まだまだ若いのに見た目が老けて見えてしまう方は、ほうれい線の影が影響しているかもしれません。ほうれい線のへこみが暗く見える理由は必ずしも、加齢によってシワが深くなったからとは限りません。

加齢によるシワと単なる影の違いを正しく理解し、メイク、エクササイズなどの対策を通じて、ほうれい線の影を目立たなくする日々の工夫を紹介します。

ほうれい線の影が濃く目立つ原因はなぜ？

「口元の影が若いのに目立つ」と感じるときは、ほうれい線の影が影響しているかもしれません。

肌そのものに深いシワが刻まれているのではなく、光の加減、骨格、肌のハリの低下などが複雑に絡み合って影を生み出しているケースです。

見た目の年齢を大きく左右する影が目立つ原因をここでは紹介します。

顔立ちや骨格、頬の厚み

ほうれい線の影が若いのに目立つ場合、生まれつきの顔立ちや骨格が関係している可能性もあります。

たとえば、頬骨が高く、目鼻立ちがはっきりしている方の場合、頬の起伏が大きいため、口元との高低差で影が生まれやすくなります。

鼻周りや中顔面（ちゅうがんめん）に骨格によるへこみがある場合、小鼻の脇から口角にかけて影ができやすくなるため、若いのにほうれい線が目立ってしまう方もいます。

口元が前に出ている方、歯並びに問題がある方も、口元との境目に陰影が強調されがちです。結果として、ほうれい線の影が濃く見えてしまうケースがあります。

頬の脂肪が厚い方も、ほうれい線の影が目立ちやすい傾向があります。頬がふっくらしていると、頬の厚みと口元との間に段差が生じ、影ができやすくなります。

顔のむくみ

顔のむくみも、ほうれい線の影を強調する要因の一つです。寝不足や塩分の取りすぎで顔がむくんでいると、皮膚の下に余分な水分が溜まり、頬自体が膨らんで下垂します。

その結果、普段は気にならないほうれい線の部分に影が濃く現れ、「見た目の印象が急に老けた」と本陣が感じてしまう場合もあります。

正しい顔のむくみ対策のポイントについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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肌の乾燥

若いのにほうれい線の影が目立つ要因として、肌の乾燥も見逃せません。

うるおいのあるふっくらした肌は光を均一に反射します。一方で、乾いて弾力を失った肌には表面に、ガサガサができたり、へこみができたりしやすくなります。

キメが乱れ、小ジワが目立ちやすくなると、表情ジワの一種であるほうれい線のへこみも深く見え、影が強調されます。

生まれながらに乾燥肌の方、アトピー性皮膚炎のある方も、ほうれい線が目立ちやすい傾向にあります。

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ほうれい線の影対策はメイクの工夫が効果的

加齢による深いシワが原因ではなく、生まれながらの顔立ちなどが原因でほうれい線の影が濃く見えている場合、メイクでのカバー術によって影が目立たなくなる、消える可能性はあります。

高度な技術は必要ありません。厚ぬりではなく、ナチュラルにカバーする方法をここでは紹介します。

光を反射する下地やファンデーションの選び方

メイクで影を飛ばすには、光を反射する下地やファンデーションの選び方が重要になります。マットな質感よりも、光を集めるツヤ感のあるタイプの方が、ほうれい線の影を明るく見せられます。

下地は、肌よりも少し明るい「トーンアップ下地」を使います。ファンデーションはパウダーよりも、リキッドやクッションファンデーションを選んでください。水分と油分を含むためツヤ肌に仕上がります。

