健康的な食事とは?食生活の改善効果と栄養バランスを解説

健康的な食事とは?食生活の改善効果と栄養バランスを解説

栄養バランスを考えた食生活は、年齢に見合ったあなたらしい美しさを体現するためには欠かせません。すこやかな体にこそ、肌本来の美しさが宿ります。もしも、乱れた食生活を送っているなら、健康的な食事を意識してみましょう。

この記事では、健康的な食事について、食事例や必要な適切量も合わせてご紹介します。

健康や美容のために食生活を変えたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

そもそも健康的な食事とは

和食がメインの健康的な食事

健康的な食事とは、栄養バランスが良く、腹八分目を心がけた食事のことです。一日に必要な栄養素とエネルギーを補うために、一日3食取り入れることが重要とされており、できるだけ決まった時間に食べるよう推奨されています。

食事で大切なのは、カロリー(摂取エネルギー)と消費エネルギーのバランスです。

たとえば、食事のカロリーが消費エネルギーを上回ると肥満に、食事のカロリーが消費エネルギーよりも低くなると栄養不足により体重が減少してしまいます。健康面で問題がないと食事をついおろそかにしてしまいがちです。しかし、いまは問題がなくても5年後、10年後に不調となって現れるかもしれません。そのため、規則正しい食事を意識することが大切なのです。

健康的な食事の献立例

和食は主食、主菜、副菜、汁物で構成されており、理想的な栄養バランスを持つ食事とされています。

主食の炭水化物は活動のエネルギー源となり、主菜のお肉や魚は体を構成するタンパク質を供給。副菜や汁物は、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜や海藻が多く使われているため、体の調子を整えるのに役立ちます。特に汁物は栄養補給だけでなく、水分補給の役割も担っています。

このように、私たちが昔から親しんできた和食は、日本人にとって理想の健康的な食事と言えるのです。

ここからは漢方の視点を取り入れて、健康的な食事の献立例について深掘りしていきます。

「五味」を取り入れた朝食を摂る

漢方では、「五味(甘・酸・辛・苦・鹹)」のバランスが体調管理において重要だとされています。昔の人々は、この五味を朝食で自然に取り入れる工夫をしていました。たとえば、小鉢に少しずつ異なる味覚の料理を並べ、それぞれの味覚がいつも通り感じられるかどうかで、自分の体調をチェックしていたと言われます。

具体例:

  • 甘味:ご飯や芋類
  • 酸味:梅干しや酢の物
  • 辛味:生姜やわさび
  • 苦味:ほうれん草のおひたしやふきのとう
  • 鹹味:味噌汁や漬物

もし「今日は酸っぱいものがきつい」と感じたら、それは胃腸が疲れているサインかもしれません。このように五味を意識した朝食は、体調管理だけでなく、一日のエネルギー補給にも役立ちます。

季節ごとに体の変化に合わせた食材を取り入れる

献立には、季節ごとに異なる体の変化に合わせた食材を取り入れることが大切です。

たとえば、春におすすめなのが「山菜」です。

冬の間、私たちの体は寒さに備えてエネルギーを蓄え、代謝がゆっくりと進む「休息モード」に入ります。しかし、春が訪れると自然界と同じように体も目覚め、冬の間に溜まった老廃物や余分な脂肪を排出する必要があります。このプロセスを助けるのが、春の旬の食材である山菜や苦味野菜です。

動物たちは冬眠から目覚めると、最初に春の山菜を食べることが知られています。これは、山菜に含まれる苦味成分が体内のデトックスを促し、新しい季節に向けて体調を整える働きがあるためです。ふきのとうや菜の花などは、その独特のほろ苦さで胃腸を刺激し、代謝を活性化させる効果が期待されます。

私たち人間も、この動物たちの知恵を参考にすることで、春先に体内リセットを図れます。「春の皿には苦味を盛れ」という言葉があるように、春には苦味野菜を積極的に取り入れることで、冬に溜まった老廃物をスッキリと排出しやすくなるのです。

