ドモホルンリンクルと …

〜50年間の共創〜

Vol.2 贈りもの

「もしかすると、再春館製薬所は日本で一番贈りものが行き交う会社なのかもしれない」そんなふうに思えるほど、壁一面に展示されている「お客様との絆」コーナーには、今日もたくさんの写真や作品が掲げられています。

episode 1 五感で感じる、多彩なギャラリー

 お客様が育てられたという箱いっぱいの玉ねぎを抱えた社員の写真、何号もの会報誌の表紙をコラージュした絵画、瓶製品を包む「残糸タオル」を使った手芸品などが所狭しと展示された「お客様との絆」コーナーの壁。「お客様にいただいた冬瓜とうがんを使ったスープです」と書かれた社員食堂のメニュー。再春館製薬所に来社された方は皆、この「お客様からの贈りもの」がとても身近な文化に驚かれます。
 先日、こんなエピソードがありました。商品サンプルのお申し込み時、「たくさん話せて楽しかった。何か果物ができたら送ってあげる」と話されたお客様から、ご注文に加え、後日本当に果物が届きました。しかもそれは、ご自身が育てた果物はうまく実らなかったとのことで、わざわざご購入され、送ってくださったものだったのです。その贈りものにはもちろんですが、お付き合い歴もまだ浅いお客様がこれだけのお心遣いをしてくださったことに感激しつつ、それほどまでにお喜びいただけたことを心からうれしく感じました。
 「こんなにたくさんの贈りものをいただくことができるのは、それだけの信頼をいただける応対ができたのかな」──「お客様との絆」コーナーは、私たちのそんな小さな自信にもつながっています。

episode 2 世界で一つの、手づくりのお品

 想いが通じ合ったことが心に響いた、数年前のエピソードです。「痛散湯つうさんとう」をご愛用中の当時78歳の女性のお客様より、ご自身が36年間だるまをつくってこられてきたことをうかがいました。魂を込め、生涯現役でだるまをつくり続けられているという、その凛としたお話しぶりに感銘を受け、「ずっとお元気でお過ごしください」とお伝えしたところ、ひと月後、私にだるまを贈ってくださったのです。
 何の前触れもなく届いた、その大きなだるまの背中には、「笑顔で頑張れ!」というメッセージが書かれていました。うれしい驚きに、お礼の手紙と写真、皆で書いた寄せ書きをお送りしたところ、「こんな素敵な贈りものは初めて。私の宝物になりました。うれしさのあまり、明くる日は体が軽く感じたんですよ」というお返事をいただきました。そのだるまは、全社員が通る場所に飾られ、私たちを見守り続けてくれています。

episode 3 お客様への向き合い方を学ぶ

 コールセンターでの研修期間、私が研究開発職として入社した新人で、現在はまだ研修中の身であることをお客様に伝える機会がありました。私のたどたどしさを責めることもなく、「頑張ってね」と激励の言葉までいただいたことへの感謝を込めてお手紙を書いたことをきっかけに、お手紙やクリスマスカードの交換が数年間続きました。
 研修生に対しても温かく家族のように接してくださったそのお客様との思い出は、「だからこそ、私もお客様一人ひとりを大切にしたい」と身をもって感じることのできた学びでした。あの時「仕事が頑張れるように」といただいたハンカチは、今も大切な存在です。

episode 4 「ドモホルンリンクル」という贈りもの

 お会いしたお客様に、「ドモホルンリンクルを使うようになり、それまで共通の話題が少なかった母との交流が増えたんです。ドモホルンリンクルを購入してプレゼントすることが、親孝行の時間になってるの」というエピソードをうかがいました。「ドモホルンリンクル」という贈りものが、お客様とお母様とをつなぐ幸せな時間をつくっている──私たちが扱っているものは、単なる「商品そのもの」だけではなく、こういった「価値」でもあるのだと。その誇りに胸が熱くなったことを覚えています。