時間の経過とともにファンデーションがヨレて、ほうれい線の溝に溜まってしまわないように、スポンジを使ってしっかり密着させましょう。

ただし、厚ぬりするのではなく、あくまでも薄く伸ばす意識でメイクしてください。ほうれい線自体が目立ちにくくなります。

ハイライト・コンシーラーの使い方

ほうれい線の影をメイクで隠すためには、ファンデーションを薄くぬった後に、コンシーラーとハイライトを併用します。

肌のへこみに明るさを与えるコンシーラー、影を飛ばすハイライトをうまく組み合わせると、効果的にほうれい線の影をカモフラージュできます。

まず、肌よりもワントーン明るい液状コンシーラーを用意し、ほうれい線と交差させるように放射線状に乗せます。柔らかいテクスチャーのコンシーラーを選び、指先で軽くたたくようにぼかすと、ほうれい線の境目が明るくなり、影が目立たなくなります。

次に、Cゾーン（眉尻、目尻、こめかみ、頬骨の上部）や額、鼻筋、目頭の下からあごにかけてハイライトを乗せると、ほうれい線の存在感を紛らわせる効果が得られます。

パール顔料（微細な光沢粒子）が控えめな（またはパールレスの）ハイライトを手の甲に取って、薬指の腹でなじませ、ほうれい線の部分に重ねてください。

ほうれい線の深い部分に赤みがある場合、ブルーハイライトをなじませると、ほうれい線自体の目立ちを軽減できます。

エクササイズやマッサージでもほうれい線の影は対策・対処できる

メイクの工夫に加えて、日々の徹底したケアでも、ほうれい線の影を目立ちにくくできる可能性があります。

ここでは、無理なく続けられる対策を紹介します。専門的な知識がなくても取り入れやすい方法ばかりですので「今日からできること」として試してください。

リンパマッサージをする

顔のむくみは、ほうれい線の影を目立ちやすくします。老廃物や余分な水分によって顔のむくみはおこりますので、リンパマッサージをすれば改善が期待できます。

顔周辺のリンパ節（リンパ管の途中にある小さな節）は耳の下、あごの下にあります。リンパ節を意識したリンパマッサージを実践してください。

＜顔のリンパマッサージ＞

（1）小鼻の脇に指の腹を当て、耳の付け根に向かって、頬骨に沿うように優しく順番に押していく

（2）首の側面に沿って、耳の下から鎖骨に向かい手のひら全体をなで下ろす

＜あごのリンパマッサージ＞

（1）あごを上げる（マッサージ中はずっとあごを上げる）

（2）下顎骨（かがくこつ）のおとがい（あごの先端）の真下に両手の親指を押し込む（5秒押し続ける）

（3）おとがいとえらの中間（両目の位置から真下に引いた線が下顎骨と交わる場所）に両手の親指を移動させ、骨の下に親指を押し込む（5秒押し続ける）

（4）えらの下に親指を移動させ、骨の下に押し込む（5秒押し続ける）

いずれのリンパマッサージもクリームなどを使い肌の摩擦と負担を最小限にします。

塩分やアルコールの取りすぎを控える

塩分の取りすぎは顔のむくみにつながります。顔のむくみは、ほうれい線の影を目立たせるため、塩分の取りすぎに注意します。

＜塩分を控える工夫＞

• 外食、インスタント食品、冷凍調理品には塩分が多く含まれがちなので口にする頻度と量に注意する
• ハーブ、スパイス、香味野菜などを調理に生かし普段の食事の塩分量を減らす

アルコールについても、摂取量が増えると顔のむくみにつながります。アルコールの血中濃度が高くなると、血を薄めようと血管内に水分が増え、血管から水分が染み出して顔がむくみます。

アルコールを口にする頻度と摂取する量にも意識的になりましょう。

生活習慣をあらためる

各種の生活習慣の改善によっても、ほうれい線の影を目立たせる顔のむくみを予防できます。

• 湯船につかって体を温め、血行を改善する
• 日常の身体活動やエクササイズを心がける
• 寝不足、寝すぎをしない

体が冷えたり、運動不足が続いたりすると、血液やリンパの流れが滞り、むくみの原因になります。5時間以下などの寝不足も、10時間以上などの寝すぎも、顔のむくみにつながると言われています。

肌に良い生活習慣について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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肌の乾燥対策を常に意識する