このように、季節に応じた食材選びは、体の調和を保つために重要と言えます。

食生活改善による5つの効果

健康的な食事をしてきれいな肌を保っている女性

健康的な食事を続けると他にどのような効果が期待できるのでしょうか。

以下では、健康的な食事で期待できる効果についてご紹介します。

腸内環境が整う

栄養バランスを考えた食生活を送ると腸内細菌が多様化し、腸内環境を整えることにつながります。

人の大腸は約1,000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内フローラ)が生息しており、善玉菌や悪玉菌のような単純な善悪では捉えきれないほど複雑に作用し合っています。実際、悪玉菌は増えすぎると便秘や下痢の原因になりますが、まったくいなくなると善玉菌が働かなくなるため、腸内フローラには欠かせません。

最近の研究では、腸内フローラの多様性が高いほど健康維持につながるとされているという結果も出ているため、主食、主菜、副菜をそろえた栄養バランスの良い食事を摂ることを意識しましょう。

自律神経の乱れを防ぐ

自律神経が乱れると、心身がリラックスできない、疲れがとれない、寝つきが悪くなるなどの影響が出てしまいます。自律神経の乱れは、健康や美容に悪影響を及ぼすので、日々の食事の栄養バランスを意識し、体の内側から調子を整えることが大切です。

集中力が高まる

決まった時間に食事を摂ると、体内時計がきちんと働き、仕事や勉強に集中できます。

一日は24時間ですが、体内時計は24時間よりも少し長くなっています。そのため、生活リズムが崩れ体内時計が乱れると、体調を崩しやすくなり集中力が低下してしまうのです。

体内時計をリセットするには、朝日を浴びたり朝食を食べたりすることが必要です。また、栄養バランスの良い食事を決まった時間に食べると、体内時計を整えることにつながります。

日中に眠気を感じる方は、食生活と生活リズムを見直しましょう。

健康を維持できる

健康的な食生活は、体の健康維持に役立ちます。

食事に使用される肉や魚、野菜、果物には、たくさんの栄養素が含まれています。食材に含まれる栄養素の力を借りて、私たち人間はすこやかさを得ているのです。

仮に、毎日糖分や脂質の多い食事を続けると、体はたちまち調子を崩してしまうでしょう。消化の際、胃や腸には負担をかけてしまい、腸内細菌のバランスが乱れて腸内環境も悪くなってしまうかもしれません。

きれいな素肌が保てる

栄養バランスのしっかりした食事が、肌本来の美しさを保つためには大切です。

毎日のように揚げ物やファストフードといった脂質の多い食事をしていると、皮脂が過剰分泌されることがあります。皮脂の過剰分泌は毛穴の開きや黒ずみ、肌アレなど、あらゆる肌トラブルの原因となるのです。

肌本来の美しさは、肌表面だけでなく、体の内側からも磨かれるものです。素肌に自信がない方、肌の健康を守りたい方は、まず食事の内容を見直してみてください。

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健康的な食事に必要な3つの条件

健康的な食事をのせるお皿とカテラリー

健康的な食事には、次の3つの条件があります。

栄養バランス

健康的な食事は、6大栄養素を毎日欠かさず食べることが重要です。6大栄養素とは、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維のことです。6大栄養素のどれかが欠けるのも偏るのも良くありません。一日3食を基本に、食卓を一汁三菜の構成にすれば、バランス良く栄養が摂取できるでしょう。

食べる量

健康的な食事には、食べる量も関係しています。食事をする際に満腹になるまで食べてしまう方は多いでしょう。しかし、満腹まで食べると消化に多大なエネルギーを要し、胃腸に負担がかかるので健康的な食事とは言えません。食べる量は常に、腹八分目を意識しましょう。

食事のタイミング

健康的な食生活を送るには、決まった時間に食事を摂ることが大切です。漢方的には、午前は陽気を活性化させ、午後はエネルギーを補給し、夜は休息に備える時間とされています。このリズムに合わせて、朝食はしっかり摂り、昼食で適度にエネルギーを補い、夜は軽めの食事にすることで、体内時計が整い、健康を維持できます。

特に朝は体内時計をリセットする重要な時間です。朝日を浴びて、朝食をしっかり摂り、代謝や心身のバランスを整えましょう。

健康的な食事の栄養バランスとは?

