笑いジワが目元にできる人は、かわいい印象を周囲に与える場合があります。しかし、口元の深い笑いジワが真顔になってもすぐに戻らなくなってきたなど、年齢を感じさせる笑いジワができる人は、進行を抑えるための対策を始めた方が良いかもしれません。

本記事では、ほうれい線などの笑いジワが目立ち始めた方に向けて、笑いジワの正しい知識と予防・改善の方法を分かりやすく解説します。

目元・口元など笑いジワの特徴と種類を解説

笑いジワとは、笑ったときに目元や口元に現れるシワです。表情を戻すと消える「表情ジワ」の一種ですが、肌の乾燥や紫外線ダメージがある人には笑いジワが残りやすい傾向があります。

まずは、笑いジワの基本的な特徴と、できやすい人の特徴、部位別の種類についてまとめました。

笑いジワができる人の特徴

笑いジワとは、笑ったときに目元や口元に現れるシワで、表情を戻すと消えるタイプのシワを指します。

表情ジワは若い肌だとすぐに消えますが、肌のハリ・弾力が加齢で低下すると、皮膚の上に刻まれる跡が濃くなり、無表情でも消えないくらい深いシワに進行します。

特に、肌が乾燥しやすい人、皮膚が薄い人、若いころから日焼けを重ねた人は笑いジワが目立ちやすい傾向にあります。

当然ながら、明るくてよく笑う人も、同じ部分に繰り返し折り目が付くため、年齢とともに笑いジワが定着しやすくなります。

笑いジワの種類と部位（口元・目元・おでこ）

笑ったときにできるシワには、部位によって幾つかの種類に分けられます。

目元の笑いジワは、複数の細かいシワが目尻から放射状に広がるため「カラスの足跡」とも呼ばれます。

眼輪筋（がんりんきん）の収縮によって生じ、加齢とともに皮膚の弾力が失われると定着しやすくなります。

口元の笑いジワは、口角の横に現れます。えくぼをつくる笑筋（しょうきん）の働きによって生じます。

おでこの笑いジワは、横方向に線が入るように現れます。おでこの表情筋は縦に走っており、驚いたときや目を見開いたときにまゆを上げる（表情筋を引き上げる）癖があると、深いシワが横方向に刻まれやすくなります。

笑いジワとほうれい線の違い

笑いジワは、笑ったときにだけ現れ、笑顔をやめれば消える特徴があります。そのため、表情ジワとも呼ばれます。

一方、ほうれい線は、鼻から口元にかけてできた溝で、顔の骨格、筋膜の緩みなど構造的な要因によって生じます。真顔になってもシワは消えません。

赤ちゃんにも存在する顔の境界線ではありますが、頬のたるみ、顔の脂肪の変化など年齢とともに溝が深く目立つようになる特徴があります。

笑いジワができる5つの原因

笑いジワが深くなる背景には多くの要因があります。肌内部の変化をもたらす加齢、生活習慣、紫外線、乾燥、骨格や筋肉の形状の変化などが関係しています。

ここでは、笑いジワができる代表的な原因について解説します。

表情の癖

表情の癖は、笑いジワの要因の一つとされています。同じ表情を長年繰り返すと特定の筋肉が収縮し、特定の部位の肌に折り目が付きやすくなります。この折り目が蓄積されるとシワとして定着します。

「笑う人ほど目尻にシワができる」と言われる理由は、笑顔による表情筋の反復使用によってシワとして皮膚に癖が現れるためです。

逆に、あまり笑わず、険しい表情を見せる時間が長い人は、眉間（みけん）に縦ジワが刻まれやすくなるので注意が必要です。

加齢

加齢は、笑いジワを濃くさせる大きな要因とされています。肌内部のコラーゲンやエラスチンが年齢とともに減少し、肌の弾力が低下すると、笑ったときに出るシワが元に戻りにくくなります。

加えて、加齢に伴う皮下脂肪の減少、皮下脂肪の下垂も笑いジワの進行を助長します。

紫外線や乾燥などの外的ダメージ

紫外線や乾燥といった外部環境によるダメージも笑いジワを生み出す大きな要因です。特に、紫外線A波は、肌の奥の真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊・変性させ、シワをできやすくします。

一方、乾燥も、笑いジワを深める原因です。乾燥で弾力を失った肌では、笑ったときにできた折り目がそのままシワとして残ってしまいます。

冬場や冷房・暖房による乾燥環境では想像以上に肌の水分が奪われます。乾燥は細かいシワを増やし、やがて深い笑いジワにつながります。

骨格や筋肉、脂肪のつき方

顔の骨格、筋肉、脂肪の付き方など先天的・構造的な要因も笑いジワのできやすさに関係します。

たとえば、目元の骨格が立体的な人は笑いジワができやすいといわれています。

また、眼輪筋などの表情筋に過剰な収縮やアンバランスな使い方があると、特定の部分にシワが定着しやすくなります。

笑ったときのシワの目立ちやすさは顔の脂肪の付き方でも左右されます。

間違ったケアや生活習慣

日々のケアの誤りや不摂生な生活習慣も笑いジワを悪化させる要因になります。

たとえば、強い力で洗顔するなど肌に摩擦を加える日々のケアはシワを増やします。洗顔後に放置すれば乾燥による小ジワも増えます。

生活面では、睡眠不足、栄養バランスの偏り、喫煙などが肌のターンオーバーを乱し、老化を早めるとされています。特に、喫煙は、コラーゲンを分解する活性酸素の量を増やし、笑いジワを含めたシワを増やします。

