
ドモホルンリンクルと …
Vol.8 熊本への恩返し
column 1 名水の地・熊本を守る

「熊本になくてはならない会社」であることを目指し、再春館製薬所が取り組み続けることの一つが「水を還(かえ)す」活動です。熊本は、阿蘇の活火山の炎が由来ともされる雄大な「火の国」と、清らかな地下水が湧き出す水源を1500カ所以上も有する「水の国」の両面を併せ持っています。昨今、世界的な半導体メーカーが日本初の生産拠点を設けたニュースが世間を賑わせていますが、その場所が再春館の本社からほど近くにある理由も、半導体製造には豊富な水資源が欠かせないからです。この、世界に誇る地下水脈を未来につなげ、育てる一助を担うため、敷地の7割が緑地の「再春館ヒルトップ」では、雨水を地下浸透させ、帯水層に水を供給する「涵養(かんよう)」を行い、使用した分よりも多い年間約20万トンもの水を地下水として戻すことで、水の循環が生まれる場所としての整備を行っています。さらには、昨年実施した「お客様参加型」施策において売上金の一部を寄付するなど、公益財団法人「くまもと地下水財団」への継続的支援も。お客様と再春館製薬所の絆が社会を元気にして、やがてその恵みが製品の原料として再びお客様のもとへ。そんな循環が生まれ続けることが、私たちの願いです。
column 2 陸と空の玄関口に木々を

夏目漱石は熊本の豊かな自然を「森の都」と評しました。その風景を未来にも引き継ぐため、公益財団法人再春館「一本の木」財団は、人と自然が共生する地域社会づくりのための事業を推進し、親子を対象にした自然体験学習会の開催のほか、自然保護・環境保全に寄与する事業への助成などを行っています。
なかでも「熊本を訪れる人たちを出迎えたい」という想いで始めた、九州新幹線が到着する“陸の玄関口”熊本駅を望む「万日山(まんにちやま)」への植樹・維持管理事業は、雑草で覆いつくされていた山の環境整備と土壌回復から着手。社内や阿蘇で育てた500本以上の幼木を植栽し、いまでは春には桜、秋にはモミジの名所として地元で広く愛される場所となりました。同様に、“空の玄関口”熊本空港から市街地に続く、通称「第二空港線」でも、熊本県との協定のもと900本以上の桜やツツジなどの植樹を行い、多くの人の目を楽しませています。
column 3 再び元気を取り戻すために

再春館製薬所は、2016年の「平成28年熊本地震」で震度7を記録した熊本県益城町に本社を構える企業です。復興のシンボルである熊本城の修復費寄付や「心のつながり」を育む地域支援活動、自社で運営する「再春館製薬所 ふるさと納税サイト」で益城町の返礼品としてドモホルンリンクルを提供する理由も、すべては「激甚災害を受けた熊本が、元気を取り戻してほしい」という願いから。
震災の年に行った「サンクス・イルミネーション」の再点灯もその一つでした。1993年当時、まだ馴染みの薄いクリスマスのイルミネーションを熊本でも楽しんでもらうため、旧社屋の一本の木の飾りつけから始まった取り組みは、「再春館ヒルトップ」移転後、全国にも類を見ない、全長2kmのドライブスルー形式規模にまで拡大。広い敷地内に社員が設置した400万球のLEDによる光のオブジェは冬の風物詩となり、震災の前年にその役割を終えるまでの22年間で、約100万人の来場者を記録するまでに。再点灯は、被災地でともに生きる企業として「束の間でも地元に希望と明るさを」という復興への祈りでもありました。
現在の熊本は、震災前のように多くの観光客で賑わいを取り戻しています。「元気な熊本」の再生を信じて行った取り組みが、少しでもその支援になれたのであれば―私たちにとって、これ以上のことはありません。