腰の痛みにも様々な症状があります。
坐骨神経痛や筋肉痛(慢性腰痛・ぎっくり腰)を始め、様々な原因が存在します。
痛みの原因・発生のメカニズムを知ることで、ご自身の痛みと向き合いましょう。
人は立って歩く生活をしているために上半身を支える必要があり、ふだんから腰に大きな負担がかかっています。
その上、加齢によって骨や関節などが衰えたり、若い人でも重い荷物を持ったり、激しいスポーツをすると、腰痛とともに下半身に痛みが起こることがあります。
中腰の姿勢が多い家事や長時間同じ姿勢を続けるパソコン作業などのデスクワーク、自動車の運転や重労働、寒い場所での長時間の労働など、日常生活におけるさまざまな動作や環境が原因となります。
人の背骨である脊柱(せきちゅう)は24個の
椎骨(ついこつ)と仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)が
連なってできており、腰の部分にある5個の腰椎(ようつい)で上半身を支えています。
この連なったそれぞれの椎骨の間で衝撃をやわらげる
クッションの役割をしているのが椎間板(ついかんばん)
です。さらに背骨の中央を貫いている脊柱管(せきちゅうかん)の中には多くの神経が走っています。
日常の腰の過労や加齢によって、これらの椎間板と
椎骨の増殖や変形が起こり、椎間板がせり出したり、
脊柱管を狭くすることで神経を圧迫するので腰や足に
痛みやしびれが生じます。
腰の痛みを発症させる原因の病気として、坐骨神経痛と筋肉痛(慢性腰痛・ぎっくり腰)の症状をご説明します。
「坐骨神経痛」といわれる痛みの原因は、50才以上の場合は「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」が大部分を占めます。
代表的な症状は「間欠跛行(かんけつはこう)」というもので、しばらく歩いていると腰から足にかけて痛みやしびれが起こり、しばらく休むとまた歩けるようになるというものがあります。
20〜30代の場合は「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」が多く、長時間同じ姿勢でいたり座り続けることが多いと椎間板に負担がかかり、神経の圧迫とともに周囲に炎症が及ぶために、急に腰や足にかけて激しい痛みを引き起こします。
腰の筋肉痛の多くは、慢性腰痛とぎっくり腰です。
「慢性腰痛」は、原因が特定できない腰の痛みの症状です。
朝起きたときや長時間体を使ったときに腰に鈍い痛みや重い感じがすることが特徴で、原因としては、腰の筋力の低下、腰への負担や加齢、ストレスなどが考えられます。
「ぎっくり腰」は、重い物を持ったり腰をねじったときに、腰に痛みが起こる病気です。
原因としては、腰椎のねんざや肉離れ、腰の筋肉や筋膜の炎症などが考えられますが、痛みが長引くようであれば椎間板ヘルニアなどの可能性もあります。
どちらの病気も、安静にして痛みがやわらいできたら、腰に負担をかけずに体を動かすことで回復を早めることができます。