肌老化は酸化が原因? 活性酸素がお肌に与える影響と酸化の対処法

肌老化は酸化が原因? 活性酸素がお肌に与える影響と酸化の対処法

金属が錆びたりリンゴが茶色く変色したりするように、実は肌も酸化します。肌が酸化するとシミやシワ、たるみなどの肌トラブルを引きおこし、肌老化が加速してしまうため早めの対処が肝心です。

酸化の原因や酸化によって引きおこされるトラブルと、予防法などについて解説していきます。肌の酸化や活性酸素について知りたい方、肌の調子が悪くて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

肌の酸化とは何か?

酸化とは、物質と酸素が結びつくことでおこる化学反応です。身近なもので言えば、金属は金属原子と酸素が結合することによって錆びます。リンゴに含まれるポリフェノールに酸素が反応することで茶色く変色するのですが、これも酸化反応の一種です。

酸化反応がおこるのは私たちの体も例外ではありません。たとえば、酸素を口から吸って二酸化炭素を吐き出す行為も酸化反応の一つであり、細胞内のミトコンドリアが酸素をもとにエネルギーを生成することも酸化です。つまり、酸化反応は生き物が生きていくために必要な現象でもあります。

一方で、肌の酸化はシミやシワ、たるみやくすみなどの肌トラブルの原因にもなるため喜ばしいことだけではありません。

そもそも活性酸素とは

肌の酸化反応は生きていくために必要な現象ですが、紫外線や炎症反応などによって酸化ストレスが生じると、体内で活性酸素が生まれさまざまな不調を引きおこします。肌の酸化もその一つで、活性酸素と体内の鉄分が結合することで、肌や体を酸化させます。

また、活性酸素は生命活動や肌の健康維持に重要な働きをするタンパク質やDNAを傷つけ、機能を低下させる要因となるので早めの対処が必要です。

活性酸素による老化促進

活性酸素の発生原因

活性酸素の発生原因

活性酸素は日常生活で生じる酸化ストレスによって引きおこされます。次は、以下の活性酸素の発生原因について具体的に解説していきましょう。

  1. 太陽光の紫外線
  2. 受動喫煙を含むタバコ
  3. 過度な飲酒
  4. 脂肪の多い食事
  5. 日常的なストレス
  6. ダイオキシンなどの大気汚染物質

太陽光の紫外線

太陽光の紫外線を浴びるとメラノサイト(色素細胞)が刺激され、紫外線から皮膚を護ろうと色素であるメラニンが生成されます。体を護るための反応ですが、細胞内では活性酸素が発生するため紫外線を防ぐことが必要です。

受動喫煙を含むタバコ

タバコの煙には有害物質が多く含まれており、有害物質を吸い込むと肺胞マクロファージが体を護ろうと活性酸素を大量に発生させます。喫煙者だけでなく、受動喫煙でも活性酸素が発生するので注意しましょう。

過度な飲酒

飲酒によって肝臓を過度に働かせると、活性酸素が大量に発生します。楽しく飲んでいても体に負担がかかっている可能性もあるので注意が必要です。またアルコールに弱い方は、とくに注意が必要です。

脂肪の多い食事

脂肪の多い食事は、中性脂肪やコレステロールといった脂質から体を護るために活性酸素を大量に発生させます。脂肪の多い食事以外にも食品添加物によって活性酸素が発生する場合もあるので適切な食事を心がけましょう。

日常的なストレス

精神的ストレスや肉体的ストレスも活性酸素を発生させる要因の一つです。活性酸素は体の免疫機能として働いているため、ストレスからも体を護ろうとします。

ダイオキシンなどの大気汚染物質

ダイオキシンなどの大気汚染物質は肌にダメージを与えるため、体を護ろうと活性酸素の発生が増えます。目に見えなくても体はダメージを受けているので注意しましょう。

活性酸素の影響で肌が酸化するとどうなる?

活性酸素の影響で肌が酸化するとどうなる?