肌の乾燥対策も、ほうれい線の影を目立たなくするために重要です。

• 食事の栄養バランスを見直す
• 洗顔時の摩擦を避ける
• 紫外線対策を日常的にする

普段の食事では、肌のターンオーバーを正常化し、肌の水分保持力を高め、バリア機能の改善に役立つ栄養素を積極的に摂取します。

具体的には、

• 真皮の保水力を保つコラーゲンの材料となるタンパク質
• コラーゲンの生成を促すビタミンC
• 皮膚の代謝をサポートするビタミンB2、B6、およびビタミンA
• 皮脂膜の酸化を防ぎバリア機能の改善に役立つビタミンE

といった栄養素を、乾燥対策で積極的に摂取してください。

洗顔時の摩擦も、肌のバリア機能の低下を招き、水分の蒸発、乾燥肌の要因となります。洗顔時には、ぬるま湯を使ったり、洗顔料をしっかり泡立てて泡で洗う意識を持ったり、タオルで水をふくときには押さえるようにしたりと、ダメージが肌に及ばないように工夫します。

紫外線も、肌のバリア機能を低下させ、水分の蒸発しやすい状況をつくります。日焼け止めを小まめにぬり、無防備な状態で外に出ない、屋内の窓際などでも油断しないといった対策が求められます。

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ほうれい線の影に関するよくある質問

まだ20代なのにほうれい線の影はなぜできる？

20代や30代前半でも、顔の骨格や筋肉のつき方によっては、ほうれい線の影は目立ちます。

頬骨が高い方や鼻の横にくぼみがある方は、光の加減で影ができやすく、ほうれい線が強調されて見える傾向があります。

頬にボリュームがある方も、ほうれい線の影が出やすい場合があります。生まれながらの顔立ちや骨格が影響している場合、年齢は関係ありません。

光の加減、暗い場所で、ほうれい線の影やへこみは目立ちやすくなる？

光の当たり方によってほうれい線の影が濃く見える場合もあります。

上からの照明や斜めから差す強い光は顔の凹凸を際立たせるため、ほうれい線のへこみに影が落ちます。

ただし、一時的な見え方の問題であり、肌そのものが老け込んだわけではありません。

明るい場所では目立たないようなら、照明環境による影の可能性が高いです。

ほうれい線の影はマスク生活で悪化する？

マスク着用が習慣化した生活は、ほうれい線の影を目立ちやすくする可能性があります。

長時間のマスク着用では、呼吸により内部の湿った状態が続きます。湿った状態のマスクを外すと、外気との湿度差で肌が水分を一気に失い、口元の水分バランスが崩れて、乾燥による肌の小ジワが目立ってしまう場合もあるからです。

また、年齢の高い方の場合は、マスクで口元を隠した状態が続くと、表情筋の衰えを招き、頬の支えが弱くなって、ほうれい線の影が濃くなってしまう場合があります。

ほうれい線はやせたらどうなる？

急激なダイエットや過度な減量をすると、ほうれい線の影がかえって目立つ場合もあります。

適度な脂肪が頬にあればハリを保っていられますが、急激にやせると伸びた皮膚が余ってしまい、ほうれい線が深くなったり、影が濃く出やすくなったりします。

過剰なダイエットによる食事制限により、栄養不足がおきると、肌のハリや弾力が失われ、ほうれい線が悪化する場合もあります。

ほうれい線の影とシワは違う。正しい対策をすれば「影は消える」

ほうれい線が濃く見えたとき、加齢によるシワなのか、生まれながらの顔立ちによる影なのか、生活習慣による変化なのか、光の加減にすぎないのか、正体を見極める必要があります。

光の加減や骨格、生活習慣の変化による影であれば、必ずしも老化が急激に進んだわけではありません。

毎日のトレーニングやマッサージ、生活習慣の改善、メイクの工夫により、ほうれい線の影の印象は変えられます。すぐに始められる対策を地道に継続して、口元の印象を変えてください。