笑いジワは消すべき？魅力として残すべき？

笑いジワを消してしまうべきか、自分の魅力の一部として受け入れるべきかは悩ましい問題です。

笑いジワには、笑顔をよりチャーミングに見せる効果がある一方で、深く刻まれすぎると老けた印象を与えてしまう側面もあります。

ここでは、好印象を与える笑いジワと老け見えの原因となるシワについて紹介します。

笑いジワが与える好印象とは

笑いジワは、「かわいい」「チャーミング」といった好印象を与えます。「この人は一緒にいて楽しそうだ」「共感してくれている」といったポジティブな感情を相手に伝える役割も果たします。

実際、笑ったときに、目尻にシワが寄る笑顔は、他人に良い印象を持たれやすい傾向があります。

目尻の笑いジワは、どのような人生をこれまでに過ごしてきたのか、どのような表情をして過ごしてきたのかが現れる部位でもあります。

笑顔のすてきな人が魅力的に見える理由は、人柄をシワが引き立てているからです。適度な笑いジワは、その人らしい魅力を高める大切な要素といえます。

老け見えを防ぐためのケアとのバランス

しかし一方で、笑いジワの部位、深さによっては老けた・疲れた印象を与えるため、ケアとのバランスが重要です。

たとえば、目尻の笑いジワがくっきりと出る場合、実年齢以上に老けて見える場合があります。

他にも、表情ジワとして口元に出る笑いジワが、真顔になってもすぐに消えなくなってきた、ほうれい線と見間違いがおきるくらいに目立ってきた場合は、老けや疲労を感じさせる可能性があります。

ただし、シワを気にして笑わなくなると、かえって表情筋が衰え、たるみが進行し、シワを悪化させます。

悪目立ちする笑いジワは的確にケアしつつ、魅力や個性を表す笑いジワは「むしろ大切に育てる」という前向きな姿勢が大切です。

笑いジワを予防・改善するセルフケア

笑いジワを予防・改善するセルフケアには、日々の肌のお手入れや紫外線対策、表情筋マッサージ、生活習慣の見直しが挙げられます。

一度深く刻まれてしまったシワをセルフケアだけで消すとなると大変ですが、日々の努力で進行を遅らせる、目立たなくする方法はあります。

笑いジワが浅いうちに効果的な予防ケアを始めましょう。

スキンケアと紫外線対策

笑いジワの予防・改善には、日々の肌のお手入れと徹底した紫外線対策が欠かせません。

肌の乾燥は、シワを引きおこす大きな要因です。洗顔後は化粧水で水分を補い、乳液やクリームで油分を補給して水分の蒸発を防ぎます。

特に、笑いジワができやすい目元、口元は非常に乾燥しやすいため、アイクリームや部分用美容液をプラスして念入りにお手入れしましょう。

また、紫外線対策も年間を通じて欠かさないでください。日差しの強い夏場だけでなく、季節を問わず、日焼け止めを毎日隅々までぬる習慣が重要です。

特に顔は、汗や摩擦で日焼け止めが落ちやすいため2〜3時間おきにぬり直すと効果を維持できます。帽子、日傘、サングラスなども活用して肌への紫外線のダメージを減らしましょう。

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表情筋マッサージ・エクササイズ

目元、口元の表情筋をマッサージやトレーニングでほぐす、鍛える習慣は、笑いジワのケアに有効です。

表情筋マッサージをする場合、シワができやすい部分を指の腹で優しく押すだけでも効果があります。

強く押しすぎず、ゆっくりマッサージすれば、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、シワの改善が期待できます。次に、エクササイズの一例を紹介します。

＜口元エクササイズ＞

1. 右側の口角に中指と薬指を置き、少し強めに圧をかけながら、小鼻の横まで5秒かけて頬を押し上げる
2. 左側も同様に、口角から小鼻の横まで5秒かけて引き上げる
3. 1〜2を3回繰り返す

肌への摩擦を抑えるため、化粧水や美容液を使う肌のお手入れのタイミングで日々おこないます。

効果的な表情筋のトレーニングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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生活習慣の見直し

睡眠、食事、喫煙など生活面の見直しも笑いジワ対策には欠かせません。

肌は、夜眠っている間に修復・再生されるため、睡眠を十分にとってください。睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌低下やターンオーバーの乱れを招き、シワができやすい肌状態になります。

加えて、コラーゲンの材料となるたんぱく質やビタミンC・鉄分をバランス良く含む栄養豊富な食事を心がけます。

食物繊維や発酵食品を積極的に取り、腸内環境を整え、肌の老化予防を促して、シワを予防します。

喫煙も、肌のコラーゲンを減少させ、老化を加速させるため、シワ対策の観点からも大きなデメリットがあります。禁煙するまたは極力本数を減らす工夫を心がけましょう。

まとめ｜笑いジワと上手に向き合いかわいい印象を

笑いジワは、人生を重ねた証しであり、その人らしさを引き立てる魅力のひとつです。

深いシワは年齢を感じさせる要因となりますが、シワを気にして笑顔を控えるなどしていると、表情筋が衰えてかえってたるみとシワを悪化させます。

丁寧な肌のお手入れとすこやかな生活習慣のなかで、悪目立ちする笑いジワは的確にケアしつつ、個性を表す笑いジワについてはある程度受け入れる前向きな姿勢を心がけてください。