肌が酸化すると、あらゆる肌トラブルに悩まされるでしょう。
ここからは、活性酸素が具体的にどう肌に影響するかを解説します。

紫外線は活性酸素を大量発生させる

活性酸素を発生させる原因のなかでも身近なものが「紫外線」です。紫外線を浴びると体内で大量の活性酸素が発生するため、肌は錆びやすい状態になっています。

活性酸素が繊維芽細胞などを攻撃すると、コラーゲンやエラスチンの生成に影響します。コラーゲンやエラスチンは、肌のハリやうるおいを保つために必要不可欠なタンパク質です。活性酸素によってこれらの生成が阻害されると、肌はハリを保てなくなり、肌にシワやたるみができる原因につながります。

加えて、活性酸素は表皮のメラノサイトも攻撃します。刺激によってメラニンの生成量が増えると、シミとなって表面化するため、肌の若々しさが損なわれてしまうでしょう。

余分な活性酸素を発生させないためには、正しい紫外線対策が必要です。

肌の酸化はシワ・シミ・たるみを増やす

若々しい肌は活性酸素を除去する免疫機能の能力が高いため、仮に活性酸素が発生してもすぐに除去して健やかな肌の状態を保ちます。

しかし、紫外線をはじめとする酸化ストレスに長年さらされたり、年齢を重ねたりすることで活性酸素を除去する能力は著しく低下してしまうのです。除去できず、体内で蓄積された活性酸素は、あらゆる細胞を攻撃し、体の内側から肌の機能を低下させます。

活性酸素により、コラーゲンやエラスチンが減少したりメラニン色素が増加したりして、シワやシミ、たるみ、乾燥などのあらゆる肌トラブルが増加する可能性があります。

活性酸素によるお肌のトラブル

活性酸素の発生を抑制する生活習慣

活性酸素の発生を抑制する生活習慣

肌老化を防ぐためには、日々の対策が大切です。
以下6つのポイントを留意しながら、酸化に負けない肌を目指しましょう。

  1. 紫外線対策をする
  2. 十分な睡眠をとる
  3. 軽い運動をする
  4. ストレスを溜めない
  5. タバコを控える
  6. アルコールを摂りすぎない

紫外線対策をする

肌の酸化を引きおこす要因はさまざまですが、約80%が紫外線による影響だとされています。紫外線はあらゆる肌トラブルのおもな要因でもあるため、天候や季節に関係なく常に紫外線対策をおこなうことが重要です。出かけるときは日焼け止めや日傘などを活用しましょう。

十分な睡眠をとる

健康な肌を保つには十分な睡眠が大切です。脳は体重の2%ほどしかないものの、エネルギー消費量は約20%と高い割合を占めています。そのため活性酸素も発生しやすいため、睡眠を十分にとることで活性酸素の発生を抑える必要があります。質の良い睡眠をとるために、自分に適した寝具を取り入れるのも良いでしょう。

軽い運動をする

運動することは健康に良いとされていますが、激しい運動は呼吸量が急増し、かえって活性酸素を大量に発生させる要因にもなり得ます。ウォーキングや水中歩行などの軽めの運動を取り入れてみましょう。

ストレスを溜めない

ストレスを溜めないようにするには、規則正しい生活が大切です。早寝早起きをしたりバランスの良い食事を摂ったりするのもストレス解消につながります。もちろん趣味に没頭するのも良いですが、趣味が健康を損ねるものであったり、趣味に没頭しすぎて睡眠時間が削られてしまったりしては意味がありません。健康的な生活のなかでストレスを発散しましょう。

タバコを控える

喫煙している方は、タバコを控えるように心がけましょう。いきなりやめるのは難しい場合、1日の本数を決めて少しずつ減らしてみてください。

アルコールを摂りすぎない

お酒を飲む場合は食事と一緒にたしなむようにしましょう。空腹時に強いお酒を飲むと酔いやすくなるだけでなく、胃の粘膜にダメージを受けることもあります。また、毎日お酒を飲む方は、週に2日程度の休肝日を設けて肝臓を休ませてあげることも大切です。