健康的な食事をして微笑む女性

健康的な食事の栄養バランスは、必須栄養素を欠かさず摂ることが基本です。以下では、6大栄養素についてご紹介します。

炭水化物・脂質・タンパク質

3大栄養素とも呼ばれる、炭水化物、脂質、タンパク質は、体の活動に欠かせない栄養素です。

炭水化物と脂質は、体を動かすエネルギー源となります。

炭水化物は、食事全体の50〜65%が理想とされています。脂質は、20〜30%が理想です。

タンパク質は、体をつくる原料です。

皮膚や骨、筋肉、血液などはタンパク質からつくられています。タンパク質は、食事全体の13〜20%が理想とされています。

3大栄養素はどの栄養素も必須ですが、どれかに偏りすぎないよう注意しましょう。

ビタミン・ミネラル

ビタミンとミネラルは、体の調子を整えるために必要な栄養素です。ビタミンとミネラルは、3大栄養素の働きを助ける効果があり、健康維持には欠かせません。体内で生成できない栄養素で、不足すると体調不良をおこします。基本は食事から摂取することが望ましいですが、不足しがちなビタミンとミネラルはサプリメントで補いましょう。

食物繊維

食物繊維は、野菜やフルーツ、海藻類などに含まれる必須栄養素です。食物繊維そのものは、直接吸収されませんが、腸内細菌のエサになり腸の働きを活性化させます。食物繊維の一日推奨摂取量は、21g以上です。不足すると腸内環境が悪化し、体に不調をきたします。積極的に食物繊維を摂るよう心がけましょう。

あなたにとって必要な食事の適量を知ろう

理想的な食事の量は人それぞれ異なりますが、農林水産省による「食事バランスガイド」には基本的なエネルギー消費量を目安にした一日の食事の適量が記されています。

主食:5~7つ
主菜:3~5つ
副菜:5~6つ
果物:2つ
牛乳・乳製品:2つ
※一つあたりの量は、上記食事バランスガイドを参照

主食、主菜、副菜は朝食、昼食、夕食ごとに「3:4:3(または3:3:4)」の割合になるように振り分け、果物や牛乳・乳製品は間食に回すことを想定して算出しています。

上記は、あくまでも一日に必要なエネルギー量の基本「2,200±200キロカロリー」を目安にした数値です。性別や年齢、個人の一日に必要なエネルギーによって変動するため、自分に合った適正量を見つけることが大切です。

たとえば、女性よりも男性のほうが筋肉量が多いことから、一日あたりの食塩の摂取量は約1g多く設定されています。また、女性は月経があるので男性よりも鉄分を多く摂取する必要があります。

また、成長期は体づくりのためにカルシウムやタンパク質を多めに摂取するのが望ましく、成人以降はエネルギー量を調整しつつ摂取量を決めることが大切です。

自分がどれだけのエネルギーを必要としているかを知りたい方は、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」にて「基礎代謝量」と「身体活動レベル」をチェックしてみてください。

引用:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書 p66 表5 「基礎代謝量基準値」」
引用:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書 p66 表5 「基礎代謝量基準値」」

引用:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書 p67 表8 「年齢区分及び身体活動レベル(カテゴリー)別の身体活動レベル基準値(男女共通)」」
引用:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」策定検討会報告書 p67 表8 「年齢区分及び身体活動レベル(カテゴリー)別の身体活動レベル基準値(男女共通)」」

該当のものを選び、以下の計算式にあてはめれば、必要なエネルギー量が計算できます。

一日に必要なエネルギー量
=(一日の基礎代謝量)×(身体活動レベル)

食生活を改善して健康的な体と肌本来の美しさを取り戻そう!

栄養バランスが良く、腹八分目を心がけた健康的な食事を摂ることには、体の健康やすこやかな肌が維持できるなどの効果があります。

忙しい朝ほど朝食を抜いたり軽く済ませたりしがちですが、陽気を活性化させる午前中に食べる朝食ほどしっかり摂ることがおすすめです。昔の人のように五味を取り入れた朝食にすると、毎日の自分の体調を客観的に把握できるでしょう。

本記事の内容や食事バランスガイドなどを参考にして、楽しく健康的な食生活を送ってみてください。

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監修:再春館製薬所 
間地大輔

大学院で薬学を専攻し、2001年に入社。「ドモホルンリンクル」の商品開発、研究に従事。 永遠のテーマである漢方の自己回復力を科学する研究に責任者として取組み、自己回復タンパク(HSP)の化粧品への初めての応用に成功。2012年-2016年では、漢方事業部で薬剤師として従事した後に、老化研究所所長・研究開発部門責任者を経て、2022年より製造管理者。

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