足の痛みにも様々な症状があります。
坐骨神経痛や筋肉痛、変形性膝関節症、関節リウマチなど、様々な原因が存在します。
痛みの原因・発生のメカニズムを知ることで、ご自身の痛みと向き合いましょう。
足は、からだを支え、歩く、走る、立つ、座るなどの動きを担っています。
人は立って歩く生活をして普段から足に負担をかけているため、加齢によって骨や関節などが衰えたり筋力が低下したりすることで、若い人でも重い荷物を持ったり激しいスポーツをすると、下半身に痛みが起こることがあります。
また、関節リウマチなどの疾患に伴った痛みもあります。
足の関節に変形が起こったり、摩擦を緩和するための
関節軟骨がすり減ると痛みが起こりますが、
このような足の異常がみられない場合は脊柱
(せきちゅう)の病気が考えられます。
脊柱の中央を貫いている脊柱管の中には多くの
神経が走っています。
日常の腰の過労や加齢によって、これらの椎間板と
椎骨の増殖や変形が起こり、椎間板がせり出したり、
脊柱管を狭くすることで神経を圧迫するので
腰や足に痛みやしびれが生じます。
また、免疫機能の異常による関節リウマチを発症すると、
足の関節に痛みやこわばりが現れることがあります。
足の痛みを発症させる原因の病気として、坐骨神経痛、筋肉痛、変形性膝関節症、関節リウマチの症状をご説明します。
「坐骨神経痛」といわれる痛みの原因は、50才以上の場合は「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」が大部分を占めます。
代表的な症状は「間欠跛行(かんけつはこう)」というもので、しばらく歩いていると腰から足にかけて痛みやしびれが起こり、しばらく休むとまた歩けるようになるというものがあります。
20〜30代の場合は「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」が多く、長時間同じ姿勢でいたり座り続けることが多いと椎間板に負担がかかり、神経の圧迫とともに周囲に炎症が及ぶために、急に腰や足にかけて激しい痛みを引き起こします。
激しい運動などで急に筋肉を使い、限界を超えた負担がかかった時に筋肉に痛みが起こるのが「筋肉痛」です。その代表的なものに「こむら返り」があります。
冷えや体内の塩分バランス、脱水状態によっても起こりますが、部位としては特にふくらはぎに起こりやすいとされています。筋肉が収縮することが原因なので、ストレッチなどで筋肉を伸ばすことによって痛みが治まってきますが、普段から運動をすることで予防することが大切です。
加齢によって関節軟骨がすり減ることが原因で、膝を動かすときに痛みなどが起こる病気です。最初は膝のだるさやこわばりなどの不快感を感じ、次第に立ち上がるときなどの膝を動かし始めるときに、痛みが生じるようになります。
女性に多くみられ、正座や階段の上り下りが負担になりがちです。
また、関節の動きをスムーズにする関節液が過剰に分泌されると、膝に水がたまって膝のだるさを引き起こします。
スポーツ選手や肥満の人は膝の酷使、運動不足による筋力の低下も膝に負担をかける一因となります。
関節リウマチは、免疫機能の異常によって、全身の関節の組織に炎症を起こし、関節が変形してしまう病気です。
手や足をはじめとした関節の腫れや痛み、朝起きたときに関節がこわばって動かしにくくなるなどの症状があり、30〜50代の女性に発症しやすいことが特徴です。
多くの場合、手、足、膝、肘、股関節、肩などに症状が左右対称に現れ、慢性的に痛みが起こります。
放っておくと軟骨や骨が破壊されて手指に関節に変形が起こり、日常生活に支障をきたすようになります。