活性酸素の発生を抑制する食生活

活性酸素の発生を抑制する食生活

活性酸素の発生を抑制するには、バランスの良い食事を摂ることが大切です。次は活性酸素や肌の酸化を防ぐ食材や摂り方について解説していきます。

肌の酸化を防ぐ食べ物

年齢とともに活性酸素への免疫力が低下するため、食事やサプリメントから抗酸化作用が期待できる栄養素(抗酸化物質)を摂取しましょう。
以下に、抗酸化作用に効果が期待できる栄養素と食べ物をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

抗酸化物質 食品
ベータカロチン
(ビタミンA)
◎緑黄色野菜類
トマト、人参、カボチャ、ほうれん草、シソ、ニラなど
ビタミンC ◎果物類や野菜類
レモンなどの柑橘類、小松菜、カリフラワー、ピーマン、パセリなど
ビタミンE ◎種実類や魚類
アーモンド、ナッツ、ごま、大豆、カツオ、マグロなど
コエンザイムQ ◎青魚や肉類、ナッツ類
イワシ、サバ、牛肉、豚肉、大豆、ピーナッツなど
ポリフェノール ◎身近な飲料に多い
赤ワイン、緑茶、紅茶、チョコレート、そば、ショウガなど
イオウ化合物 ◎ユリ科やアブラナ科の野菜
長ねぎ、玉ねぎ、にんにく、にら、キャベツ、大根、わさびなど
カロテノイド ◎緑黄色野菜類や柑橘類、魚介類
トマト、人参、ほうれん草、すいか、マンゴー、パプリカ、サケ、イクラ、エビ など

抗酸化物質の摂取方法

ビタミンCは水溶性なので、サッと洗ってサラダなど生で食べるのがおすすめです。また、フルーツの皮にはポリフェノールが豊富に含まれているため、皮ごと食べましょう。さまざまな食材を組み合わせることで、効率良く抗酸化物質を摂取できます。食事だけで摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用しましょう。

正しいスキンケア方法

正しいスキンケア方法

肌への刺激も肌の酸化を進める要因の一つです。普段良かれと思ってやっていたスキンケアが、実は肌に負担をかけていたケースも珍しくありません。日頃のスキンケアを見直し、肌への負担を軽減させましょう。

肌に刺激を与えない

シートタイプのメイク落としやスクラブ洗顔を使っている方も多いでしょう。シートタイプのメイク落としは時間がないときに便利ですし、スクラブ洗顔は毛穴の奥まで洗えているような気がしてきれいな肌を保つために使っている方もいるかもしれません。しかし、頻繁に使っていると肌への刺激が強すぎる可能性があります。

洗顔するときは、なるべく肌に刺激を与えないようにしましょう。洗顔料をたっぷり泡立てて、手のひらではなく泡で洗うように心がけてください。

優しくスキンケアする

肌に美容成分を浸透させるために、肌をパチパチたたきながらスキンケアしていませんか?このようなケア方法をパッティングと言いますが、刺激が強すぎる可能性があります。スキンケアするときは、ぬるま湯やホットタオルで手を温めてから、美容成分が肌に浸透するように手のひらで優しく押すようにケアしていきましょう。

マッサージで血行を良くする

肌の酸化を防ぐには、マッサージで血行を良くするのも効果的です。首まわりやデコルテ(首から胸元)などを週に1回ほど優しくマッサージしてみましょう。

活性酸素によるお肌の酸化に対処しよう

肌の健康を護り、肌老化を防ぐためには、活性酸素への対処法を知ることが大切です。活性酸素そのものの生成を防ぐことはもちろん、日ごろの生活習慣やスキンケアなどを見直し、肌にやさしい環境を作るように心がけましょう。

若々しくすこやかな肌のために、ぜひ活性酸素の対策を試してみてください。

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