、食生活が乱れていては美しい肌の状態がキープできません。旬の野菜をうまく取り入れて、バランスの良い食事でビタミンなどさまざまな栄養素をしっかり摂ると、肌の細胞もすこやかに育つでしょう。

忙しいからと言ってジャンクフードばかりの食事や乱れた食生活は、肌荒れにつながってしまいます。また、口当たりが良いからと冷たい飲み物や食べ物ばかり口に入れていると体が冷えて代謝や血行が悪くなり肌のターンオーバーの乱れにつながります。すこやかな肌作りのために体を温めてくれるものを積極的に摂りましょう。

ストレスを溜めない

日常生活や仕事などでストレスを受けることでホルモンのバランスが乱れ、肌のターンオーバーがうまくいかず、バリア機能の低下が生じます。このため頬も乾燥しやすくなってしまいます。ストレスをゼロにすることは難しいですが、軽い運動や自分なりのリラックスタイムを設けて、日ごろからストレスをうまく発散できるように心がけましょう。

室内の加湿

頬を乾燥から護るために、室内の湿度にも気を配りましょう。理想的な室内の湿度は約60%です。湿度が50%を切ってしまうと、肌から水分が奪われ、乾燥が進み始めてしまいます。加湿器や、濡れタオルを干すなどして頬に優しい室内環境を保ちましょう。

頬の乾燥を進めないために

頬の乾燥が気になる方は、生活習慣や環境を整えることや、紫外線対策、保湿を意識した洗顔やスキンケアを徹底することが大切です。また、今は乾燥が気にならないという方も日頃から「乾燥に負けない肌作り」を意識し、頬を乾燥から護りましょう。

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